風を道連れに

☆あるボッチローディーの独り言☆

伊自良辺りを周遊

 

10日くらい前からボトムブラケット(BB)よりの異音が気になる様になったCorratec(ローラー台専用バイク)だがBBが外せない(長年の不整備でフレーム本体に固着) ため仕方なく”ダメ元”でベアリング部にタップリとグリスを塗布して様子を見ることにした。

ところが、保護シールに邪魔されてベアリング駆動部にはグリスが届かないはずなのに何故か異音が無くなるという”奇跡”に遭遇?

これでしばらくは使えそうなので「何でもやってみるもんだ」と独りほくそ笑んだのは言うまでもない。

 

かたや変速機が不調のVaracan specialの方は、シフトワイヤーをリヤディレイラーから外して最初から変速機調整をやり直すことにしたのだが、全段の変速が出来なかったり変速動作が鈍かったりでワイヤーのテンション調整に四苦八苦した結果、同ワイヤーは撚りが解けてバラバラ、挙句の果てはワイヤーハウジングの窮屈になった所(BB部)でワイヤーが引っ掛かって変速操作が出来なくなる始末。

「もうお手上げ」と匙を投げたくなったが、よくよく考えてみると変速不調の根本原因はシフトワイヤーとワイヤーハウジングの接触による動作不良の可能性が大。

「よ~しこうなったらワイヤーとハウジング全部取り替えるぞ」と決断して早速Amazonに交換パーツを発注した。

物が届くのは数日後だが、果たしてこの交換により問題が解決するかどうか?

変速機調整技術が未熟なので「これでOK」と言えないのが何とももどかしい・・・。

 

さて今日は天気もソコソコなので伊自良方面へ出かけてみることにした。

コースとしては雛倉⇒伊自良⇒山県と岐阜北部の里山を時計回りに走る予定で、峠越えが幾つかありバイクはVaracan specialといきたいところだが生憎修理中で使えない。

そこで代わりに準備したのはLapierre、これを選んだのはアルミホイールキャリパーブレーキの組み合わせ(DeRosaはカーボンホイール+キャリパーブレーキ)で長い坂で頻繁にブレーキをかけてもホイールが熱損する恐れが無いからだが、最軽のギア比が1.214なので坂嫌いの上に年老いた小生にはそこがちょっと辛いところ・・・。

伊自良湖のほとりにて

岐阜市北西部の家並が続く道を抜けて西郷辺りまで走ってくると、周囲は畑と果樹園が拡がるのどかな風景に変わる。

真近になった里山ではこの2週間ほどで一気に新緑の木々が増えた様で、その初々しい萌黄色を見ていると心なし身体がリフレッシュされてペダルを踏む脚も軽くなる。

そこで口元を覆うマスクをずらして新鮮な空気を胸いっぱい吸い込んだ後、ギアを1段上げて加速した「よぉ~し、調子が良くなってきたぞぉ」

雛倉(手前の山の奥)へと向かう道

雛倉の細道をのんびり走って里山の春を満喫した後は ”里山かおり街道” を東に走って 伊自良へと向かう。

この道は数年前から車の交通量が増えてきたので裏道を探したいが、伊自良との境の山に阻まれて他の道が無いのが実情。

上雛倉の山が低くなったところに500mほどの林道を拓けば伊自良と繋がるのにと手前勝手に思っているが、そんな一介のローディーの願望など行政に届く筈も無い・・・。

伊自良湖へ向かう道(葉桜並木の中に遅咲きの八重があった)

伊自良湖に向かう直線路を25km/hrほどで走っていると突然(後方No careだったので)直近を若者ローディーが追い越していった。

小生は前走者を追い越す場合は必ず何らかの声掛けをするのがルールだが、案外声掛けしないで追い越していく人が多いのが現実。

まぁ声を掛ける掛けないは個人の自由なんだろうけど、声を掛けられた方は決して嫌な思いはしない筈「声掛けして楽しく走ろうよ」と追い越していった若者の背中に向かい小さく呟いた。

それにしてもその若者の速いこと、どんどん後姿が小さくなっていく。

「あのスピードで走れば気持ちいいだろうなぁ」と羨望の声が口から洩れた。

 

ボートで釣りを楽しむ人達を横目に伊自良湖の周囲を廻った後は、湖畔の奥まった処にある甘南美寺に立ち寄って休憩。

山懐に抱かれて建つ甘南美寺の本堂

甘南美寺(臨済宗)は室町末期に創建された古刹で、普段はほとんど参詣者が訪れない静かな山寺。

小生はこういう侘びた古寺が好きで、長年風雪に晒された仏閣の古色然とした佇まいの中に身を置けば、その来し方の歴史の重みがジンわりと伝わって次第に心が満たされていくのを感じる・・・。

10分ほどかけて山門~本堂をめぐり、最後にご本尊の千手観世音菩薩に参拝してから 石段を下りてバイクへと向かった。

 

次に向かったのは豈坂。(当初は平井坂トンネルを抜けて谷合に向かうつもりだったがいつもの癖で気が変わった)

此処を走る時にいつもする様に、路傍に1体だけ佇む地蔵さんに手を合わせてから勇躍坂登りを開始、と言っても標高差僅か65mの坂道だから脚に疲労を感じる間もなく峠に到着。

峠には観音像30体余りが祀られており、初めてここを通った時にはその異様さに一瞬 ギョッとしたが、今では慣れっこになり手を合わせて通過するだけ。

説明書きによれば”この道が人馬だけが通れる山道だった頃にここを通って甘南美寺や華厳寺(谷汲)に参詣する人達が道中安全を願って路傍に点々と祀った観音像を道路の改修に合わせて全部ここに集めて祀った”ということらしい。

なるほど「昔は宗教心の篤い人が大勢居たんだなぁ」と感心する事績ではある。

ポツンと佇む地蔵さん           豈坂峠の観音さん

坂を下って次に向かったのは”林道高田~斧田線”

始めて走る山道なので林道へと続く農道分岐を間違えて往復1kmほどをロスったが、 うろ覚えの記憶を頼りに正しい分岐を見付けてホッと一息。

農道を山際へと進むとそこから分岐して道が山の奥へと続いておりここからが山登りの開始。

標高差100mほどの上りだったので坂嫌いの小生が「そろそろ脚にくるかな?」と感じ始めた頃に峠に到着、明るい峠だが展望はあまり良くない。

近くに尾根筋に出る石段があったので上がってみたが、小さな祠と電波設備がある広場は木々に囲まれており”骨折り損のくたびれ儲け”だった。

  農道を別れて山道へ           峠からの見晴らしは良くない

バイクに戻って腕時計を見ると時刻は12時をチョット廻ってそろそろ帰途につく時間

「よし帰ろう」と決め走路を頭の中で思い描く。

”ここを下って安食に向かいr-176で彦坂トンネル⇒畜産センター⇒岐阜市街と走る”    まぁこんな感じかな。

多分13時40分ごろには帰り着けるだろうと皮算用してやおらバイクに跨った・・・。