コロナワクチンの接種が本格的に動き出した。
コロナ禍を沈静化させる最重要の施策として、このこと自体は非常に喜ばしいことなのだが、65歳以上の高齢者への接種を、医療従事者に次ぐ2番手に位置付けたことには 大いなる疑問を感じている。(かく言う小生もその対象者の一人ではあるが・・・)
コロナウイルスに感染したり感染させたりするポテンシャルが大きく、今一番予防接種を必要としているのは、色んな意味で活動量の多い50歳以下の人々。
これらの世代の多数が接種を終えない限り、感染拡大の波は次々とやってくるし、緊急事態宣言等で萎える経済の回復も見込めない。
今更ながらだがこの国のコロナ対策は相変わらず後手後手で、その背景には政治の劣化があることは否めないだろう。
問題は為政者にその自覚があるかどうかだが、残念ながらそれも甚だ懐疑的だなぁと 小生は思っている・・・。
さて、今日は天気が午後から下り坂という予報だが、雨を恐れてローラー台で汗を流す気分でも無いので、兎にも角にも外を走ろうとバイクを車庫から引っ張り出した。
行先は取り敢えず山手方面としたが、何処に向けてどう走るかはまだ頭に描けてない。
「風向きを確認してからだな」と決め、ペダルにビンディングをカチャと入れた。
いつも風向きを見るビル屋上の旗は東に強くはためいており、西寄りの4~5m/sの風が吹いている模様「と云うことは行きも帰りも横風になる北方面だな・・・」
ペダルを漕ぎながら意識の半分を走路検討に向けて暫くすると「雛倉から伊自良を経て大桑へと走る」静かな里山の道を辿るルートのイメージが頭の中で組み上がってきた。
「これで決まりだな」大枠のルートが決まればあとは方向だけは押さえて、臨機応変に気の向いた道を走れば良い「よーし、ペダルを回す脚も軽くなってきたぞぉ」
河渡橋で長良川を渡って直線の抜け道を北に走る。
視線の先7.5kmほどの距離にある御望山に向かって、なるべく直線的に走りたいところだがそうは問屋が卸さないのがこの世の常。
T字路だったり工事迂回を余儀なくされたりで真っ直ぐ進めないが、初めての道は存外そんなものと諦めて「右に曲がるか左に折れるか、正解はどっちだ?」と自分の第六感を愉しむことにした。
御望山麓の西郷から雛倉へと向かう走路も、車の交通量の多い道は避けて専ら抜け道を走る。
辺りの風景を楽しみながらノンビリと走っていると、突然異様な建物が目に飛び込んできた。
3階建ての母屋の屋根に金ぴかの鯱鉾が載っている様はまさにお城そのもので、立派な門構えに離れ家や土蔵もある所からすると、きっとお大尽の家に違いない。
時々こういう民家を見かけるが、それにしても屋根に金ぴかの鯱鉾を戴せる人の美意識ってどうなんだろう?
目立つことをあまり好まない小生には理解し難い感性の一つと言えなくもない・・・。
雛倉から伊自良へは山間に敷かれた道を行く。
この道を最初に走ったのは、ロードバイクを始めて1年ほどしか経ってない駆け出し?ローディーの頃。
今日とは逆に伊自良方向から来て「随分と遠い所まできたなぁ」と感慨深く思ったのだが、何のことは無い「わずか25km足らずを走っただけで遠い所に来たも無いもんだ」と、今から思えば当時の小生の甘ちゃん振りに少し呆れる。
山間の道を抜けて緩い坂道を時々ブレーキングしながら勢いよく下ると、前方の伊自良へと分岐する信号交差点が真近に迫ってきた。
信号はタイミングよく青、転倒しない様に強めにブレーキングしつつもロードレーサー気取りになって素早く左折した。
伊自良の集落を抜け、r-174への分岐を左折して大桑へ至る峠越え道に入る。
水田で代搔きするトラクターが長閑な里山の風情にマッチし、それを眺めるローディーの気分を和ませてくれる。
ふと路傍に目を遣ると、木々に覆われ苔むした地蔵尊が1体、優しい微笑みを小生へと投げかけていた。
峠道の九十九折をギアを軽くしてユックリ登る。
ヒルクライム好きじゃないから坂を楽しむ気はサラサラ無し「早く終わってくれー」と念じながらひたすらペダルを漕いで、ひと汗かいた頃に峠に着いた。
「やれやれ一件落着?」走りづめで喉も渇き気味、此処で水分補給も兼ねて小休止することにした。
10分ほどで休憩を切り上げて出発、両側を木立に囲まれた上願坂を一気に下って大桑の集落を目指す。
前方が明るくなり大桑集落の甍が見えてきた所で右折して抜け道に進路変更。
此処から鳥羽川出会いまでの4.5kmほどは緩い斜度(1%未満)の下り坂が続く。
道幅が広く視界も開けているので自然とスピードが上がるのは致し方ないこと。
久々に35km/hr超の快適走行が堪能出来た。
「さてと、この先はどう走るかな?」
すぐさま3つのルートが脳裏に浮かんだが、気分は鳥羽川堤防道⇒高富⇒畜産センターと走るルートが良いと言っている。
その声に素直に従って鳥羽川の左岸堤防道路へとハンドルを切った。
此処からは車の通行量の多い道も走らなくちゃならない。
「気を引き締めなくっちゃ」と自戒して、下ハンに着けたバックミラーの角度を改めて調整した・・・。