風を道連れに

☆あるボッチローディーの独り言☆

追い風と向かい風

 

SNSが人々の行動に深くかかわる時代である。

これを上手く利用した者が時代の寵児になれるが、そこには虚実ないまぜになった危うさが付きまとうというのは、多くの人の知る所だろう。

しかし、SNSを通じて流される情報の嘘を事実と誤認してしまう人々が少なからず居ることも確かで、それが場合によっては社会を不安定化させる一因となっている。

小生とて「嘘情報に惑わされてはいない」と断言する自信は無いので、情報過多の中で正しい情報を選び取ることの難しさを痛感せずにはいられない。

それにしても、今も続く米国の混乱を傍観者として見てると「アメリカ人よ早く理性を取り戻せ」と呼びかけたくなる・・・。

 

さて、今日は木曽川から長良川へと回る周遊ライド、昼から予定があるので距離は45kmくらいと少なめにした。

バイクは1か月半ほど乗ってなかったLapierreを準備して出発。

久し振りに乗るからだろうか?妙に目線の位置が高い気がするが、サドル位置を変えてはいないので単なる気の所為と自分に言い聞かせる。(どういう具合か判らないが時々こんな錯覚を覚えることがあるのだ)

 

5分ほど走ると次第に身体がバイクに慣れてきた。

木曽川に架かる尾濃大橋に向かってバイクを駆ると、北西からの4~5m/sの少し強めの風が背中を押すので、ペダルを漕ぐ脚に力を込めなくても27~28km/hrのスピードを 容易に維持して走ることが出来る。

f:id:yoshijiji:20210216132356j:plain

滔々たる木曽川の流れ(尾濃大橋より上流を望む)

「剛脚とか健脚とかいわれてる人達はいつもこんな感じで走ってんだろうな」と勝手 に想像して羨んでみたが、所詮それはかなわぬ望みだ「俺の力量ではどだい無理だな」と諦めた。

だけど「この風、帰りは嫌だなぁ」と風に向かって走る辛さを想い出し少しネガティブな気分になったのは老化の所為だろうか。

 

尾濃大橋からは、木曽川左岸の河川敷に設けられたサイクリングロードを尾西グリーンプラザまで走ることにする。

いつもは堤防道路を走ることが多いが、路側帯が狭く緊張が強いられる道なので、今日は「走りたくないなぁ」との気分が勝ってサイクリングロードへとハンドルを切った 次第だ。

 

しばらく行くと緑地公園の草地にテントが数張りあるのを視線が捉えた。

f:id:yoshijiji:20210216132931j:plain

公園の広場になんとテント群が・・・

「此処ってキャンプを許可されてるの?」ってお節介に思ったが、どうも泊まった様子は無くキャンプ気分を味わってるだけの様だった。

寛いで折畳みチェアーに座る人達を横目に見ながら「本当にキャンプ流行りだなぁ」と独り呟く。

今の流行は、子供の頃に親とキャンプを楽しんだ経験を持つ団塊ジュニア世代での人気とSNSでの情報発信に負う処が大きいといわれているが、その範疇に入らない小生も「ヒロシのボッチキャンプ」なる番組を時折TVで観たりして昔を懐かしんでいる。

懐かしむと言っても小生のキャンプはキャンプ場のそれではなく、山での露営なので チョット趣が異なるが、自炊しながらテント泊するのだから大きな違いは無いだろう。

眼を閉じて思い起こすと、10月の涸沢の凍える寒さや、30kg超のリュックを背負って 疲労困憊しながらも愉しく縦走した南アの情景等々を今も鮮明に想い出す・・・。

 

尾西グリーンプラザ前でサイクリングロードは終わり、ここから先は馬飼大橋まで堤防道路を走ることになる。

f:id:yoshijiji:20210216133558j:plain

木曽川左岸堤防道路(一宮市尾西付近)

幸いにしてこの堤防道路は車の交通量がグーンと減るので安心して走れるのが嬉しい。

風は右後方からの追い風で、巡航速度を保ちながらも周囲を眺める余裕ある走り、視線の先の養老山地の青い山並みが徐々に大きく近付いてくる。

 

15分ほど走り馬飼大橋の袂で信号停止、ここから木曽川右岸に渡って木曽長良背割堤 北詰に向かおうと橋に入った途端、正面から風が吹き付けてきた。

f:id:yoshijiji:20210216133835j:plain

木曽川大堰として水資源管理機能も兼ねる馬飼(頭首工)大橋

「やっぱり強い風だな」追い風の時は感じなかった風速も向かい風となると実際以上に感じる。

これまで楽をしたんだから仕方が無いと諦めたいが、風の抵抗に遭うとついそれを恨みたくなる、人間は自分本位の勝手な生き物だ。

f:id:yoshijiji:20210216134758j:plain

木曽川左岸を背割堤に向けて走る

背割堤北詰まで走ると、今度は道を右に折れ戻って長良川左岸堤防道路に入る。

風はほゞ正面から吹き付けてくるが、道はこの先で右に緩くカーブするのでやゝ横風になって抵抗は減る「少しだけ辛抱しよう」と呟いてチョットだけ前傾姿勢を強めた。

f:id:yoshijiji:20210216135050j:plain

向かい風の中を長良川左岸堤防道路を上流に走る(羽島市桑原付近)

風に向かって5kmほど堤防道路を走って来たが、ギアを軽めに落として80rpm前後の ケイデンスでクランクを廻してきた所為か、次第に脚に疲労が蓄積してきた様だ。

「時間もあるしチョット休むか」とこの先の運動公園で最後の休憩をとることに決め、河川敷に敷設された管理道路に降りると、風は随分と弱まった気がする。

f:id:yoshijiji:20210216135603j:plain

長良川上流に向かって8km余り続く河川敷の道

「これなら堤防道路を走るより楽かも知れない?」福寿町まで続くこの道を走ることに変更するとして、まずは休憩場所までとペダルを踏む脚に力を込めた。

f:id:yoshijiji:20210216140706j:plain

運動公園の脇にバイクを停め最後の休憩

ベンチに腰掛けて10分ほど休憩したのち出発。

風の抵抗を受けてあまりスピードは出せないが、此処からなら30分くらいあれば居宅に帰り着けると踏んだ・・・。

 

 

 

美濃方面へ

 

小生の住む地域では2月中旬頃からスギ花粉の飛散が始まるとニュースが伝えていた。

「今年も嫌な季節が始まるなぁ」花粉症キャリア30年以上の小生にとって春は無くてもいい季節、駆け足で過ぎ去って欲しいといつも身勝手ながら思う。

今年は花粉の飛散量が多いらしいから、2月一杯で外出自粛(COVID-19対応じゃなく)となるかも知れない「あと3週間ってとこだな」と外を見ながら呟いた。

今日は日中の気温が14℃くらいまで上がるということなので、久し振りに山手方面へ ライドすることに決めた。

 

身支度を済ませて次はバイクの準備に取り掛かる。

「そうだなぁしばらく乗ってないLapierreにするか」タイヤの空気圧を少し柔らかめに調整し、サイコンをセットして電源を入れる・・・「あれッ液晶表示が出ないぞ?」 もう一度電源スイッチを押すがやっぱり表示は出ない「ちッ、バッテリー切れか」

仕方ないのでバイクを替えることにし、今度は数日前に乗ったDe Rosaを準備する。

タイヤの空気圧を調整し、De Rosa用サイコンをホルダーにセットして電源スイッチを入れると、「嘘だろ?」何とこれもまたバッテリー切れだった。

f:id:yoshijiji:20210209195056j:plain
f:id:yoshijiji:20210209195111j:plain
 Lapierre用サイコン             DeRosa用サイコン

何か不吉な予感「出掛けるなとの警告か」とガラにも無く思ったが、こんなことは往々にしてあると理性的にそれを否定し、Varacan Special用のサイコンを確認すると、これはバッテリー残量少なめだが今日1日は持ちそうだった。

それにしても、出掛ける段になってサイコンのバッテリー切れに気付くなんて、我ながら飛んだお笑い種のマヌケな話ではある。

 

出発前のドタバタはあったが、何とかVaracan Specialでライドに出ることが出来た。

行先は山手方面(北西~北東)だが、実際の選択肢は揖斐・美山・美濃の3つ。

高台に出て山手方向を眺めると、揖斐と美山辺りの山並みはうっすら雪を被っているが美濃方面には雪が無いことが判った。

「美濃に決まりだな」日陰の凍結した路面で滑ってケガをするのは御免だから、揖斐や美山方面へ行くのはもう少し暖かくなってからの方が良さそうだ。

 

美濃に向かう時は、岐阜市街地の10km余りを長良川左岸河川敷道路にとるのがいつものルートだが、昨年からの長期工事で通行止めされており今日も走れない。

代替として選んだルートは堤防に沿って続く街中の裏道で、信号なしで走り続けられるのは良いが、ソコソコ車が往来するので絶えず背後に注意する必要があり、小心の小生には疲れる道だ。

「工事よ早く終わってくれ」と切に願わずにはおられない。

f:id:yoshijiji:20210209200311j:plain

裏道を走ってようやく堤防道路へ出た(岐阜市忠節付近)

長良川に沿って金華山の麓を抜け日野の住宅街を過ぎると、走行ルートは山間の道へと入る。

ハンドルから手を離し上体を起こして深呼吸すれば、清澄な空気が肺胞に満ちて身体の隅々までがリフレッシュされる気分だ。

f:id:yoshijiji:20210209200541j:plain

長良川に沿って山際の道を行く

ペダルをユックリ廻しながら辺りに視線を投げると、流れゆく景色が映画のワンシーンの様にも見えて、小生の心に何故か郷愁を呼び起こす・・・。

しかし、そんな夢想もトンネルが近付くとたちまち現実に引き戻され長くは続かない。

f:id:yoshijiji:20210209200838j:plain

r-287に沿って走る自転車道岐阜市芥見付近)

藍川橋を過ぎて道を北東に辿ると、正面に美濃山地の青い山並みが迫ってくる。

今日の予定は、あの手前の山の向こう側に回り込み、山に沿って走って戻ってくる周回ライド。

f:id:yoshijiji:20210209202321j:plain

美濃山地の山並みの彼方に雪化粧の御岳山が・・・

風は殆ど無く、若干のアップダウンがある道を27~28km/hrのスピードで走っていると上体が汗ばむほどの陽気、時折首元のジッパーを下げて外気で冷やさなければならないほどだ。

今のところ脚は快調に回っており疲労の兆候はないので、予定通りのルートでいけそうと踏んだ。

 

いつもは千疋の橋を長良川右岸側に渡って美濃へと走るが、今日は直進して正面の山を右に巻き、束の間R-156を走って小瀬の鮎之瀬橋を目指す。

この道は、千疋橋を渡る美濃への近道を知らなかった頃にはよく走ったが、もう5年はご無沙汰の小生にとって忘れられた道「そうだそうだ」と記憶を懐かしく辿りながらの走行も案外愉しいものだ。

 

小瀬からは長良川右岸沿いの小道を山崎大橋まで北上、美濃市街は目と鼻の先だが用もないのであっさりスルーと決め左折して百日紅街道に入る。

帰路はこのまま百日紅街道を長良まで走ればいいのだが、車通りの多い道を走り続けるのはやっぱり疲れる。

いつもの様に所どころで間道への迂回を入れ、ゆっくりと風景を愉しみながら走ることにした。

f:id:yoshijiji:20210209202919j:plain
f:id:yoshijiji:20210209203006j:plain
開通近い東海環状自動車道            武儀川沿いの間道

f:id:yoshijiji:20210209203130j:plain

百日紅街道(岐阜市雄総付近)

40分ほど走り続けて長良河畔に到着、ベンチにバイクを預けて最後の休憩をとることにした。

f:id:yoshijiji:20210209203831j:plain

川面を眺めながら長めの休憩

暖かい陽光が少し疲れた身体を包んで、心地よい時間がゆっくりと過ぎていく。

視線を川面に転ずるとカヌー遊びをする2人が・・・やっぱり今日は季節外れの暖かさなのか?

f:id:yoshijiji:20210209204403j:plain

カヌー遊び面白そう・・・



 

平日だよね?

 

最近、ライド中に突然の倦怠感に襲われることがある。

特に負荷の高い走りをしてないのに、腿に強い疲労を感じたり上腕に酷い脱力を感じ たりするので、そんな時は一旦スピードを落として患部?を休ませ、身体が元の状態 に戻るのを待つしかない。

多分、単なる運動不足による筋力低下が原因だろうと思っているが、自律神経失調症やギランバレー症候群といった疾病が原因ならチョット困る。

もう少し様子を見て同じことが続くなら医者に診てもらう必要があるかも?

 

今日は午後から天候が下り気味との予報なので、遠出は止めて近場の平田リバーサイドプラザに向かうことにした。

いつもの様に周回コース(4km)を7~8周すれば走ったという充足感は得られるし、 空模様が変わっても崩れる前に帰ってこられる。

 

居宅を出てしばらく走ってビル屋上の旗を見上げる。

この旗で風の強さと方向を見るのがいつものルーチンで、今日はダラリと垂れ下がってほゞ無風だと判る。

「OK、バッチリだ」風はローディーの大敵だから風が無いだけで嬉しくなり、ペダルを漕ぐ脚に力が入る。

 

20分ほど走って長良川左岸の堤防道路に出ると、平田リバーサイドプラザまではあと 少し。

f:id:yoshijiji:20210202113840j:plain

長良川左岸堤防道路(羽島市福寿町付近)

スピードを緩めて辺りの景色を楽しみながら走っていると、背後から2人のローディーが来て素早く抜いていった。

「速いなぁ」感心しながら見送っていると、また2人のローディーが抜いていく。

スピードは35~36km/hrだろうか? 2組に分かれているが走りを見るとどうも4人は連れらしい。

あんな風に一緒に走る仲間がいたら楽しいだろうなぁと、少し羨ましい気持ちが湧いたが、所詮ボッチローディーは独り走りが好きな筈、小生には無理と諦めた。

遠ざかる4人組を眼で追いながらギアを上げて追走モードに入るが、所詮年寄りが若者に勝てる筈も無く差は広がるばかり「こりゃぁダメだぁ」無駄な努力は骨折り損のくたびれ儲けとばかりに、早々に追うのは止めて普段の走りに戻した。

 

するとその直後、100mほど先の脇道から1人のローディーが堤防道路に入ってきた。

冬場なのに七分丈のレーパンを履いている処を見ると走り屋か?と観察しながら近付くと、その気配に気付いて振り向いた彼はそのままスピードを上げた。

平田リバーサイドプラザへの分岐はこの先だが、彼が何処へいくのか興味が湧いたので「チョットばかり付いて行ってみよう」と少し遅れて小生もスピードを上げた。

スピードは30km/hrほどなので無理なく付かず離れずの距離を保って追っていける。

この先はT字路で、右に折れれば木曽長良背割堤、左に行けば木曽川右岸沿いを馬飼 大橋へと戻る道だ。

「やっぱり背割堤だろうな」と考えながらなおも追尾していくと、案の定T字路を右 に折れた。

「終わりだな」今日は背割堤を走る気はないので追尾はこれまでとし、来た道を平田 リバーサイドプラザへの分岐まで引き返すことにした。

それにしても、この堤防道路の5kmほどの区間で、5人の若者ローディーに出くわすのは珍しい。

休日なら大いにありうるが平日にはあまりない事だけに、何か良い事の前触れであったらいいなぁと、迷信など信じない小生だが都合よく思った・・・。

 

長良川にかかる南濃大橋を右岸側に渡った所が、平田リバーサイドプラザで河川敷に 設けられた運動公園だ。

f:id:yoshijiji:20210202115941j:plain

南濃大橋から見る平田リバーサイドプラザ

芝生広場のベンチで10分ほど休憩をとって脚の疲れを癒したあと、1周4kmコースの 周回走行に入る。

1周目は慣らし走行として25~26km/hrに抑えて走り、2周目以降はスピードを30km/hr前後に上げて周回を繰り返すのがここを走る時のいつものパターン。

f:id:yoshijiji:20210202120212j:plain

南北に細長い周回コース

今日は風が無いのでスピードの維持が普段より楽だったがそれも前半まで、5周目が 終わる頃から脚に疲労が溜まってチョット苦しくなってきた。

「どうするかなぁ」あと1周は多分持ちそうだから「7周目は出来るだけ我慢して走り、8周目はクーリング走行にしよう」と自分に甘い裁定を下すことになった。

 

苦しいながらも何とか8周回を走り切り、芝生広場のベンチで疲れを癒しながら暫し 沈思黙考。

f:id:yoshijiji:20210202120545j:plain

平日の芝生広場には誰もいない・・・

「やっぱり筋力が落ちたのは間違いないなぁ」「筋トレ必要かも?」「歳を考えれば 相応じゃないの?」等々思いは尽きない。

ふと我に返り上天を見上げると、雲が多く日差しも無くなってきたので、長居は無用と帰ることにした。

 

帰り道、前から気になっていた「大須観音の古里」という看板のある真福寺に寄って みる。

f:id:yoshijiji:20210202121133j:plain

静かな佇まいを見せる真福寺大須観音

今は観音堂だけの小さなお寺だが、説明書きによれば、室町時代には寺領1万石・真言寺院335末寺を束ねる本山として大伽藍を擁し隆盛を極めた寺だったらしい。

しかし時代が下って江戸初期、戦乱や水害などで衰微荒廃した寺に貴重な古文書(日本最古の古事記写本等)があることを知った徳川家康が、寺ごと名古屋城下に移転させたのが今に繋がる名古屋の大須観音の始まりということであった。

「なるほど、だから大須観音の古里という訳か」と納得した。

現在の寺は、元の寺が移転後に村民が昔をしのんで建立したもので、その小さな佇まいが往時の村民の願いを偲ばせる。

昔を夢想する様に寺社を眺めていると、脇に立つ円空仏が優しく微笑んだ・・・。

f:id:yoshijiji:20210202121654j:plain
f:id:yoshijiji:20210202121707j:plain
護法神像                  善女龍王

 

 

 

サイクルトレイン

 

昨日外出から戻ると、会社勤めをしていた頃の知人から封書が届いていた。

永らく疎遠にしており「何だろう?」と思い早速開封すると、随分昔に退職した共通の知人の連絡先等を知っていれば教えて欲しいとの内容だった。

古い情報と前置きして詳細を伝えることにしたが、果たして役に立つかどうか・・・。

小生はあまり社交性が高い方ではないので、会社勤めをしていた頃はそれなりに友人も居たが、会社を離れると一気に人付き合いの頻度が減り、今では同期や旧友との年数回の飲み会(昨年はCOVID-19でそれも無しだったが)で旧交を温めるばかりである。

まぁ、だからと言って寂しさが募る訳じゃ無いから別に良いんだけど・・・。

 

さて、今日の行先は多度大社。

木曽三川公園からチョット足を延ばした先の多度山麓にある、上げ馬神事の祭礼で有名な神社だ。

桑名方面へライドする時は近くを通ってもスルーすることが多いが、年初でもあり珠には参拝してみるのも良いかなと思った次第で、距離的にも往復70kmほどで丁度良い。

まずは居宅近くのポストに知人宛て封書を投函し、一仕事?終えた安堵感に浸りながら出発する。

 

風は北寄りの微風で日中は気温も上がるとの予報なのでまずまずのライド日和だ。

街中を抜けて羽島へ向かう道に入ると、脚も回る様になって軽快にバイクが進み、徐々に気持ちも高揚してくる。

「よーし脚も軽く快調!」と呟いて橋を渡り加速しようと前方を覗うと、停車した車の長い列とその先の赤い点滅が目に入ってきた。

「事故か?」車列の横をすり抜けて先に進み、事故現場を横に見ながら停まることなく通り過ぎる。

どうやら車4台が絡む事故の様で、救急車も停まっていたから怪我人も居る様だった。

事故発生からそれほど経ってない「と云うことは封書の投函で寄り道してなければ?」ひょっとしたら事故に巻き込まれていたかもとの変な考えが浮かんで消えた。

世の出来事の多くが偶然の集積の結果とすれば、これを幸運と呼ぶべきかどうかは判断に迷う処だろう。

「まぁ周りに注意して走ることだな」と注意散漫になりがちな自分を戒める言葉を独り呟いた。

 

長良川左岸堤防道路に出て広い視界の道を南に向かって走る。

右手養老山地の青い山並みの向こうに顔を出す鈴鹿山脈の白い稜線が綺麗だ。

f:id:yoshijiji:20210126155345j:plain

長良川堤防道路から養老山地を望む

あれは藤原岳から御池岳へと続く稜線の連なりだろうか?

昔、残雪期にあの稜線を単独行した時の残影が、モノクロ映画の様に脳裏に浮かんでは消えた。

思えばあの頃から独りでの山行きが増えていった。

若気の至りと言うしかない無謀な山行(危うく遭難しかけた)もあったが、それも今では懐かしい思い出の一コマだ。

 

周囲の風景を楽しみながら軽快に走って木曽長良背割堤までやってきた。

ここからの10kmはほゞ自転車専用道みたいなもの、車を意識しない自由な走りを満喫できるから好きだ。

鼻歌交じりにバイクを駆ること数分、と前方にローディーの後姿があるのに気付く。

f:id:yoshijiji:20210126155627j:plain

背割堤には前走するローディーが

追うとも無く走って滑空場横で並んだので、すかさず「どちらまで」と声をかけると、意外にも返ってきたのは女性が発する「多度大社です」の聲。

後姿から少し華奢めな青年と思っていただけに少し動揺したが、それは噯にも出さず「一緒ですね」とまた返した。

それから10分余り幾つかの話題を語らいながら並走したが、これ以上長い同行は相手の迷惑だろうと心得て「それじゃお先に」と挨拶して先を急ぐことにした。

最近は女性のボッチローディーをちょくちょく見かける様になったが、それが良い事なのかどうか、古い価値観に縛られている小生には能く判らない・・・。

 

木曽三川公園展望タワーの横を抜けて山に向かって油島大橋を渡れば、多度大社までは残り4kmほど、養老鉄道の踏切を越え古い街並みの残る参道を西に詰めると10分余りで境内前に到着した。

f:id:yoshijiji:20210126155936j:plain

油島大橋を超えて進む
f:id:yoshijiji:20210126160917j:plain
f:id:yoshijiji:20210126160932j:plain
 多度大社               本宮へ続く参道

参集殿の横にバイクを預け、手水舎で身を清めた後鳥居をくぐって拝殿へと向かう。

山懐深く抱かれた本宮への砂利敷を独り静かに歩んでいくと、徐々に心が澄明になっていく様な気がするのは何故だろう。

木立に囲まれ静寂な雰囲気を醸す本宮の祭神は天津彦根命天照大神の子神)

浅学菲才の小生だから何にご利益がある神様か知らないが、今の願いは離れて暮らす 2人の娘家族の無事「災禍に遭わず健康で暮らせる様に」とお願いした。

 

参拝を終えて砂利敷を中ほどまで戻って来た時、前方に背割堤で別れた女性ローディーの姿を認めたので「おっ結構早い到着だな」と思いながら視線を送ると、彼女も小生に気付いたらしく笑顔を返してきた。

互いに足を止めて二言三言の言葉を交わして「それじゃぁまたどこかで」と言って別れたが、多分そんな偶然は勿論無いだろう・・・。

 

さて帰路だが、当初は往路をそのまま戻るルートを想定していたが、あまり面白くないので変更する事にした。

代案は兼ねてやりたいと思っていた養老鉄道サイクルトレインでの輪行

ほんの思い付きなので、細かなことは駅で決めることにして最寄りの多度駅に向かって参道を走る。

 

駅に着いて時刻表を見ると直近は12:19発、20分の余裕があるのでどこまで乗るかをGoogleMapで調べると駒野駅までが良さそうだと分かった。

距離11km、乗車時間17分のミニ輪行という訳だ。

f:id:yoshijiji:20210126161936j:plain
f:id:yoshijiji:20210126162004j:plain
 養老鉄道多度駅            ホームで電車を待つ

サイクルトレイン乗車口でバイクのトップチューブに腰掛け待つこと数分、定刻通りに電車が来た。     

養老鉄道サイクルトレインは、バイクをそのまま載せるヨーロッパ方式だから輪行袋は不要、しかも運賃は人の乗車賃だけだから使い勝手が良い。

f:id:yoshijiji:20210126162204j:plain
f:id:yoshijiji:20210126162223j:plain

2両目に乗車              バイク毎座席へ

乗車して車内を見廻しサイクルスタンドを探すが何処にも無く、どうやら座席の前で手で支えろという事と合点した。

乗客は小生を含めて4人、多分日中の乗客数は少ないので自転車が座席の前にあっても問題は無いのだろう。   

列車はソコソコのスピードで走るが3~4分で次の駅に着いて停まるので、押し並べるとバイクで走るスピードと変わらないというのが実感だ。

 列車の揺れと窓越しの暖かい日差しについ瞼が下がってしまった頃、駒野駅に到着のアナウンスが耳に届く。

「おっと危うく乗り過ごす処だった」忘れ物が無いことを確認して列車を降りた。

 

ここからは揖斐川沿いを今尾橋まで走り、輪之内⇒安八⇒墨俣と走り慣れた間道を辿れば1時間チョットで居宅に着ける筈だ。

駅頭で身支度を整えて走り出すと、何だか脚が重く感じる。

どうも休み過ぎた様だ・・・。

 

 

のんびりサイクリングロード

 

寝起きのボーっとした気分で朝食中に、掛り付けの泌尿科の先生から電話があった。

先日、採血して調べたPSA(前立腺腫瘍マーカー)の値が前回より悪くなっていると 言う。

「やっぱりな、そうなると思った」定期的にPSA検査をしているが、バイクに乗った 翌日に採血すると決まってPSA値が上昇するのだ。

まぁそうは言っても前立腺癌に罹るのはやっぱり嫌、前に精密検査を受けたのは3年 ほど前だから、そろそろ検査の頃合いでもある。

明日にでも泌尿器科に行って精密検査受診の件を相談することに決めた。

 

今日は気温も10℃くらいまで上がるとの予報なのでライドに出掛けない手は無い。

「たまには木曽川サイクリングロードをのんびりと走ってみるか」と逡巡なく決めて 準備に取り掛かった。

 

居宅を出て走りながら「今日はどの橋を渡るかな?」と考える。

木曽川にかかる橋は上流から木曽川橋、尾濃大橋、濃尾大橋と3つある。

近いのは木曽川橋だが、心と体は濃尾大橋へと遠回りするのを要求しており、まずは ハンドルをその方向へと切る。

こんな時に濃尾大橋を選択するには訳がある。

木曽川橋を渡るより10kmほど余分に走れることもあるが、濃尾大橋を渡って上流に 走った辺りの堤防道路から見る風景が好きなこともある。

f:id:yoshijiji:20210119105150j:plain

木曽川左岸堤防道路からの眺望(一宮市奥町付近)

 冬の空気の澄んだ日は、濃尾平野を西から東にかけて囲む青い山並みが見渡せ、それらを遠く眺めながら走ると爽快な気分になる。

 

それにしても今日は陽気が良いせいか、サイクリングロードと併設された遊歩道を歩いている人が多い。

f:id:yoshijiji:20210119110143j:plain

木曽川緑地公園に沿って走るサイクリングロード

大概の歩行者はバイクが近付くと音で気付くが、そうでない歩行者も少なからず居る。

危ないのはバイクに気付かず直前に横に動く人で、これまでも何度か急ブレーキで衝突を回避したことがある。

「声掛けと減速が必要だな」と呟いて自分に言い聞かせた。

 

尾濃大橋の下を抜けて玉ノ井緑地公園を過ぎると、サイクリングロードは一旦途切れ、その先のサイクリングロードまでは堤防道路を走る。

堤防道路区間は僅か1.5kmほどの距離しかないが、車が通る舗装の悪い道で、ここまでの快適な走りを中断されるのは小生にとってかなりストレスだ。

昨年から、この堤防道路の河川敷側で灌木の伐開がおこなわれているので、ひょっと するとサイクリングロード敷設もあるんじゃないかと、期待を込めて見ているがさて どうなることか・・・。

 

木曽川橋を過ぎると暫くのあいだ川沿いをいくので、時折川の流れに視線を投げながら138タワーまで快調に走る。

木曽川は長野県(木曽郡木祖村)を源流に岐阜、愛知、三重と流れて伊勢湾にそそぐ 

延長229kmの大河で、下流域のこの辺りでは水質も悪くなっているが、冬は川の流れ が清澄になるので、青く光りながら流れいく様を眺めていると清々しい気持ちになる。

 

居宅を出てから1時間半ほど走り続けてきたので、サイコンの走行距離を確認すると25kmチョットでたいして走ってない。

まぁ、今日はのんびり走るのがルールだから、その意味では合格だ。 

「そろそろ休憩の頃合いか」と思いながら、普段スルーする河田橋下の休憩エリアを 通り過ぎた時、視界の片隅に何かキラリと光るものを認めた。

「ぅん、あれはサイクルラックじゃ?」気になったので戻って確かめると間違いなく サイクルラックだった。

f:id:yoshijiji:20210119125916j:plain

誰もいない休憩場所で一休み

「いつ設置したんだろう?」昨年秋ごろまでは無かったのでそれ以降に違いない。

ここで休憩すると急遽決め、サイクルラックにバイクを預けてからベンチで物思いに ふける。

「設置したのは誰? 公園の施設整備の一環なら自治体? 費用は工事費込みで10万円 もあれば? 他の休憩エリアにも設置されるかなぁ?・・・」

アレコレ勝手に類推しながら15分余りを過ごした。 

 

のんびり走りゆっくり休憩した所為か、扶桑緑地公園の折り返しで時刻は正午を過ぎ てしまった。

「少しスピードUPするか」と呟いてペダルを踏む脚に力を込める。

スピードは27~28km/hr、風は微風ながらも向かい風で次第に息が上がって心拍数も 増えてくる。

「これじゃチョット持たないなぁ」と弱気に判断し、ギアを1段落として持続可能な スピードに抑えた。

f:id:yoshijiji:20210119130517j:plain

視界が広がるサイクリングロード(江南市宮田付近)

一昨年から昨年にかけてのほゞ1年間バイクに乗らなかった影響で、かなり身体の運動機能が落ちてしまった。

以前は無理なく熟せたことが今出来ないのは、心肺機能や筋力が以前のレベルまで回復してないからだろう。

「ローラー台で鍛えるか」と自問した。

 

帰路は、往路をそのまま木曽川橋まで戻る心算で138タワーまで走ってきたが、右方向に観覧車を見て急に心変わりした。

「この先でアクア・トト方向へルートを変えよう」

別に観覧車に乗りたい訳では無く、単に往路とは違うルートをとることにしただけ。

多分、木曽川橋まで戻るルートの方が早く居宅に帰り着くが10分とは違わない。

「急ぐ必要も無いからね」と独り呟いた。

f:id:yoshijiji:20210119131032j:plain
f:id:yoshijiji:20210119131046j:plain

     岐阜市街を遠望             アクア・トトぎふ     

のんびりと木曾川サイクリングロードを走ってみたが、珠にはこんなライドも良い。

特に冬の少し暖かい日は、休憩場所のベンチに腰かけて、好きな曲でも聞きながら川面を眺めていたいものだ・・・。  

 

  

1円玉だったか

 

歳をとった所為か数年前から睡眠時間が増えた。

会社勤めをしていた頃は、23時~24時に寝床に入って6時には起きる生活だったが、 今は8時ごろにならないと目が覚めず、起きても妙に頭が重く気分が良くない。

勝手に「8時間以上寝ちゃいけない体質なんだ」などと思っていたりするが、本当の ところはどうなんだか?

今日も8時に起きて、新聞を読みながらTVを流し見て朝食をとっていたら、出掛ける 時間が10時を過ぎてしまった。

身支度をしながら窓越しに外を見ると、庭のバラの植え込みが風に揺られており、ソコソコ強い風が吹いている様だ。

「何処へ行こうかな?風はあるし寒そうだし」

遠くへは行きたくない気持ちに押し切られて、近場を40kmばかり走ってみることに した。

 

バイクは、最近乗ってないVARACAN specialとし、タイヤに空気を入れていざ出発。

走り出し時は頬にあたる風がチョット冷たく、思わずネックウォーマーを引き上げて 防寒する。

「やっぱり今日は寒いなぁ」呼吸の妨げになるが暫くこのまま走ることにした。

街中を抜け、境川沿いの小道を走りながら何気に川面に視線を向けると、水面がキラ キラ光っているのが見えた、どうやら水面が薄く凍っているらしい。

f:id:yoshijiji:20210112143410j:plain

氷結して朝日に輝く水面

「今の気温は1℃前後か? 風も4~5m/sはあるし、雲の多い天気だから氷は溶けそうにないな」などと独り言を呟きながらユックリ通り過ぎた。

 

長良川左岸堤防道路に出て南に向かって走る。

風は西南の方向から吹いており若干向かい風になるが、正面から吹くよりはまし、それに往路の苦は復路の楽でもある。(この逆は好きじゃないけどネ)

f:id:yoshijiji:20210112143750j:plain

堤防道路からは冠雪した伊吹山が見えた

徐々にスピードが上がってクランクの回転数が増すと「ん、何か異音がするぞ」と気付いた。

ペダルを漕ぐ脚の動きに合わせて「カッっ・・カッっ・・」と一定の間隔で音がする。

ギアを落としクランクの回転数も下げると音は止むが、ギアを上げてペダルを踏む脚に力を入れるとまた音が・・・「何か当たっている様な音だが何処だろう?」 

少し広い路肩を見付けてバイクを停め、異音の発生個所を確認するためバイクを持ち 上げてクランクを手回しするが、音は何処からもせず、それは前後のギアを操作しても同じ・・・。

「オカシイなぁ」何処かが当たってる筈なんだけどと、チェンジリングスプロケットの周りを探すが、何処にも異音の原因となる様な異常はない。

「此処じゃ埒が明かないなぁ」安全な場所に移動して、走りながら異音発生個所を探すのが手っ取り早いと、近くの河川敷道路へ急ぐことにした。

 

河川敷道路に向かいながら、どんな時に異音が出るか考える。

・走り始めは音は出ないが、少しスピードが上がると音が出る

・フロントギアがインナーでもアウターでも音が出る

・クランクを回さないと音は出ない

・バイクを降りてクランクを回しても音は出ない

と云う事は、前後ホイールは原因から除外だが、変速機関連(前後のディレイラーと ギア類及びチェーン)とクランク関連(クランクとボトムブラケット及びペダル)は 怪しい。

そこで、河川敷道路に着いたらまず最初に変速機関連を確認する事にした。

 

草原を見つけてバイクをひっくり返し、クランクを回しながら前後のギアを順次変速 して異音が出るか確認するが、それらしき音はどこからもせず、どうやら変速機関連 も原因から除外しても良さそうだ。

「やっぱりクランク関連かぁ」音が出る箇所が絞られてきた。

①クランクのガタツキ   ②ビンディングペダルとシューズの固定不良   ③ボトムブラ ケットの不良  多分この内のどれかだと推測する。

まずクランクのガタツキだが、クランクをユックリそして速く手回しするが、若干の 遊びはあるものの、ガタついてチェーンと当たって音が出る事は無くこれはハズレ。

次のビンディングペダルも、走りながらシューズを前後左右に動かして確認したが、 これも異音は出ず同じくハズレ。

結果として残ったのはボトムブラケットの不良で、実はこの部分、原因じゃなければ 良いがと密かに恐れていた所だ。

と言うのも、ボトムブラケットから出る異音は前に一度経験しているからだ。

 

De Rosaに乗って2年くらい経った頃、今回と同じ様に走行中に何処からか「カチッ・・カチッ・・」と異音がするようになった。

色々調べて最後に原因として辿り着いたのがボトムブラケットの不良で、クランクを 外してボトムブラケットのベアリングを見ると、砂にまみれて油切れの状態だった。

この油切れボトムブラケットの交換作業では大変苦労した覚えがあるが、これを交換 する事で走行中の異音は無くなったので、どうやら今回も同じ対応が必要ということ かも知れない。

それにしてもこのVARACAN specialは昨年8月に組み立てた物、距離も数百㎞しか走ってないのにボトムブラケットが不具合になるなんてチョットがっかりだ・・・。

 

異音の原因箇所もほゞ特定できた事だし、これ以上あれこれ考えていても仕方がない「ここは心機一転走りに専念しよう」と気分転換を図り、この河川敷道路を4往復(30km)ばかり走ってみる事にした。

f:id:yoshijiji:20210112150448j:plain

誰もいない河川敷道路はボッチローデイが走るのにピッタリ

風は相変わらず西南方向から吹いているので、往路は24~25km/hrぐらいにセーブし、復路は30m/hr前後にスピードUPして走る。

こうして淡々と走っていると、次第に雑念は消え果て、視界に入るもののみが意識の 対象となりそして消えていく・・・。

 

そんな風に走り続けて2往復めの折り返しに近づいてきた時である、何気なく座る位置をサドルの前方に移したら、突然あの異音がしなくなった。

「えぇ、音が消えたと云う事は・・・」仮説を検証する様にサドルに座る位置を前・ 正常・後と変えてみると、前寄りに座ると音が消えて正常or後寄りに座ると音が出る 事が判った。

なるほど、サドルのシートポスト固定にガタは無いので、異音はシートチューブに差込んだ同ポストから出ていると考えられ、想定外の原因ではあったが、ここが発生源と すれば心当たりもあり納得出来る。

 

このバイクは、元々シートポストを同チューブに固定するクランプ部に問題があって、ボルトを強く締めてもシートポストが下がってサドルを適正高さに維持できない不具合が生じていた。

このため、苦肉の策としてシートチューブ内に突っ張り棒を入れてポストの沈下を防いでいるが、ライドで何度も乗り回す内にサドル位置が適正高さより1cmほど下がって きたことから、1円玉を複数枚重ねてスペーサー代り(何という安易な発想だろう)に追加する処置をおこなった。

これが年末の事で、以来このバイクには全く乗っておらず、1円玉での高さ調整が異音発生の原因になろうとは夢想だにしなかった。

サドルの前寄りに座った時は音が止み、後寄りに座った時に音が出るのは、その高さが適正かどうかに関係していると思われる。

実は1円玉スペーサーを入れる時、悪い事にその必要な厚みより5m/m分多く1円玉を 重ねて入れる事をしていた。

この余分な5m/mにより生じる腰の振れがシートポストに一定間隔の微振動を与え、 それが1円玉スペーサーor突っ張り棒への衝撃となって異音を発生させていると考えるのが正解だろう。

 

「良しこれで異音問題はスッキリ解決だ」あとは居宅に帰ってから対応を講じることにしようと決め、ひと先ずトイレ休憩をとるため近くの公園に向かった。

f:id:yoshijiji:20210112151906j:plain

遠く養老山地を眺めながら休憩

休憩の後は走り残した河川敷道路2往復半の走行を再開だ。

気分も晴ればれだから、気持ちよく走れるぞ・・・。

 

 

初詣ライド

 

COVID-19のウイルス変異が言われる様になってから感染者漸増が止まらない。

私見だが、このウイルスの特徴は「若者が感染した場合は無症状の徴候を示す場合が 多い:米国医学誌」と云う事ではないか?

無症状だから感染者は感染したとの自覚は無く普通に生活(周囲の人と会話し、触れ 合い、時に酒を飲んで大きな声で話す)する。

しかし、無症状者(クラスター源)の体内のウイルスは感染力を失ってる訳では無い から、その濃厚接触者は次々と感染して、中高年者の場合は発症して隔離されるが、 多くの若者は発症しないので新たなクラスター源となって更に感染を拡げる。

この無限連鎖こそ感染者漸増の根本原因ではないのか?

この連鎖を断ち切るには、PCR検査数を飛躍的に増加して潜在する感染者を洗い出す しか方法はない。

現行の「感染者とその濃厚接触者あるいは感染症状を示す者」に限定したPCR検査に 固執する限り、我が国のCOVID-19終息は遥か先にしかないと思われる・・・。

 

さて、昨年末から1週間近く居宅から出ない日が続いたので「そろそろ動き出さなく ちゃ」と自分を叱咤激励して初乗りライドに出掛けることにした。

行先は「そうだなぁ、なんぐうさん(南宮大社)にするか」と、正月でもあり、初詣 がてらの思いも込めて何となく決めた。

南宮大社の祭神は金山彦命で、かの有名?な天照大神の兄神様。

この神様は、金運や必勝祈願にご利益があると云われているので、宝くじの高額当選 でも祈願してみるか・・・。

 

走行ルートは岐阜から養老を経由して垂井へ向かう迂回路をとることにした。

距離的には大垣市街地を抜けて西進するのが近いが、車通りが多くて信号停止が多発 する道を走らねばならず、ストレスが溜まるばかりで好きじゃない。

今日も風があまり吹いてないので、小生の巡航速度である27~28km/hrのスピードを 維持しながら走れるし、体感温度も下がら無いので至極快適だ。

養老に向けて走って牧田川沿いを西進する辺りまで来ると、養老山地が大きく迫って きた。

麓に雪は無いが、中腹から上の山肌には結構積雪が見られて、先日来の麓一帯の寒さ が窺い知れる。

f:id:yoshijiji:20210107200248j:plain

中腹まで積雪した養老の山並み

ここから進路を北西方向に変えて10分余り走り、相川沿いの堤防道路を西に詰めると、南宮大社まではあと2kmほど。

f:id:yoshijiji:20210107200426j:plain

相川堤防道路から西方を望む

居宅を出てからズーッと走り続けてきたからか?チョット脚に疲労が溜まってきた様 だが、ここでの休憩は勿体無いので「もう少しの辛抱」と自分に言い聞かせ、ギアを 2段落として走ることにした。

 

南宮大社の参道に入って社殿近くまで緩斜路を進むと、道に30台ほどの車が駐車場の 空きを待って車列を成していたので、その横をユックリ通り抜ける。

普段は車に邪魔者扱いされてやるせない思いに駆られる我々ローディだが、こんな時 だけは車の優位を覆せる気がしてチョッピリ愉快だ。

社殿の横にバイクを預け楼門をくぐって拝殿へと砂利敷きを歩むと、緩い足元で病ん でいる左脚が痛いが、ここは少し我慢するしかない。

f:id:yoshijiji:20210107200748j:plain
f:id:yoshijiji:20210107200806j:plain
南宮大社楼門               南宮大社拝殿

密を避けて参拝客が途切れた空きに拝殿での参拝を手早く済ませ、改めて辺りを見廻 すと、三が日では無いから参拝客は多くは無いが、それでもソコソコの人出だと判る。

さすがに県内では3番目に初詣客の多い(例年三が日の人出は30万人ほど)格式高い 神社だと独り納得した。

 

さぁ帰ろう「帰路は中山道沿いを行って・・・」と考えながら、喉の渇きを癒すべく ウォーターボトルに視線を落とすと・・ボトルが無い?・・新年早々何たるチョンボ「用意しなかった」と自分のミスに気付いた。

コンビニでペットボトルを買って喉を潤し一息ついたところで一つの考えが浮かんだ。

昨年末のライドで、パンクにより断念した昼飯大塚古墳からの伊吹山眺望だが、丁度 帰路の途中だし天気も良くなったから、今日それを果たそうという訳だ。

「よし決まり、昼飯古墳公園を目指そう」とバイクに跨り走り出す、ここからの距離 は8km余りだ。

 

垂井の街中を抜け中山道を赤坂に向けて東進する。

この道は車通りが少なくて大概は快適に走れるので、関ヶ原方面にライドした時には 8割方帰路に選ぶ小生好みの道だ。

今日も30km/hr前後の巡航速度でほとんど止まることなく、青墓の交差点まで走って こられた。

昼飯古墳公園まではあと1km余り、チョット息が上がったのでスピードを緩めて走る。

 

昼飯大塚古墳は古墳時代中期(1600年ほど前)に築造された前方後円型古墳で、県下 最大規模の大きな墳墓である。

f:id:yoshijiji:20210107202122j:plain
f:id:yoshijiji:20210107202140j:plain
    昼飯大塚古墳            墳墓越しに伊吹山を遠望する

これは、当時この辺りに大きな勢力を持つ豪族(或いは王)が居て、政治・文化の中心がこの地域にあった事を示す証左であり、それは後年(奈良時代)近くに美濃国府や 国分寺などが置かれた事でも判る。

墳墓の築山に登って周囲を俯瞰しながら往時の様を脳裏に思い描こうとするが、想像力の欠如が邪魔をして上手くいかなかった。

さて、目的の伊吹山の眺望だが、山塊まで15kmほどと近い事もあってダイナミックな山容が視界に迫り、結構様になる眺めだった。                 (ただし眼下に拡がる人家の屋波が目障りと云えば目障りだけど)

 

15分ほど休んでから帰途に着く。

ルートはこのまま中山道沿いを神戸まで進み、揖斐川を渡って穂積経由で岐阜へと至るいつも通る走り慣れた道にした。

神戸町の共立大キャンパス前を走行していた時である。

喉を潤そうとボトルケージに手を伸ばすが、挟んだ筈のペットボトルが掴めないので 視線を落として確かめると「えぇーっ、飲み残しのペットボトルが無くなっている」

どうやら、どこかの道で段差を越えた際に、車体振動でケージに挟んだボトルが跳ねて落ちたらしい。

「仕方ない、もう一度コンビニで」と思ったがその時はたと気付いた「近くに加賀野 名水があるぞ・・・」少し迂回になるが大した事は無いので そこに向かうことにした。

大垣は水都の呼称が冠につくほど地下水に恵まれた土地柄、いたる所に自噴水の井戸があるが、加賀野名水はその中でも1番の水質を誇る「平成の名水百選」に選ばれている自噴水井戸だ。

f:id:yoshijiji:20210107203235j:plain
f:id:yoshijiji:20210107203250j:plain
加賀野名水自噴井戸           絶えず湧き出る澄明な水

地下水なので水温は年中14℃でほぼ一定、口当たりの柔らかな清澄な水をユックリと喉に流し込む。

味は?正直言って水なので居宅で飲む水道水と大して変わらなかった様な・・・。 (実は岐阜市の水道水も地下水で結構美味いんです)

 

年初の今日のライドだが、今年も色々な出来事が起こることを予感させる面白いライドになったなぁ。