風を道連れに

☆あるボッチローディーの独り言☆

千体仏に癒された

 

時流にあまり敏感では無い小生だが、この1年くらいでスマホ決済サービスの利用環境が「この辺りでも随分と整ってきたなぁ」と思う様になった。

そこで、遅ればせながら小生も「スマホ決済なるものに挑戦してみるか」と色々情報を物色した上でPayPay をスマホに取り込むことにした。

 

スマホへのPayPay アプリの登録は何の問題も無くほんの数分で完了。

しかし支払方法として ”ATM現金チャージ” は面倒と ”銀行口座登録” を選んだところで躓いた。

ネットバンキング口座のある某銀行を登録しようとしたのだが、最近はあまりアクセスして無いこともあって入力ミス(口座番号・暗証番号の誤入力やワンタイムパスワードの時刻補正等)を何回かやらかした結果、誤操作によるロック機能が働いて同口座への通常アクセスが出来なくなってしまった。

「何てこったぁとんだ災難だぁ」と嘆いてみてもあとの祭り、PayPayの銀行口座登録とは別に、当該某銀行口座の ”アクセスロック解除” という余分でしかも面倒な手続きが 必要になってしまった。

 

しからば他のネットバンキング口座で登録と思ったが、ここは新しい専用口座を作った方が無難と判断し、PayPay 銀行での口座開設を決めたのだが、ここでも予想外のことが起きた。

口座開設申請の翌日にPayPay 銀行の窓口担当者からTelがあり「当行に口座がある方は別口座を開設出来ない」との由。

「ん?どう云うこと?」と思ったが詳しく聞いてみると、前身のジャパンネット銀行の記録を調べたところ小生の口座が見つかったのだと言う。

そう言われて思い出したのは20年以上前に”ヤフオク”の売買用に使っていたネット口座で、朧げな記憶ではそれがジャパンネット銀行だった様な・・・。

紛失したのか捨てたのか?銀行カードは手元に無く、ログインパスワードも暗証番号も全て忘れた休眠口座が、こんなところで突然姿を現してくるとは思わなかった。

 

あれこれあったPayPay の銀行口座登録だが、結局はジャパンネット銀行の休眠口座を解約して、新たにPayPay銀行に口座を開設することで落着した。

それにしても思うのは、大概の企業の情報管理というのは”かなりしっかりしている”ということ。

それに引き換え、最近の我が国の官公庁における情報管理は ”ひどい” の一語に尽きる 惨状で、保管が必要な諸情報を恣意的に破棄したり、記録そのものを執らなかったりと時の権力におもねるカタチでやりたい放題。

「まったく、この国の行く末が危ぶまれるなぁ」と年寄りは嘆くばかりだ・・・。

 

さて今日は、久し振りに養老から垂井にかけての山沿いを走ってみることにした。

走路は平地が大半だが部分的に急坂と峠越えが入る予定なので「山用のVaracan Specialにするのが良いかな」と上り下りが楽なバイクを選択。

最近は、何事につけ少しでも楽が出来る方を選ぶ傾向が強くなって来たが、これも身体の老化現象が昂進した現れなんだろうか?

若い人には解らないかも知れないが、それは本当に悲しいことだ・・・。

遠く伊吹山を望見しながら旧揖斐川橋梁を渡る

長良川沿いから揖斐川沿いそして牧田川沿いと、なるべく市街地を避けて川沿いの道を養老高田まで走ってきた。

ここまで来ると養老山地は真近で、これから訪ねる”柏尾廃寺跡”は、その麓の坂を1kmほど山懐へと詰めた所にある。

 

r-56を南進して右に折れると坂の始まり。

最初は緩かった傾斜も先へ進むに連れてきつくなり徐々に腿が張ってきたので、呼吸を乱さない様にゆっくりしたペースで上っていくと、前方に木立に覆われた薄暗い細道が見えてきた。

「あと少しだな」先が見えた安堵感?が脚を軽くして少しばかりスピードが上がった気がした。

薄暗い道も先に進むと陽射しで明るくなった

柏尾廃寺跡は永禄期(460年ほど前)に織田信長によって焼き払われた寺跡で、今では新明神社の境内にかって在った寺院の礎石だけが残るが、その近くには明治中頃に付近から出土した石仏を一ヵ所に集めて安置した”千体仏”がある。

静寂が辺りを包む神社の境内を抜けて木立の中を行くと、木が掃われ陽光が届く場所にそれはひっそりとあった。

神社には森閑が似合う         陽光を浴びて輝く千体仏

円錐状に並べられた石仏の数は千体余、傍らには朽ちた石仏や石塔の山もあるので実数は千数百体もの石仏がありそうだ。

一つひとつの石仏の造りは稚拙とも言えるが、その稚拙さにこそ昔の人々の深い信仰心が垣間見えて感慨無量。

しばらくの間物言わぬ石仏と対話?しながら平安な時間を過ごした。

中心の石仏には応永九年(1402年)と刻まれているという
苔生し朽ちていく石仏にはそこはかとなく漂う美がある

柏尾廃寺跡を後にして次に向かうのは”不破の滝”。

これまで2度訪ねたが、道間違い(1回目)と通行止め(2回目)で何れも滝まで行けて無いので”3度目の正直”を狙って向かうという訳。

垂井へ向かう道沿いにはコスモスが咲いていた

南宮山東麓から垂井へと走り池田山南麓まで来ると不破の滝は近い。

「今日はどうかなぁ?」チョッピリ不安が脳裡をかすめるが、ここまで来たらもう行くしかないと、それを吹っ切ってペダルを踏んだ。

集落から離れて山中へ約1km、分岐を右にとると滝への林道だが前回は無かった木片がいっぱい落ちていて状態は良くない「大丈夫かなぁ」またぞろ不安が頭をもたげた。

それでも前へと進んで通行止め箇所を過ぎると、少し道幅が広くなっておりそこがこの林道の終点だった。

不破の滝へと続く林道

山の斜面にバイクを預けて歩いて滝へと向かう。

足元が悪く足首に病を持つ小生には歩き難いがここは我慢で、少し行くと視線の先に滝が見えてきた。

「結構大きい滝だ」ようやく観られた滝に少しだけ達成感を味わう。

歩道脇の小枝越しに滝が見えた

滝に近づくとちょっと残念なものが目に入ってきた。

「これがウワサ?の発電設備か」と滝壺に設けられた大きなSUS製の水車型発電設備を見ながら呟く。

ここは私有地で滝も個人の所有物らしく、この発電設備は最近その所有者によって設置されたとのこと。

その際には町議会でも話題になり各方面から撤去の要請もあったが、それらの声は結局所有者の元に届くことは無く、そのままで現在に至っているらしい。

それにしても、伝説さえ伝わる不破の滝という観光資源を、この様な形で台無しにしてしまうこの所有者の感性には大いなる疑問を持たざるを得ない。

「世の中変わった人もいるもんだぁ」と笑って済ますには重すぎる・・・。

大きな発電設備が滝の景観を台無しにしていた
無様な設備を消してみたが・・・       秋はやっぱり水が少ない

帰路は梅谷越で池田に出て赤坂⇒神戸⇒墨俣へと走るが、車通りが多くなるので注意も必要。

「時間もあるのでゆっくり行くぞ」と急ぐ性分の自分に自制を掛けた。

      梅谷越の山道         峠を越えれば池田温泉までダウンヒル