風を道連れに

☆あるボッチローディーの独り言☆

5月の陽射しを浴びながら

 

今日は風の穏やかなライド日和。

こんな日に出掛けない手は無いと準備を進めながら「さて何処へ行こうか?」と行先を思案するがこれという案が浮かばない。 

北へは先日向かい南はその前だから順繰りでいけば西か東のどちらか。

結局「このところ関ヶ原の方へ走ってないなぁ」と自問して西に向かうことに決めた。

 

長良川揖斐川と2つの河を渡ってまず向かうのは養老。

関ヶ原は小生の居宅から真西の方角だが、直進すると大垣の街中を走らねばならずその市街地を抜ける煩雑さが嫌なので、北(神戸)か南(養老)へ大きく迂回するのが通常の走行ルート、今回は南に進路をとったという次第だ。

 

田園風景の拡がる郊外の道は、前だけを見て一目散に駆け抜けるのではなく周囲に視線を投げながら走るのが愉しい。

このところよく目にするのはレンゲ草を植えた田圃で、ピンク色の花々で彩られた一面の絨毯を見ていると花言葉のごとく”心が和らぐ”感じがする。

レンゲの名は花姿が蓮の花を思わせることから命名されたらしい

小生が子供の頃にはレンゲ草を植えた田圃がいたる所にあったのだが、化学肥料の普及と共に激減して全く見られなくなり、それが最近また復活し始めている。

この動きには有機農法を支持する消費者動向もあるが、国が進めるの農業支援策も一役買っている様で、何はともあれ”環境汚染”を防ぐ多様な手立てが官民で講じられるのは良いことだ。

 

養老からは山ぎわの細道を南宮山へと向かう。

集落に沿ってはいるが車も来ない道なので路肩を走る必要も無し「こういう道が続けば楽なのになぁ」と勝手なことを思いながらのんびり走っていると、何か後輪が重い感じがして下を覗き込む「ん、Airが抜けてるかぁ?」

即座に停まって後輪タイヤを指で押してみるが硬い感触なのでホッと一息、数秒前にはチューブ交換を覚悟したが「やれやれ気のせいだった」と異常なしの後輪を見ながら胸を撫でおろした。

牧田から望む伊吹山(岐阜から見る姿とは大きく異なる)

牧田(上石津町)まで来ると伊吹山も真近、数週間前までは多く残っていた雪も頂上部に僅かに残るのみで春が駆け足で高度を上げていった様子が伺える。

小生が山登りに勤しんでいた頃、この時期になると残雪を踏みしめて登る春山の愉しさを想って「今度はどの山へ行こうか?」と頭を悩ましたものだが、それも今では遠い昔の追憶でしかなくなったことが悲しい・・・。

 

関ヶ原に入る手前でr-229(牧田関ヶ原線)へ左折して山越え道を今須へと向かう。

牧田関ヶ原線は明るい峠越え道

須川沿いのWinding roadを走っていると”測量中”の看板を立て路肩に停まっている車があり、その先でドローンを前に何やら調整中の作業員が眼に入った。

少し前までは航空写真や現地測量のデーターを基に地形図を作成していたが、最近ではドローンで撮影した写真やレーザー測量(3次元測量)のデーターで地形図を作成することが増えたらしい。

確かにこの方が効率的だし経費もかからないので云う事なし「技術進歩は素晴らしい」と独り納得した。

 

中山道今須宿は美濃(岐阜)と近江(滋賀)の国境の宿場町。

街道を国境の道標まで行ったが、この先柏原⇒醒ヶ井と辿って琵琶湖(約17km)までいくとしたら往復1.5時間はかかるので足を伸ばすのはちょっと無理、切りの良い此処で引き返すことにしてバイクを反転させた。

美濃(岐阜)と近江(滋賀)の国境は中央の溝

r-229に戻って山間の緩い坂道を北に向かって走っていると、車がほとんど往来しない 静かな道なので耳に届くのはチェーンの奏でる音だけ、こういう道を息せき切って走る必要は全然ないので「ゆっくりいこうかな」とギアを1段落とす。

5月の爽やかな陽光が木洩れ日となって注ぐ林間の道は快適で、視覚を通じて脳の情緒系に作用するので気分が落ち着くと共に身体も癒される気がする・・・。

伊吹山ドライブウェーヒルクライムは距離15km標高差1000mのタイムを競う

あれこれもの思いに耽りながら安穏気分で走って伊吹山ドライブウェー入口の近くで R-365に合流すると此処からしばらくは大型車が多い(関ヶ原は交通の要衝で幹線道は輸送トラック等の大型車が頻繁に走る)危険な道の走行。

大半のドライバーは路肩にローディーを認めると少し離れて追い越してくれるのだが、知ってか知らずか触れんばかりの直近を追い越していくドライバーがたまにいる。

これがトラックだとローディーは堪ったもんじゃぁ無い(風圧で押されてふらつき転倒したら・・・と身が縮む思いがする)のを当のドライバーは知っているのだろうか?

 

赤坂の手前で旧中山道へ走路変更すると本日一番の危険区間の走行は終わり「やれやれ何もなくて良かった」と胸を撫で下ろしながらホッと一息ついた。

この先は赤坂⇒神戸⇒美江寺と旧中山道を走って居宅を目指すだけ、寄り道をしないで走れば1時間ちょっとで帰着できる筈だ・・・。

帰り道の河渡橋(長良川)から遠望する岐阜市

 

 

 

 

伊自良辺りを周遊

 

10日くらい前からボトムブラケット(BB)よりの異音が気になる様になったCorratec(ローラー台専用バイク)だがBBが外せない(長年の不整備でフレーム本体に固着) ため仕方なく”ダメ元”でベアリング部にタップリとグリスを塗布して様子を見ることにした。

ところが、保護シールに邪魔されてベアリング駆動部にはグリスが届かないはずなのに何故か異音が無くなるという”奇跡”に遭遇?

これでしばらくは使えそうなので「何でもやってみるもんだ」と独りほくそ笑んだのは言うまでもない。

 

かたや変速機が不調のVaracan specialの方は、シフトワイヤーをリヤディレイラーから外して最初から変速機調整をやり直すことにしたのだが、全段の変速が出来なかったり変速動作が鈍かったりでワイヤーのテンション調整に四苦八苦した結果、同ワイヤーは撚りが解けてバラバラ、挙句の果てはワイヤーハウジングの窮屈になった所(BB部)でワイヤーが引っ掛かって変速操作が出来なくなる始末。

「もうお手上げ」と匙を投げたくなったが、よくよく考えてみると変速不調の根本原因はシフトワイヤーとワイヤーハウジングの接触による動作不良の可能性が大。

「よ~しこうなったらワイヤーとハウジング全部取り替えるぞ」と決断して早速Amazonに交換パーツを発注した。

物が届くのは数日後だが、果たしてこの交換により問題が解決するかどうか?

変速機調整技術が未熟なので「これでOK」と言えないのが何とももどかしい・・・。

 

さて今日は天気もソコソコなので伊自良方面へ出かけてみることにした。

コースとしては雛倉⇒伊自良⇒山県と岐阜北部の里山を時計回りに走る予定で、峠越えが幾つかありバイクはVaracan specialといきたいところだが生憎修理中で使えない。

そこで代わりに準備したのはLapierre、これを選んだのはアルミホイールキャリパーブレーキの組み合わせ(DeRosaはカーボンホイール+キャリパーブレーキ)で長い坂で頻繁にブレーキをかけてもホイールが熱損する恐れが無いからだが、最軽のギア比が1.214なので坂嫌いの上に年老いた小生にはそこがちょっと辛いところ・・・。

伊自良湖のほとりにて

岐阜市北西部の家並が続く道を抜けて西郷辺りまで走ってくると、周囲は畑と果樹園が拡がるのどかな風景に変わる。

真近になった里山ではこの2週間ほどで一気に新緑の木々が増えた様で、その初々しい萌黄色を見ていると心なし身体がリフレッシュされてペダルを踏む脚も軽くなる。

そこで口元を覆うマスクをずらして新鮮な空気を胸いっぱい吸い込んだ後、ギアを1段上げて加速した「よぉ~し、調子が良くなってきたぞぉ」

雛倉(手前の山の奥)へと向かう道

雛倉の細道をのんびり走って里山の春を満喫した後は ”里山かおり街道” を東に走って 伊自良へと向かう。

この道は数年前から車の交通量が増えてきたので裏道を探したいが、伊自良との境の山に阻まれて他の道が無いのが実情。

上雛倉の山が低くなったところに500mほどの林道を拓けば伊自良と繋がるのにと手前勝手に思っているが、そんな一介のローディーの願望など行政に届く筈も無い・・・。

伊自良湖へ向かう道(葉桜並木の中に遅咲きの八重があった)

伊自良湖に向かう直線路を25km/hrほどで走っていると突然(後方No careだったので)直近を若者ローディーが追い越していった。

小生は前走者を追い越す場合は必ず何らかの声掛けをするのがルールだが、案外声掛けしないで追い越していく人が多いのが現実。

まぁ声を掛ける掛けないは個人の自由なんだろうけど、声を掛けられた方は決して嫌な思いはしない筈「声掛けして楽しく走ろうよ」と追い越していった若者の背中に向かい小さく呟いた。

それにしてもその若者の速いこと、どんどん後姿が小さくなっていく。

「あのスピードで走れば気持ちいいだろうなぁ」と羨望の声が口から洩れた。

 

ボートで釣りを楽しむ人達を横目に伊自良湖の周囲を廻った後は、湖畔の奥まった処にある甘南美寺に立ち寄って休憩。

山懐に抱かれて建つ甘南美寺の本堂

甘南美寺(臨済宗)は室町末期に創建された古刹で、普段はほとんど参詣者が訪れない静かな山寺。

小生はこういう侘びた古寺が好きで、長年風雪に晒された仏閣の古色然とした佇まいの中に身を置けば、その来し方の歴史の重みがジンわりと伝わって次第に心が満たされていくのを感じる・・・。

10分ほどかけて山門~本堂をめぐり、最後にご本尊の千手観世音菩薩に参拝してから 石段を下りてバイクへと向かった。

 

次に向かったのは豈坂。(当初は平井坂トンネルを抜けて谷合に向かうつもりだったがいつもの癖で気が変わった)

此処を走る時にいつもする様に、路傍に1体だけ佇む地蔵さんに手を合わせてから勇躍坂登りを開始、と言っても標高差僅か65mの坂道だから脚に疲労を感じる間もなく峠に到着。

峠には観音像30体余りが祀られており、初めてここを通った時にはその異様さに一瞬 ギョッとしたが、今では慣れっこになり手を合わせて通過するだけ。

説明書きによれば”この道が人馬だけが通れる山道だった頃にここを通って甘南美寺や華厳寺(谷汲)に参詣する人達が道中安全を願って路傍に点々と祀った観音像を道路の改修に合わせて全部ここに集めて祀った”ということらしい。

なるほど「昔は宗教心の篤い人が大勢居たんだなぁ」と感心する事績ではある。

ポツンと佇む地蔵さん           豈坂峠の観音さん

坂を下って次に向かったのは”林道高田~斧田線”

始めて走る山道なので林道へと続く農道分岐を間違えて往復1kmほどをロスったが、 うろ覚えの記憶を頼りに正しい分岐を見付けてホッと一息。

農道を山際へと進むとそこから分岐して道が山の奥へと続いておりここからが山登りの開始。

標高差100mほどの上りだったので坂嫌いの小生が「そろそろ脚にくるかな?」と感じ始めた頃に峠に到着、明るい峠だが展望はあまり良くない。

近くに尾根筋に出る石段があったので上がってみたが、小さな祠と電波設備がある広場は木々に囲まれており”骨折り損のくたびれ儲け”だった。

  農道を別れて山道へ           峠からの見晴らしは良くない

バイクに戻って腕時計を見ると時刻は12時をチョット廻ってそろそろ帰途につく時間

「よし帰ろう」と決め走路を頭の中で思い描く。

”ここを下って安食に向かいr-176で彦坂トンネル⇒畜産センター⇒岐阜市街と走る”    まぁこんな感じかな。

多分13時40分ごろには帰り着けるだろうと皮算用してやおらバイクに跨った・・・。

 

 

 

木曽揖斐周遊 

 

このところ日課になったローラー台でのバイク漕ぎだが、数日前から負荷をかけてクランクを回すとボトムブラケット(BB)辺りから”ギシギシ”異音がする様になった。

このバイクは10年選手(現役6年ローラー台専用4年)で累計走行距離は4万km超、この間スプロケットやチェーン、リヤディレイラーは交換しているが、BBはバイク購入時のままなので「やっと寿命がきたな」というのが正直なところ。

異音が出る様になったローラー台専用バイクのBB

ホローテックBB(SM-BBR60)はアマゾンで買うとして、交換が終わるまでの1週間?を異音を出しながらバイクを漕ぐのも嫌なので、現物のベアリング部に注油をしてやろうとクランクを外してBBカップを緩めにかかるが、これが治具を金槌で叩いても動かないほどに固着しており全くのお手上げ状態。(BBの取り外し説明書を参照したので回す方向に間違いは無い) 

「10年放っておくとこんなことになるのか・・・」と後悔しても後の祭りだが、問題はこのままじゃBBの交換が出来ないこと。

カーボンフレームなので力任せに抉るとBB部が割れる恐れもあり「何か良い解決策は 無いかなぁ」と無い知恵を絞りながら考えているのだが・・・。

 

さて今日は、明治村からリトルワールド辺りにかけての丘陵地を走ってみようと居宅を出たのだが、木曽川橋(笠松)を渡ったところで気が変わり「木曽川下流に向かって走ろうかな」と方向転換。

唐突に行先を変えたのは単に西寄りの風が ”気に入らなかった” ためで、そんな些細な ことで行先を変えても誰からも文句を言われない自由がボッチローディーの小生には ある。

 

木曽川左岸沿いの道は伊勢湾まで続くが、取り敢えず弥富辺りまで行ってからその先を考えようと走り出す。

まずは木曽川サイクリングロードを南に向かって走る

バイクはVaracan special、ディスクブレーキと32Tギアの仕様で山方面の専用バイクとしてバラ完した代物だが、フレーム材質が東レT1000カーボンで硬い?ためか、路面の凹凸や段差をあまり緩衝せずに伝えるのでどうも乗り心地が悪い。

おまけに変速機の調子もイマイチで、シフト操作しても1~2秒遅れてギアが変わるのでこれまたどうもしっくりこない。

実は変速機の不具合は前に乗った時(昨秋の円原川ライド)に気付いたが、その後このバイクには乗ることが無かったのでそのままにしてあった・・・。

小生は変速機の調整が苦手で作業はかなり億劫だけど「やっぱりやらないと駄目だな」と今更ながらに自分自身の怠惰を恨めしく思わざるを得なかった。

 

サイクリングロードを尾西グリーンプラザ(一宮市加賀野井)までくると、ここからは堤防上の一般道を走ることになるが、幸いにして車の通行量は少なく川辺の風景や遠く連なる養老山地を眺めながら走れるので、爽快な気分になってクランクを回す脚も軽くなる。

茫洋な風景に癒されながら走る(一宮市加賀野井付近)

10年ほど前、まだロードバイク初心者だった小生は今回と同様「木曽川下流に走ってみよう」と堤防道路をこの辺りまで走ってきたことがあった。

あの時は「随分遠くまで来ちゃったなぁ」と不安を感じたものだが、今からすると何のことは無い高々20kmほどを走って来たに過ぎず、不安を感じる要素なんて微塵もない距離だった。

まぁ10年のキャリアがそれを言わせるという背景はあるが「何事も積み重ねが肝要」ということだろう・・・。

 

馬飼大橋(頭首工)を対岸へと渡り下流に進めば木曽長良背割堤だが、今日は直進して東海大橋へ向かって走る。

馬飼大橋は都市用水の取水堰も兼ねている

脚は相変わらず快調に回っているが、マスクをした口内が少し乾き気味でそろそろ水分補給を兼ねた小休憩を取りたくなってきたので「よし東海大橋のたもとで休憩だな」と決めて先を急いだ。

 

ガード柵に腰掛けて休んでいると一人のローディーがサイクリングロード(此処から 立田大橋まで続いている)を此方に近付いてきた。

前を通り過ぎる時「コンチワ」と声を掛けると、20代と思しき彼も軽く頭を下げて返礼した後、道を左折して東海大橋を岐阜県側に渡っていく。

東海大橋は木曽川長良川をまたぐ長い橋

「あれれ何処へ行くんだぁ?」てっきり直進して馬飼大橋方面に向かうと勝手に思っただけにその行先に急に興味が湧いた。

「よしついていこう」と咄嗟に決め急いでバイクに跨り出発、少し離れて後を追うことにした。(自由気儘なライドだが思い付きで2度行先を変えるのは珍しい・・・)

 

橋を渡った彼はそのまま道を直進、ほゞ真っ直ぐの道で後姿は視認できるが徐々に離れて行く感じなので、小生は普段よりスピードを上げて追わなければやがて見失いそう。

「それにしても何処へ向かってる?」「この道は海津市中心部を抜けてその先で揖斐川を渡るが・・・」と考えながら前方の養老山地を何気に見た時、その答えが一瞬にして頭に閃いた「二之瀬だ!」

街を抜けて橋を渡ると養老山地はすぐそこ

揖斐川の土手から二之瀬を望む

ヒルクライマーが名古屋方面から二之瀬に向かう場合、立田大橋を渡って揖斐川沿いを走る人が多いので思い当たらなかったが、名古屋北部や津島辺りだと東海大橋を渡った方が距離的には近い。

「なるほどね、そう云うことか」と自分の出した答えに満足しながらチョット気を抜いて走っていたら前方交差点の信号が赤に変わってしまった。

「ありゃしまった」と思ったがもう遅い、彼の後姿はどんどん遠ざかっていきもう豆粒ほど・・・。

信号に捕まって離されたら脚力の差で追いつけないことはまず明らか「The Endだな」と呟いて此処で追走は止めることにした。

 

此処は海津市役所の近くでもう少し西に行くと揖斐川にかかる福岡大橋。

橋を渡って道なりに進むと二之瀬への分岐になるが、ヒルクライムをする気は毛頭ないので其処まで行っても仕方ない「さてどうするかなぁ」とペダルを漕ぎながらこの先の走路に思いをめぐらす。

この先を左に折れて広域農道を南に走れば木曽三川公園だが何か乗り気になれずこの案は即却下。

結局、橋を渡って養老経由で帰るかor渡らずに揖斐川左岸沿いを帰るかの帰路ルートの二者択一となり、最終的には揖斐川左岸沿いを帰る案をとることに。

最近体力が衰えたせいか何かにつけ楽な方を選ぶようになってしまったが、これは加齢ゆえの致し方のないこととは云え悲しむべき傾向だ・・・。

揖斐川の土手に寝転び風景を眺めて休憩

少し長めの休憩を摂ったおかげで幾分か活力が取り戻せた感じ。

「よーし、My paceで帰るとするか」と自分自身に呼びかけバイクに跨り駆けだした。

天気は上々、頬を撫でる風も心地いい・・・。

帰り道は養老の山並みと揖斐川が道連れ

 

 

 

 

ハナモモリベンジライド

 

ここ数日続きの好天で気温が上がったせいか、近所の土手ではタンポポムスカリ、 チューリップ、カタバミ等が黄や紫、赤、白の花を一斉に咲かせて”春たけなわ”を演出している。

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色とりどりに花開いた土手の野草

毎年決まって巡りくる春ではあるが、私欲にかられて性懲りもなく紛争を繰り返す人間という不条理な存在とは無関係に、唯静かに時を重ねるだけの自然の営みは一種の畏敬の念を抱かざるを得ない・・・。

そんなことを思いながら花を見ていると「そう云えばハナモモはどうなったかなぁ」と3週間前はまだ蕾だった根尾川ガーデンのハナモモの様子が脳裡に浮かんだので、暇にまかせて確かめに行ってみることにした。

 

今日も前回同様3~4m/sのちょっと強めの北西風が吹いているので北に向かって走るのはツライが、この時期のライドでは風は付き物として往路で苦しい分復路が楽できると諦めるしかない。

取り敢えずのルートは河渡橋で長良川を渡ってそのまま北進し西郷から本巣へ抜ける道、このルートであれば家並と山陰が多少は風を弱めるから疲労の蓄積が軽減されると手前勝手に思ったのだが、いざ走ってみると交差点が多く路面状態の悪い区間もあって少なからずストレスを感じる”小生好みじゃない道”だった。

しかしこれも選択の結果だから受け入れざるを得ない、いつもいつもルート選びが正解という訳にはいかないのは「神様じゃないから仕方ないな」と独り呟いた。

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清冽な流れの根尾川にはいつも心癒される

小1時間ほど走り続けてようやく根尾川のほとりに着き、ここから先はR-157を走って 根尾川ガーデンを目指すことにしたのだが、樽見鉄道の木知原駅前を通りかかった時に小生の目線がカメラを抱えた幾つかの人影を捉えた。

「ん、これはひょっとすると・・・」即座に停まって近くにいた女性に「汽車が来るんですかぁ」と尋ねると「2分後に来るみたい」との返事が返ってきた。

運行本数の少ない樽見鉄道で駅に停まる汽車(ディーゼル)をカメラに収めるチャンスなんてそれ程ザラにあるもんじゃない(前回ライドで高科駅で休憩中に偶然にも汽車がきたということはあったが)ので、ここは ”俄か鉄道マニア” に変身してしばらく待つ ことに。

 

汽車を待ちながら件の女性に話しかけると、女性は「今朝一宮の真清田神社を出発して淡墨桜まで歩いて行く途中」とのことで、今年の ”淡墨桜浪漫ウォーク” はコロナ禍の ため中止になったので日を変えて独りで歩いていると言う。

真清田神社から淡墨桜までは約60kmの距離、速足でも10時間以上かかり結構ハードな歩きが要求される。

小生も山歩きのトレーニングとしてジョギングやウォーキングを日常的にやっていた 20年ほど前に一度トライしてみようと思ったことがあるが、結局は実現することなく日々が流れ、その後脚を病んで(変形性足関節症)今では長い距離は歩けない不自由な身となってしまった。

「やっぱり思い立った時にやらなければ後悔するなぁ」女性の話を聞きながらも心の中では小生自身の性癖でもある優柔不断さを少しだけ恥じていた・・・。

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やってきたのは樽見行で結構混んでいた(みんな淡墨桜見物かな?)

写真も撮り終え女性に「道中気を付けて」とエールを送って出発、道草で時間を使ったので少しスピードを上げて走ることにしたが、あと6kmほどなのでそんなに急ぐ必要はないとチョットだけ自制。

神海を過ぎると道は大きく右にカーブしその先で左に曲がり返すと左手前方に根尾川 ガーデンが見えてくる。

「どうだハナモモは咲いてるか?」と目を凝らす先に濃いピンク色の固まりを確認してホッと一息「やれやれ無駄足にならずに済んだ」と安堵のため息が漏れた。

 

ハナモモはざっと見八分咲きほどの開花状況でここ1週間が見頃という感じ。

ベストタイミングでは無いが、開花情報を誰かが発信してくれない限り満開に合わせて来るなんて出来ないから「これで良しとするかぁ」と自ら納得。

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こぼれんばかりに花開いたハナモモの木

小さなガーデン内は以前よりハナモモの本数が減った印象で、脳裡に浮かぶ濃いピンクに埋めつくされた記憶画像とは随分違う。

「木を整理したのかな」と思ったがどうも小生の記憶の方が間違っていると考えた方が良さそう。

人間が記憶を簡単に捏造するのは周知の事実で、無かった事を有った様にして思い出すなんてことは”お茶の子さいさい”の所業だから多分この見方に間違いはない。

何はともあれ目的のハナモモは堪能したのでそろそろこの場を後にすることにした。

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根尾川の渓谷を眺めながらBreaktime

「さてこれで帰っちゃつまらないので何処へ行こう・・・」

淡墨桜は混んでそうなので敬遠するとして「谷汲(華厳寺)に寄って大野経由で帰る のが時間的に良さそう」と次案がすぐに浮かんだので躊躇なくこれに決定。

鍋原で根尾川を対岸に渡りr-255を南へ更にr-40を西へと走る。

前半は下り基調で後半も谷汲の手前までは平坦なのでスピードを上げて快走した結果 忽ち(は感覚で実際はそれなりに時間がかかったけど)谷汲に到着。

 

山門から本堂まで続く参道には想定外の人出があって其処をバイクに乗って進むのは ちょっとマズそう、仕方なく途中からバイクを降りて仁王門まで行ったのだがこんな風に参道を歩くのは久し振り、長い(約800m)道のりに若干疲れたというのが本音だ。

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華厳寺はこの参道を山際までつめた所

この先は階段があるし、然して祈念すべき事柄も今は無いので本堂へ向かうことは断念しここでUターンして帰ることに。

 

帰路は揖斐に出て揖斐川沿いを走るかor大野に出て三水川沿いを走るかで迷ったが、「敢えて遠回りすることも無いな」と考え直して結局大野ルートを選択。

「よーし、Non Stopで帰るぞぉ」と気合を込めてペダルを踏みこんだ・・・。

 

 

 

お花見ライド

 

"春に三日の晴れ無し"で天気がよく変わる季節である。

今朝は起きた時から空模様が芳しくなく西方をみても暗い雲が上空を覆っているので「今日はライド向きの日じゃないな」と判断して、ゆっくり食事を済ませたあとは家の雑用を片付けていた。

ところが10時頃には雲が薄れて外も明るくなり、更に30分後には青空が拡がって好天に変わるという予想外の展開。

こうなるとライドに出ないと決めた判断が大いに悔やまれて急遽準備に取り掛かった。

 

手早くライド準備を済ませたが時刻はすでに11時を回っておりそんなに遠くへ行くのは無理。

「そうだなぁ14時位に戻ってくるとして・・・」と考えて決めたのは”お花見ライド”で墨俣や木曽長良背割堤・大榑川堤などの近在の桜名所を周遊するというもの。

走行ルートはいつもの様に走りながら決めればいいので何はともあれ出発だ。

 

居宅を出てまず目指したのは柳津の境川堤桜並木で、ここは川に沿って断続的ながらも約6kmも桜並木が続く知る人ぞ知る隠れた名所。

堤に敷かれた細道を走って行くと所々でサクラのトンネルが迎えてくれるので、そこではスピードを落として花を愛でながら、周りを包む白みがかったピンクの色に染まってみるのも愉しい・・・。

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境川堤のサクラのトンネル

チェーンの軽やかな回転音だけが耳に届く静かな道を西に走って、長良大橋が望める所まで来るとこの桜道も終わり。

「さて此処からどっちへ行こうか?」

橋を渡れば墨俣だが「周遊ルート的には先に背割堤を目指した方が良さそう」と思えたので長良川左岸堤防道路へ左折することにした。

此処から14kmほど南に進めば木曽長良背割堤の北側ゲート、途中で河川敷管理道路に走路を変更しても30~40分あれば着く筈だ。

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堤防道路から安全な河川敷管理道路に走路を変えて南に走る(羽島市福寿町付近)

背割堤に着くと最近整備された駐車場等に十数台の車が停まっており、この場所にしては多い人出にちょっとビックリ。

数年前まではサクラが満開時でも5~6人の見物客が眼に入る程度だったが、サクラの下で弁当を広げる人や折りたたみ椅子で寛ぐ人、また三々五々散策する人らも多く、この変わり様には「何か理由があるのかなぁ?」と一瞬思ったが、そんなことは事情通でもない小生如きに分る筈も無い・・・。

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背割堤の桜並木(堤下には桜の下で寛ぐ人や散策する人がチラホラ)

八分咲きほどになったサクラを愛でながらゆっくり走っていると、前方から3人連れのローディーが来たので手を挙げて挨拶し「今日はローディーも多そうだ」と独り納得。

そのままグライダー滑空場の北端辺りまで走ったが、木曽三川公園まで行くつもりは 無いので此処でUターンして次の目的地(大榑川堤桜並木)に向かうことにした。

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滑空場にはグライダーが2機(風が無いので飛ぶのも難しそう)

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平田リバーサイドでチョットだけ休憩

長良川を南濃大橋で渡り平田の集落を抜けて”おちょぼさん”へと走る。

道沿いにNHK番組チャリダーでお馴染みの筧五郎氏お勧めの和菓子屋 ”戸谷製菓舗”が あり、店頭のおはぎの幟に食欲をそそられたが、此処はグッと我慢してそのまま通過 することに。(自転車におはぎをぶら下げて走る訳にはいかないからねぇ) 

 

千代保稲荷北側の輪中堤に列植された桜が大榑川堤桜並木で、総延長5kmとこれまた延々とピンクの帯が続く。

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道幅があるので明るい感じのする大榑川堤の桜並木

この道も主要道から外れて滅多に車がこないので、辺りを見廻しながら20km/hrほどのスピードでゆっくり走ってサクラを満喫。

桜並木もあと数百mのところで何気に時計を見ると13時をチョット過ぎて帰途につく 頃合と判断、最後の花見スポット墨俣へとバイクを走らせることにした。

 

輪之内から安八へと幹線道を避けて定番の抜け道を走り、犀川堤に出たあとは川沿いを墨俣一夜城(歴史資料館)へと一直線に進む。

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サクラトンネルになる犀川堤の桜並木

この道は細い割に車がよく通るので注意が必要なのだが、それを忘れてサクラを眺め ながら気持ちよく走っていると、後ろから来た車が大きく警笛を鳴らして”どけよ”と 催促。

「はいはい御免なさい」と手を挙げてバイクを路肩に寄せながらも「ここはあんただけの道じゃ無いんだけど」と小さく毒づく声が口から漏れた。

徐行もせず警笛を鳴らす自分本位の輩にはいつも腹が立つが、これも小生の短気な性格が影響しているのだろうか・・・。

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城にサクラは結構”映える”被写体

一夜城の付近は桜見物の人がいっぱい居て先刻までの静かな花見とは雲泥の差。

人込みを好まない小生としては”速攻現場退去”ということで、花見を楽しむ間もなく 帰途につくことにした。

これで予定の14時チョット過ぎには居宅に帰り着けそうだ・・・。

 

 

 

想い出はセピア色

 

先月から始めた減量challengeだが、50日近くもかかって3.7kgを減らし10数年ぶりに60kg台(69.9kg)を記録した。

この間ほゞ毎日ローラー台でバイクを漕いだり、週2の頻度でライドに出掛けたりして普段以上に身体を動かしてきたのだが、その割には思ったほど減量してないというのが実感である。

とは言えぷっくりと横にはみ出していた脇腹の贅肉は大分無くなり、腰回りがベルト孔2つ分細くなったのは正直嬉しい体型の変化。

欲を言えば、臍上の指で摘まむと5~6cmは有りそうな皮下脂肪がもう少し減ってくれればと思うが、脂肪に「ここを先に燃焼させて!」と命令する方法は無いので、これは諦めるしかない。

目標の68kgまであと2kg弱の減量だが多分これから減量ペースは落ちる筈。

夏物へ衣替えの5月末までには目標達成を目論みたいところだが、果たして小生の願望通りにいくかどうか?

全ては小生のやる気次第なんだろうけど・・・。

 

さて、小生の1日は居間のカーテンを開けることから始まる。

「今日の天気はどうかな?」ガラス戸越しに外を眺めて、晴れていれば単純に嬉しいし曇りや雨だとチョットがっかり。

今日はソコソコ良い天気だったので、家に籠っていては勿体無いとライドに出ることにした。

行先は洞戸or美濃で散々迷ったが、往復で峠越えのある洞戸は少し疲労が溜まり気味の脚にはツライかなと弱気が出て、結局は走りの楽な美濃に向かうことに。     (我ながら不甲斐ない次第ではある)

 

居宅を出てまずは長良川の左岸河川敷道路(自称:長良川左岸サイクリングロード)へと向かう。

広々と整備された長良川左岸河川敷道路

この道は昨年から数ヶ所の工事により通行規制されていたが、1週間ほど前にようやく全ての工事が終わって通れるようになったばかり。

ここを走れないと岐阜の市街地を8km近く走らないといけないので、そのストレスを 考えると通行規制解除は小生にとって”天の恵”みたいなもの。 

しかし久し振りに走つてみると、通行規制中に河川敷に繁茂していた灌木類や背丈ほどあった草類が広範囲に伐開されており、変容したその殺風景な景観の連続に走りながらもただ唖然とするばかり。

これって河川保全的には正解かも知れないけど小生的には全く×の所業。

また河川敷を風が吹き抜ける様になるので、ここを頻繁に走るローディーとしては大いに困る。

世の中って良い事もあれば悪い事もあるもんだ・・・。

 

河原町から長良河畔に抜け桜並木の道を走る。

蕾も膨らんできた護国神社付近の桜並木

蕾も大分色付いてきたのであと1週間もすれば開花が見られそうだが、コロナ禍が終息しそうにないので桜の下をそぞろ歩いて暢気に花見という気分にならないのは残念。

小生が若かりし頃(もう40年以上も前だ)この時期になると大勢の人達がこの界隈に 繰り出し、それぞれが桜の下で酒宴を催して大いに盛り上がったものだが、あの喧騒も今では遠い記憶の一断片でしかない。

歳をとると過去の想い出が次第にセピア色に霞んでいってしまうが、それは案外悲しいことだ・・・。

 

長良川沿いを芥見⇒小屋名⇒池尻と駆け抜けて美濃の山崎大橋まで走ってきたが、さて此処から何処へ行こうか?

山崎大橋付近からみる美濃市

定番は小倉公園or美濃橋まで行って其処で一休みしてから帰路につくのだが、今日は 何だか別の場所にしたい気分。

あれこれ考えて決めたのは ”旧名鉄美濃駅舎” で、あそこならホームのベンチに腰掛け ゆっくり休んでいても誰からも文句?は言われない。

名鉄美濃駅舎には4両の市電が展示保存されている

名鉄美濃駅舎に着くと先客が1人いたが、すぐに立ち去ったので後は独りっきり。

ベンチに腰掛け昔懐かしい”チンチン電車”を眺めながら子供の頃の記憶を呼び覚ます。

白赤ツートンの車両は揖斐や美濃といった市外線を、またクリームと緑のツートン車両は専ら岐阜市内を走っていたが、あの頃の市電はバスよりも庶民の生活基盤に近く親しまれる存在だったからよく乗った。

確証は無いが、展示車両のモ512号とモ593号にも多分何度か乗ったことがある筈だ。

そう言えば車に乘り始めの頃、交差点で右折しようと停まっていたら後から来た市電に”早く行け”と警笛を鳴らされたことがあったっけ、あの時はビビったなぁ・・・。

あれこれ昔を思い出しながらベンチで寛いでいたら、忽ち20分近くが過ぎてしまったので「そろそろ帰ろうか」と独り言を呟いてバイクへと戻った。

 

往路は長良川沿いの抜け道を走ってきたが、復路はr-94(岐阜美濃線)をメインに走ることにした。

この道を走ると早く帰れるが、車の往来が多いので頻繁にミラーでの後方確認が必要な怖い道でもある。

ところが走り出してみると向かい風が結構強くスピードが上がらない。

風はこの時期たまに吹く南風、美濃から岐阜は南西方向になるから復路はズ~と向かい風を受けて走らざるを得ず「なんてこった」と愚痴が出るが、今更悔やんでも後の祭りで我慢・我慢の走行を続けるしかなかった。

 

風に苦しめられながら1時間ほど走りやっとの思いで長良河畔に到着、ここでチョット休んで残り10kmの英気を養うことにした。

金華山を眺めながら最後の休憩をとる

この先は長良川河川敷の道を走るので一段と風が強くなりそうだが、それでも市街地を車と競合しながら走るよりはまし。

「あとひと踏ん張りだな」川面を眺めながらボソッと呟いた・・・。

 

 

 

 

ハナモモは咲いてる?

 

♪春は名のみの風の寒さよ~♪(もうそんな時期じゃないか・・・)

今日は北西からのチョット強めの風が吹いており、ここ数日来の暖かさに慣れた体には少しばかり肌寒い気もするが、それを口実に出渋っていては何もできないので勇気?をふり絞ってライドに出掛けることにした。

そう決めたものの特に行きたい場所がある訳でもないので「さて何処へ行こうか?」と思案顔でいると、妻が「本巣のハナモモもう咲いてるかなぁ」と聞きてきた。

「さぁどうかなぁまだじゃない」と曖昧に答えながら心の中では「そうだ!ハナモモの開花具合を見がてら根尾へでも行くか」とちゃっかり決めていた。

根尾への走路は大きく2ルート、北方経由で山間の道を行くかor瑞穂経由で川沿いの道を行くかだが、最近は北方経由のルートを走ることが多いので今日は瑞穂経由のルートを走ることにした。

 

岐阜から瑞穂までは街の家並を縫う様に走って来たのであまり風の強さを感じ無かったが、真正から畑地が左右に拡がる見通しの良い道を走る様になると、北西風がまともに吹き付けてきて走行の邪魔をする。

スピードが思った様に上がらないばかりか徐々に脚に疲労が溜まってきて辛いが、ここは我慢して走るしかない。

こんな時は辺りの景色に目をやって気分転換を図るのが一番で、左手揖斐の青い山並みの奥に顔を出す雪を被った山(小津権現山と花房山か?)を望見しながら、遠い昔の山歩きを追想していると、次第に疲労感は意識の外へと遠のいていった。

 

本巣を過ぎて住友セメントの工場近くまで来た路傍で、満開のサクラが眼に入ったので寄ってみることにした。

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サクラの色は人を惹き寄せ魅了する・・・

この時期染井吉野はまだ蕾を閉じているのでこの樹は多分河津桜

今年初めて見るサクラは、濃いピンクの花をいっぱい咲かせて一見華やかだが、どこか悲しげな風情を漂わせながら風に微かに揺れていた。

この寂しさは何処からくるのだろう?1本咲の古木の故か?はたまた花を愛でる人影のない侘しさ故か?

まぁサクラには寂しいと思う感情は無いだろうから、孤高に咲く姿を”悲しげ”と感じるのは小生の感傷に過ぎないのだけれど・・・。

 

根尾川に架かる万代橋を渡りr-255(根尾谷汲線)を根尾に向かって北上する。

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万代橋を渡ると谷汲

ここからはズ~と山間の川沿い道を走るので、先刻から下り気味の気温(体感で2~3℃下がった感じ)が少しばかり気懸り。
曇天で陽射しの恩恵は望めないから「寒くなったら内部発熱で補うしかないか」と半ばあきらめ気味に呟いてケイデンスを上げた。

地形の関係か風がほとんど無くなったのは幸い、これで脚の疲労感は半減する。

 

樽見線の線路を右手に見て坂道を上がると高科駅はすぐ其処なので寄り道をしていく ことにした。

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素朴で味わい深い趣のある高科駅舎

バイクを小さな無人駅舎に立てかけ、舎内のベンチに腰掛けて辺りを見廻していると、あたかも自分が汽車を待つ乗客になった様な錯覚に陥るが、果たしてこの駅の利用者はどんな人達なんだろう?学生それともおばあさん?

咎める人も居ないので色んな妄想を勝手気儘に巡らしていると、遠くから汽車の近付く音が聞こえてきた。

「チョット長居し過ぎた様だ」汽車を見送ったら小生も出発しなくっちゃ・・・。

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樽見行の汽車(ディーゼルカー)には数人の乗客が・・・

高科から高尾までは林間の道。

小生は平日のライドが主体なので、これまでこの区間で人に出くわすのは稀だったが、何と途中で間をおいて2人のローディー(しかも1人は若い?女性)と擦れ違う。

野生動物(サルやキツネ、イノシシ?)と出会っても不思議じゃぁない昼なお薄暗い道だから、前方に人の姿を認めた時はチョットびっくり。

手を挙げて挨拶はしたものの、通り過ぎてからつい後ろを振り返ってしまったのは異界の者に逢った様な気がしたから?(そんなアホな・・・)

それにしても若い女性がこんな人気のない道を1人で走るとは、時代は変わったもんだとつくづく思う。(この女性を侮辱する気はサラサラ御座いませんので誤解なさらぬ様お願いします )

 

高尾まで走ってきたところで時計見ると11時半少し過ぎで帰途につく時刻、もう少し先まで行きたかったがTime Outじゃぁ仕方ない。

「よ~し最後にハナモモの咲き具合を見てから帰るか」と独り言を呟いてバイクを反転させて根尾川ガーデンへと向かった。

 

根尾川ガーデンはR-157(淡墨街道)の佐原トンネルを抜けた先。

老人保健施設の向こうに赤い塊が見える筈と視線を右手に注ぐが、小生の期待に反して赤い色は何処にも無く、まだ蕾状態のハナモモの木が林立しているだけだった。

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こんな感じでハナモモが咲いてる筈だったが・・・(image)

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実際はこんな状態だった

「うーんこれはまだ2~3週間は早いなぁ」と少しガッカリしたが状況が分かっただけでも収穫。

これ以上の長居は無用と判断し「よーし帰るとするか、Non Stopで行くぞ」と気合を 入れ、ペダルにビンディングをカチッと挿入して根尾川ガーデンを後にした。