風を道連れに

☆あるボッチローディーの独り言☆

西美濃を気儘にライド

 

近くの整形外科で頸椎の椎間板ヘルニアと診断されて3週間ほどが過ぎた。

この間、くすり(ロキソニンテルネリン)を服用しながら経過を看る事になったが、3週目からは服薬量を減らしてもほとんど痛みがでない様になったので、先生の許可を貰って通院を止めることにした。

まだ首筋の凝りに似た感覚や関連痛と思われる肩甲骨辺りの鈍い痛みは多少はあるが、これも”日にち薬”で多分その内に無くなる?だろう。

歳をとるまでの長い年月を酷使してきた身体に、1箇所や2箇所変調を来す処があっても不思議じゃぁ無いと楽観的に思う今日この頃である・・・。

 

さて今日は風の無い(庭に植えた木々の葉が微かに揺れる程度だ)ライド日和なので、家に籠って?いては「精神衛生上宜しくない」と外走りに出ることにしたのだが、あれこれ思案してみてもこれと云って行先が思いつかず「えぇいまゝよ」とばかりに行先を決めずに西美濃辺りを”行き当たりばったり走ってみよう”と出発した。

 

まずは街中を西に走って長良川左岸堤防道路に出たが、ここを右折するか左折するかで行先は大きく変わる。

少し迷って望見する風景(右は家並が続き左は田園が拡がる)から左折を選択、これで当面の走路は決まったのでしばらくはスピードを巡航まで上げ走りを愉しむだけ、初夏の陽気を切り裂いて進む爽やかな肌感覚がなんとも心地よい・・・。

大藪大橋(長良川)を渡って輪之内へと走る

長良川の堤防道とは羽島の先で別れ、輪之内を経由して大垣の南端まで走ってきたが、ここからはまた牧田川沿いを西へと進む。

堤防沿いには家並が連なるが、それを見て「確かこの辺りにNが住んでた筈だなぁ」と思い出した。

会社員時代の同期とはリタイヤ後も毎年宴会旅行や忘年会で旧交を温めてきたが、この3年ほど(コロナ禍の自粛で)は全く顔を合わせていない。

「アイツ元気にしてるかな?」勿論用も無いのに訪ねる気は無く唯そう思っただけ。

今年は久し振りにみんなが集まっての飲み会が開けるんだろうか?・・・。

 

しばらく走ると道は名神高速と並走し間もなく養老SAが見えてきた。

ここは一般道からSA施設が利用できる”ぷらっとパーク”で専用駐車場にサイクルラックもあるので、そこにバイクを架けてSAに入り近くの東屋のベンチで一休み。

名神と並走する伸びやかな堤防道     ぷらっとパークでトイレ休憩する

トイレは休憩所のすぐ傍なので、場違いなサイクルウェアでSA内を歩かなくて済むのは助かるが、売店等を利用したい場合はチョット人の目が気になるかも?      (小生はライド中に買い食いはしないのでその心配はほゞ無いが・・・)

SA内を行き交う人達を遠目に眺め”俄か旅行者気分”に浸りながら10分ほど休む間にこの先の走路をあれこれ思案。

上石津や関ヶ原の走路を頭に思い描いてみるが、いまいち乗り気になれない自分がいるので最終的に不破方面へ向かうことに決めた。

この走路だと南宮大社や明神湖といった立ち寄りpointが有るので”走るだけのライド”に陥ることは無い筈だ。

 

南宮山麓の緩い坂の農道を北に向かって走る。

並走する県道は車の交通が結構あるので、多少曲がりくねった道でも独り占めできる道の方が安全だし自分の性に合っている。

麦秋を迎えた麦畑に時折目をやりながら走ってると”麦秋やまっすぐな道ただひとり”のどこかで目にした見知らぬ俳人の詠んだ句がフッと頭に浮かんだ。

 

やがて農道は家並を縫う道となって山側に大きく曲がった突き当りが南宮大社

初詣や例大祭では賑わうこの大社も今日はひっそり閑として人影もまばらで、人混みを好まない小生にとってはある意味有難いといった感じ。

美濃一ノ宮の格式高い南宮大社に参拝(楼門)

宝物殿の脇にバイクを停め、楼門をくぐってゆっくり本殿へと向かうが、玉砂利を踏む脚音が静かな社殿内に響いて少し耳障りなほどだ。

そんな”厳かな空間?”なのだが、視線の先に2人連れローディーを認めた時その様態に 一瞬目を疑った、何と2人共バイクを引っ張っておまけにヘルメットまで被ってる。

「おいおいそんな恰好で参拝したのかい」それじゃ車を社殿内に乗り入れたも同然で、土足で座敷に上がるのと何ら変わらない(チョット例えが悪いか)

小生より少し年若いと思しき年配者ローディーの非常識さに呆れて、誰に言うともなくそっと呟いた。

 

参拝を済ませて次に向かうのは明神湖。

”明神湖は垂井の街中を北へと突っ切り池田山麓の谷筋を北西に詰めた所”とかねてより頭に仕舞い込まれていた地図を引っ張り出しそれを頼りにバイクを走らせる。

ところが山麓まで来て明神湖へと続く見知った道を探すがこれが無い???

「どうもおかしいぞ」辺りを見廻してどうやら谷筋をひと山間違えたと気付いた。

結局2kmほど遠回り?して本来進むべきルートに乗ったが、地理感覚には絶対の自信を持っていただけにこのミスにはチョットがっかり。

”寄る年波には勝てない”とよく聞くが、それが他人事ではなくなっていく自分の有様が少しだけ寂しい・・・。

 

谷筋の集落から別れて山道を登っていくと高いダム堤体で川を堰き止めた明神湖の畔に出た。

不思議と安らぎを覚える湖畔の風景

梅雨前のせいか湖面が幾分小さくて少し趣に欠けるのは残念だが、湖から奥へ続く青葉成す山襞の重なりが初夏の山々を多彩に演出しており、それを見る小生を束の間安らぎで満たしてくれる。

これほど人里近く野趣豊かな自然があるのも緑水豊かな我が郷土なればこそ、そよ吹く風も心地良い・・・。

谷間の向こうには濃尾平野が僅かに展望できた

景色を眺めて10分ほど休憩したあと湖畔を1周して帰途につくことにした。

帰路では垂井と池田を結ぶ山道の梅谷峠を越えていく心算だが、最近は走ってないので道の様子はどうかなぁ・・・。