風を道連れに

☆あるボッチローディーの独り言☆

山寺で心安らぐ

 

”五月晴れ”は元々は”梅雨の晴れ間”を指す言葉だったとTVのニュース番組でお天気キャスターが言った。

5月の清々しい青空を形容する言葉だと思っていた小生は「そうなのか」と一応聞く耳を持ったものの「そうかも知れないけど5月の清々しい青空の方が相応しいよなぁ」と独り言の様にTVに向かって愚痴った・・・。

 

さて、今日はそんな”五月晴れ”は何処へいった?という様な曇天の空模様で走っていて爽快な気分になる日では無いが、ここ数日ライドに行けてない負い目?が身を苛む (チョット大袈裟)ので、兎に角どこかへ出かけようと準備に入る。

昨日まではツアー・オブ・ジャパンの美濃ステージ(残念ながら今年も美濃での開催は中止になった)のコースを走ろうと思っていたのだが、今朝の空模様を見たらその気は急激に失せてしまいこの時点で行先は白紙状態。

「さて何処へいこうかなぁ?」いつも行先を決めるのはかなりの難題で、沈思黙考して必死?に考えた末に決めた行先は”犬山方面”「最近あまり足を向けてないなぁ」というのが決め手だった。

 

まずは羽島へと南下してから濃尾大橋を渡り木曽川左岸堤防道路を木曽川橋へと走る。

居宅からは木曽川橋が至近だが、羽島へ大回りする15kmの走りが丁度良い準備運動になってそこからのサイクリングロードの走りで脚を軽くしてくれるので、敢えてそれをするのが小生のこだわり。

曇り空なので青空の下を走る爽快感は無いが、それでもやっぱり外を走るのは気持ちの良いもんだ・・・。

木曽川サイクリングロード(一宮市光明寺付近)

平日の木曽川サイクリングロードは人影はチラホラ、おまけに風もほゞ無風なので快走するのにはもってこいのコンデション。

良く回る様になった脚でペダルを踏めば普段の速度を軽く超えて32~3km/hrでの巡航も大して辛くは無い。

これはこのところ体重を絞るためにやっている「ローラー台トレーニング(45km/hr超で1時間)の賜物かも知れないなぁ」と少しニンマリしながらペダルを踏み続けた。

 

サイクリングロード⇒r-183と走り継いで犬山まで来たが、この先はどう走るかを決めてないので、お城の下でバイクを停めて思案がてらの小休憩。

新緑に包まれる犬山城も結構映える

まず頭に浮かんだは、リトルワールド⇒入鹿池明治村と犬山東部丘陵地を一回りするコースだったが、これだと帰宅が予定より1時間近く遅れる(それはチョットまずい)ので渋々却下。(次に回してその時はもう少し早めに居宅を出る事にしよう・・・) 

結局”木曽川沿いをこのまゝ東進して桃太郎神社の先まで行った帰りに山寺(寂光院)を訪ねてのんびり散策する”ことに決めて休憩を切り上げた。

 

桃太郎神社は御祭神として童話の主人公である桃太郎(大神実命という神様?)を祀る全国でも珍しい神社で、知る人ぞ知るこの地域のB級スポットの一つ。

コンクリート像が昭和レトロな雰囲気を醸し出す桃太郎神社

しかし、昔は野猿公苑もあって数十匹のサルが放し飼いされていたので親子連れに人気の場所(小生も子供を連れて何度か来た)だったから、今は裏寂れて昔日の面影も無くなったのが小生には少し淋しい。

一方、道を挟んで対面の木曽川河川敷の芝広場(桃太郎公園)には、平日にも関わらず数張りのテントが有って近頃のキャンプブームを窺わせ、この盛衰の対比が如実に今の世情を表している様で、ある意味興味深くもあった。

 

桃太郎神社から更に先へと進んで川幅が狭まる”観音瀬”辺りまで走って来ると、そこでこの道は行き止まり。

この先で山が約3kmに亘って木曽川へと迫り出しているからで、もしそこに道路を造成出来たら「景色の良いサイクリングコースになるのになぁ」と常々思っているが、それは所詮叶えられない個人の願望に過ぎない・・・。

※大正の頃までこの近くに”栗栖の渡し”という渡船場があり、手前の飛騨街道と対岸の中山道を繋いでいたらしい。

  観音瀬近くの栗栖の渡し跡        今は対岸をR-21とJR高山線が走る 

来た道を引き返して途中から寂光院への山道に入る。

全体的には緩い斜度の坂道だが、最後は15%強の坂を80m近く上がらなくちゃいけないのでここは小生の脚力ではシッティングではとても無理、止む無く苦手なダンシングも使って庫裡のある広場に着き「やれやれ何とか乗り切った」とホッと一息。

バイクを休憩所の手摺に預けたら今度は本堂他の境内伽藍へと続く長い石段の登り。

半年前ならとても登れた段数じゃないが、足首人工関節手術の御蔭で難なく登れる様になったのは嬉しい限りで、これだったら低山の山登りくらいなら再開できそうだと希望が湧いてくる。

寂光院境内へと続く長い石段

この山寺は紅葉の名所として有名だが、今の時期は訪れる人も少ないので辺りを静寂が包んでおり、それが小生にはとても好ましいものに感じられる。

お堂を巡り歩いていると本堂辺りから何やら読経の声らしきものが聞こえてきたので耳を澄まして聞いてみた。

どうも日中諷経(お昼の読経)の時間らしく、内容は皆目解からないがその声を聴いていると何故か気持ちが落ち着いて心穏やかになっていく気がする・・・。

静寂の中読経の声だけが聞こえてきた(随求堂と本堂)

展望台からは岐阜や名古屋の市街地も望める

「さぁてそろそろ帰るとするかぁ」

帰路は鵜沼から各務原へと走るつもりだったが、寄り道で少しノンビリし過ぎて時間を押したので往路をそのまゝ帰ることにした。

多分その方が30分ほど早く居宅に着けるだろう・・・。

帰りは木曽川橋を渡って居宅へ