風を道連れに

☆あるボッチローディーの独り言☆

伊吹山ビューポイント

 

先週から今週にかけての8日間を、全く自転車で遠出することなく過ごしてしまった。

理由は、風が強かったり雪が降ったりと云ったライドに不適な天候が何日か続いたこともあるが、軽い片頭痛が続いたり蕁麻疹が出たりと、あまり体調が優れなかったこともある。

しかし「こんな毎日だと身体が鈍ってしまう」と云う強迫観念が、次第に自分を苛む様になったので、今日はその解消を図るべくライドに出掛けることにした。

幸い天気予報では、風は微風で気温も日中は11℃くらいまで上がるらしく、遠乗りの 支障になる条件ではないし、体調も今のところは良好の様だ。

行先は、長良川左岸堤防道路の快適な走行を期待して木曾三川公園方面と決め、バイクも走りの滑らかなLapierreを準備した。

 

街中を抜けてまずは長良川の堤防道路を目指して走っていると、視界の開けた場所で 正面に伊吹山が見えた。

先日来の降雪で山全体が真白く化粧しており、朝日を浴びて屹立するその姿は、周辺 の山並みを圧して神々しくもある。

「そうだ、伊吹山を間近に見に行くのも良いな」急な思い付きではあるが行先を変更 するのに何の支障もないと云う、ボッチロディーの特権を行使して走る方向を西方面 へと変えた。

堤防道路に出て長良大橋に向けて走っていると、右手前方に墨俣城伊吹山が並んで 見える。

「そうかぁ、伊吹山が綺麗に見える所を探しながら走ってみるのも手だな」そう気付 いて今度は走る行程を考え直すことにしたが、直ぐに走行ルートの全部を決められる 筈も無い。

まずは墨俣城に向かい、そこに着いてからじっくり走行ルートを構想するのが無難だ ろうと結論し、先を急いだ。

 

墨俣城から望む伊吹山はまだ遠くてその威容が伝わってこないので、ここは構図の妙を楽しむべく長良川の堤防から城と山を眺めることにする。

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墨俣城と端麗な容姿の伊吹山

城と山の構図と云えば、松本城北アルプスのそれがベストだと小生は思っているが、それと比較するのもおこがましいと知りつつ、規模は小さいけれど墨俣城伊吹山の 構図もまんざら捨てたもんじゃないと、郷土愛的に小生は思いたいと言ったら不遜だ ろうか・・・。

暫くのあいだその景観を楽しんだ後、これからの走行ルートの概略を考えた。

 

伊吹山を眺望するのに良さそうなところを脳裏に描きながらルートを辿る。

「ここから天王川沿いを・・・揖斐川安大橋を渡り・・・樽見鉄道揖斐川橋梁・・・神戸町輪中堤・・・昼飯大塚古墳へと走る」これだな!

これで走るルートはほゞ決まった、気分も新たにバイクに跨ってペダルにビンディングをカチッと入れる。

 

揖斐川にかかる大安大橋の上から大垣の街並み越しに伊吹山のを眺めた後、次のビューポイントである樽見鉄道揖斐川橋梁を目指して街中の路地を縫って走る。

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安大橋から見る伊吹山(手前の街並みは大垣市街)

目的地への近道は揖斐川右岸堤防道路だが、車の交通量が多い割に道が狭いのでバイクで走るのに適さない、ここは多少時間はかかっても路地をゆっくり走る方が安心だ。

 

揖斐川にかかる樽見鉄道橋梁付近からは、養老・伊吹・池田・揖斐へと連なる濃尾平野の西壁をなす山並みが一望出来るし、また北に目を転じれば、奥美濃へと続く幾重にも折り重なった白い山並みが望見されて、本当に岐阜は山の国(県歌に ♪ 岐阜は木の国  山の国 ♪ の歌詞がある)だなと実感する。

さて、ここでの狙い目は伊吹山を背景に走る樽見鉄道の車両だと、勝手に構図を頭で 描いて線路脇で列車の通過を待ったが、結局15分ほど経っても列車は来ず、時間切れ と諦めて次の場所へ向かうことになった。

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線路越しに見る伊吹山          樽見鉄道揖斐川橋梁

神戸町の輪中堤は平野井川に沿った堤防で、サクラの時期にはここの約4kmに亘って 続く桜並木は西美濃の名所の一つとなるが、冬を迎えた今は、枝だけになった樹冠の 桜並木が酷く寂しげに見える。

その中をバイクで走りながら伊吹山の眺望の良いところを探すが、人家などが邪魔を してなかなか見つからない。

ふと平野井川に目を向けると、水面に沢山の水鳥が群れていた。

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輪中堤から見る伊吹山           川面に群れる渡り鳥

その色や形から類推すると、オオバンホシハジロと云った、冬になるとこの辺りで よく見かける中型の渡り鳥だ。

この辺りには彼らの餌となる水草や小さな水生動物が多いんだろうなぁ・・・。

暫くのあいだバイクを停め、鳥たちが水面に遊ぶ姿を眺めながら、ボーとする時間を 過ごした。

 

ここからは、旧中山道を走って6kmほど先の赤坂の昼飯大塚古墳を目指す。     (予定ではその筈だった)

路側帯のある道を路肩の砂利などに注意しながら走って約2.5km、急にハンドルが重くなり前輪に異常を感じた。

「なんてこった、パンクだ!」バイクを降りて前輪を確かめると、既にAirは殆ど抜けていた。

「確か2ヶ月ほど前にもパンクしたなぁ、全くツイてない」

宝くじは全く当たらないのに、パンクだけは人並み以上?に経験するのは何故だろうか不思議でならない。

それにしても路側帯(路肩)はパンク元凶異物の宝庫だ。

ガラス片や金属片、潰れた空き缶に尖った小石、グレーチング等々なんでもござれ、 ここを自転車の走路に決めた御仁は多分自転車に乗ったことが無いのだろう。

ぶつぶつ独り言を呟きながらパンクを修理していると、すっかり先に進む気が失せて 同時に少し頭痛もしてきた。

「帰ろッかな」ここから直に帰れば1時間ほどで居宅に着ける筈だ。

 

帰路は、往路と同じ道を樽見鉄道橋梁まで戻り、そこから結⇒墨俣と美濃路を走って 岐阜市街に到る走り慣れたルートをとることにした。

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墨俣から岐阜市街地を望む

久し振りのライドだったが、計画不足の上に思い付きに従ったため不完全な形で終始 してしまった。

「まぁそんな時もあるよね」と自分で自分を慰めるしかないのかな?・・・。