このところ全く本を読んでいない。
若い頃には2日に1冊のペースで本を読んでいた時もあり、かなりの読書好きを自負していたが、歳をとるに従って流石にそんな乱読は出来なくなり、ここ10年ほどはせいぜいひと月に7~8冊読むだけでもう一杯。
毎日が日曜日で時間は充分ある筈なのに何故本が読めなくなってしまったのか?
その理由として思い当たるのは”読解力の衰え”だ。
そんなに小難しく無い内容の本でも、同じページを2度3度と読み返さないと内容が頭に入ってこないので、1冊を読み終えるのに相当の時間がかかってしまう。
こんな状態だから勢い本を手に取る時間も少なくなり、それがまた読破量の少なさに 拍車をかけるという悪循環を生んでいる。
情報過多の時代だから”広く浅く”知識を得るにはPCで検索すれば事足りるが、物事を 深く知ろうと思えばやはり本を紐解くのが一番。
歳をとって色んな事が”のろくなっている”のは事実だが、ここは一丁気になっている チョット内容の難しそうな本に手を出してみるか・・・。
さて今日は、久し振りに美濃方面へのライド。
走路は主に長良川に沿って上流に向かうので、所々で涼やかな風がローディーを迎え てくれるし、また走るにつれて”川の表情”みたいなものが次第に変わっていくから、 そんな所を眺めながら快走すれば、例え70km超の距離を走っても大して疲れも感じ ないという小生お好みのコースの一つだ。
河川敷のサイクリングロードを金華山の麓まで走り、其処からはr-287に沿った裏道を 千鳥橋まで進むのが小生のいつものルート。
実はr-287を走った方が速いのだが、交通量が多い片側1車線の道を自転車で走るには 相当の覚悟が必要で、ローディーを邪魔者と見做すドライバーのイライラ感を刺激し つつ、泰然と車の前を走り続ける勇気は残念ながら小生には無い。
まぁ安全最優先が”年寄りローディー”の基本理念ということで「多少の遠回りは屁でもない」と達観?しているとご理解いただきたい。
千鳥橋の橋桁をくぐった所で前方に川面を見詰めて立っている爺さんを発見。
「どうかしましたか?」と声を掛けると、水面を指差して「さっき潜ったまま上がってこない」と一言。
「えぇっ」誰かが溺れたのかと指差す方向に視線を投げると、ゴムボートに乗った数人とその真近で水面に上がる幾筋かの気泡が見えた。
その慌ただしくない様子から察するとどうやら水難救助の訓練中で、2人のダイバーが水中に潜っているらしい。
此処は川が山にぶつかって深い淵になっており、上流で溺れて流されてきた人が水中でよく見つかるという曰く付きの場所だから「現場で実地訓練という訳かぁ」と妙に納得した。
数分の間、爺さんと語らいながら水面を眺めていたが、ダイバーが上がってくる気配はトンと無いので、早々とその場を後にすることにした。
それにしても消防の水難救助隊員の皆さん「仕事とはいえご苦労さん」・・・。
関市千疋からは長良川沿いの抜け道を美濃へと走るが、小高い山越えに入る手前で何と通行止めの仕切に進路を阻まれる。
「えぇっ、落石のため通行止めだってぇ」先日の雨で地盤が緩んで落石が道を塞いで いるらしく「何だよ早く復旧して欲しいよな」と独り愚痴ったものの、ここは引き返す以外手は無い。
来た道を戻りながら迂回ルートを決め、ロス時間をざっと算定すると20分ほどで済み そう。
「まぁこんなこともあるよな」と降って湧いた不幸は嘆かないことにした。
迂回ルートを経て当初のルートに再合流し山崎大橋までやってきた。
「さてこれからどうするかな?」いつもなら小倉公園で一休みだが、疲労感はほとんど無いので取り敢えず休憩は無しにするとして・・・。
あれこれ思案する内に「そうだ、今年も残念ながらTour of Japan美濃Stageは開催され 無かったが、スタート地点の”うだつの上がる町並み”を選手気分になって流し、その後にコースの一部も走ってみたらどうかなぁ」と俄かに思い立った。
しかし、久し振りに訪ねた ”うだつの上がる町並み” は人影もなくひっそり閑で、その 何だか寂しげな風情に先ほどまでの浮かれ気分も雲散霧消し、長居は無用と早々に退散することになった。
COVID-19がこんな田舎街の活気まで損なっているとはねぇ・・・。
美濃橋から半道坂手前までの7kmほどを走って美濃Stageコースの体験走行は終わり。
この距離だと全コースの1/3にしかならないが、この先は大矢田トンネルに向かってのきつい登りになるから、ヒルクライム嫌いの小生にはチョット荷が重い。
「まぁ始めから美濃Stageコースを走ろうと思ってきた訳じゃ無いし」と誰にともなく弁解気味に呟いてバイクを反転させた。
「さぁ帰ろかな」
昼近くで気温も随分高くなってきた。
川面を渡る涼風が少しは火照った身体を冷ましてくれそうなので、武儀川から長良川へと川沿いの道を走るのが良さそうだ・・・。