米国で家族を伴った研究留学生活をおくる長女が、第3子を来年2月に出産の予定だとTELしてきた。
「えぇ2人の子で手一杯の筈なのにもう1人かよぉ」と思いつつ「米国で出産となると こりゃぁ大変だぞぉ」と数ヶ月先のことながら少し心配になる。
米国の出産を取り巻く環境は日本と比べてかなり厳しく、産前・産後休暇(日本の場合は6週・8週)は無しで産休育休合わせて12週のFMLA休暇(但しこの休暇中は無給)が制度上認められている(適用もかなりシビア)のみ。
多くの母親は経済的な理由から出産直前まで働き、産後も2週間ほどで職場復帰を余儀なくされていると言うから「これじゃぁ母体保護も何もあったもんじゃぁ無い」と思うが、これが女性の社会進出が進んだアメリカという国の現実だ。
また出産に合わせて妻が手伝いで渡米するかどうかも悩ましいところ。
現在2人の孫の日中の世話は専業主夫となった娘婿がしているが、ここに長女と乳児の世話が加わればお手上げ状態となるのは眼に見えてるので、短期間でもこれを回避するには妻に御足労願う(恥ずかしながら小生が行っても何の役にも立ちそうにないので)のは止む無しなのかなぁ?
何はともあれ孫が増えるのは”おじい・おばあ”には嬉しい出来事。
東京に住む次女の子が3人なので来春に長女が第3子を産めば孫は6人になる。
コロナ禍等もあって家族全員が顔を揃える事が無くなって3年あまり、日々淋しい思いをしているので、数年先?には訪れるであろう会合の日を今から首を長くして待つことにしよう・・・。
さて、今日は煩わしい走路は避けてただ気持ちよく走ってみたい気分なので、長良川と木曽川の堤防道路を伊勢湾河口まで”ひとっ走り”することにした。
天気はピーカンじゃぁ無く風も穏やかな感じなので、このところ体力的な衰えを覚える様になった小生には有難いまずまずの天候だ。
羽島から先の長良川左岸堤防道路は車の通行が少ないので自転車が走り易い道。
そんな道だからカメやヘビ等が道路を横断して居たり、イタチやタヌキが路傍に佇んでいたりすることが時々あるが、今日目の前をモソモソと通り過ぎたのはヌートリア。
夜行性なので日中見掛けることは稀だが、あの ”ドブネズミの親分?” みたいな容姿は 間違い無くヌートリアだった。
生態系に影響を及ぼす特定外来生物に指定されているが、繁殖力が強いので「こんな所にも出没する様になったのか」とチョットびっくり。
それにしても、風土に適応すると瞬く間に周辺へと拡がっていく外来生物の生命力には感嘆するほかないなぁ・・・。
木曽長良背割堤は土日には多くの自転車乗りが行き交う人気の走路だが、平日はそれ程でもない。
だから小生がここを走るのは専ら平日で、幅広の走路を独り占めしてあれこれと夢想に浸りながら快走(速く走るでは無く気持ちよく走る意味で)するのは実に愉しい。
今日も視界に入る限り人影は見えず小生の走りを妨げるモノ?は無さそう。
「よし快走するぞぉ」とクランクを踏む脚に力を込めると、長良川側からそよ吹く微風がそっと背中を押してくれた。
船頭平公園で一休みした後は長良川沿いを河口へと走る。
この堤防道路からは鈴鹿の山並みが見渡せるので、山好きの小生はそれを ”チョイ見” しながら走るのが常なのだが、今日は生憎と雲がかかって良く見えずガッカリ。
思えばロードバイクを始めて1年位は前を見て走るので精一杯、とても周囲を見る余裕は無かったが、いつの間にかlook upどころかキョロキョロと辺りを見廻して走るのが 習い性となってしまった。
前方への視線や後方への注意を怠ると危険なのは解ってはいるが、この性癖?なかなか治らないもんだ・・・。
長良川河口堰を過ぎると狭く危険な堤防道路は避けて堤下の路地道を走る。
まだ海岸までは6kmほどの距離を残すが、この辺りまで来ると空気に微かな粘り気や 潮気を感じるのは気のせいか?
ここにきて一気に晴れ渡った上天からはギラギラとした太陽が照り付けるので、先ほどまで感じなかった疲労感が急に身体を包み込んでいく様だ。
「もう近いからユックリ走るかぁ」と自分に言い聞かせてギアを1段落とした。
ナガシマスパーランドの横を抜けて護岸堤に上がると目の前に伊勢湾が拡がった。
「久し振りの海だなぁ」と海上に目を凝らすと10隻ほどの船舶が航行しており、その内の1隻は大きなLNG運搬船。
「まさかロシアのサハリン2から来た船?それともオーストラリアかマレーシア、案外カタールかも知れないな」と勝手な想像をして愉しんだ後、目をセントレアのある海上に向けると丁度旅客機が1機離陸したところだった。
しばらく機影を追うとこちらに向かってくる様子で「と云うことは国際線かぁ、中国かヨーロッパだな」とこれまた勝手に行先を想像、轟音を残して頭上を飛び去るジェット機を見送りながら、昔訪れた彼の地を思い出して束の間の旅愁に浸った。
15分ほどノンビリ休んだので長居は無用と帰路につくことにした。
取り敢えず立田大橋までの走路は木曽川沿いの道を行くことに決め、堤防道路を北へと走っていると堤下の茂みに立つ異形のモノが目に入る。
「えっあれってリュウゼツランの花じゃないか!」
数十年(30~50年)の年月を経て開花したリュウゼツランを、たまたま通った路傍で 見付けるなんて偶然はそうそうあるもんじゃぁ無い。
これは貴重な被写体だとばかりに写真を数枚撮影したのだが、それにしてもこんな所?でひっそりと咲いたリュウゼツランの花、見てくれる人も少なく枯れていくのは何だか可哀そうな気がする。(というのは人間の感傷に過ぎないか)
今日のライドでは、日中見るのは稀なヌートリアを目撃したりリュウゼツランの開花を見たりと偶然が重なった。
「こりゃぁ宝くじを買ったら大当たりするかも」とまた別の偶然を期待したくなるのは小生のさもしさの現れなんだろうなぁ・・・。