風を道連れに

☆あるボッチローディーの独り言☆

この寒空に

 

スパイ気球といい沖縄無人島の取得といい、このところ中国がらみの話題が世間を賑わしているが、個人的には「中国を標的にして騒ぎ過ぎじゃないの?」と思ったりする。

確かに、スパイ気球に関しては領空侵犯や不法な情報取得と云った、国家間の信頼関係を損ねる行為が明々白々であり、尖閣問題や台湾有事問題などで高まる国内外の”中国脅威論”を背景に、多くの人々がその動向を注視するのは解る。

しかし、”中国人女性が沖縄の無人島を購入した”と云ったことは単なる”商取引”に過ぎず、国家間の争いに発展する様な問題でも無い。

仮にこの島を購入したのが米国或いは中東の大金持ちだったとしたら、マスコミはここまで大きく報道するだろうか?(それはそれで”沖縄の無人島で大規模リゾート開発”とか何とか銘打って取り上げられるかも知れないけど?)

その昔”Japan as Number One”と誇った経済力で日本が世界中を席巻していた頃、三菱地所ロックフェラーセンタービル(NewYork)を買収してアメリカ人の反感を大いに買ったが、この”中国人女性無人島購入問題”もその側面無きにしも非ず。

穿った見方をする様だが、今の日本人の心情はあの頃の米国人の心情とほゞ同質なのではないか?

げに恐ろしきはナショナリズムではある・・・。

 

さて今日は、天気はソコソコだが冷たい風の吹く寒い日なので、遠出は止めにして近場を走って済ます(吾がことながら最近この軟弱パターンが多いなぁ)ことにした。

行先は金華山ドライブウェイで久々のヒルクライム

ご存じ?の様に根っからのヒルクライム嫌いだから、此処を好んで走ることは無く久し振りなのは仕方ない。(よく行く気になったと褒めて貰いたいほどのもんだ)

 

街中を抜けて岐阜公園へと向かう。

風の吹き抜ける大通りはなるべく避け路地を縫い縫い進めば、寒さはそれほど感じない代わりに、出会いがしら事故を避けた頻繁なブレーキングと左右確認が必要で、それが面倒と言えば面倒。

まぁ世の中”万事全てが上手くいく”なんて事は滅多に無いので「どこで折り合いをつけて納得するかだけだな」と自分に語りかけながら黙々と走った。

 

金華山ドライブウェイは、西麓の岐阜公園と南麓の岩戸公園とを結ぶ全長4.6kmほどの山道で、市街地にあるため昔は”ローリング族”が走り回る様なこともあったが、今ではそんな車を見かけることはまず無く、市街地の展望が目当てのドライバーやハイカー・ジョガーそしてヒルクライマーが来訪者の主体となった”静かな道”だ。

金華山ドライブウェイ岐阜公園側入り口

伊奈波の大通りから山に向かって路地を奥へ進むと金華山ドライブウェイで、いよいよ待望?のヒルクライムの始まり。

住宅地の緩い斜度で足慣らしをするのも束の間で、ゲートの手前からいきなり8~9%のきつい上りが続き、道は薄暗い山中へと伸びていく。

ギアは既に34T×28T(ギア比1.214)でバイクは今にも停まらんばかりのスローペース だが、しかしこれは息を上げた末の”劇症疲労(症状を基にした小生の勝手な命名)”の発症を防ぐには絶対必要な対応。

「あと200mぐらいか?頑張るぞ・・・」呼吸を整えつつ前方を見据えながらクランクをゆっくり回してノロノロ進んだ・・・。

 

足着きをせずこのコース最大の難所を乗り切ってホッと一息。

疲れた脚を癒しながらゆっくり走っていると、後方からエンジン音が聞こえてきたのでバックミラーで確認すると”赤いスポーツカー”が視認出来た。

バイクを路肩に寄せながら追い抜きを待つと、ルーフを畳んだRX-7が颯爽と駆け抜けていった。

「ほおぅこの寒いのにオープンかい」と高めの爆音を残して遠ざかる車を見送りながら一言。

時々こうして寒空の下をオープンカーで走る御仁を見掛けるが「多分寒いだろうなぁ」と同情しつつも「彼らには寒さよりも見栄え何んだろうなぁ」と物事を少しシニカルに見てしまう”嫌な自分”がそこにいる・・・。

 

展望台まで走ってくると、先ほどのRX-7が停まっていて40代と思しき御仁が市街地を 背景にして愛車?を写真に撮っていた。

TwitterにでもUPするのかな?」勝手な想像をしながら、小生も市街地の展望写真を パチリ。

風景を観ながら暫時休憩するつもりでいたが、風が強く寒いのでそれは止めにして先へと進むことにした。

南(名古屋)方面   展望台からの眺望   西(伊吹山地)方面

最高所を過ぎて下ると金華山七曲り登山道へのとりつきがある。

数日前、この七曲り登山道を登って岐阜城へと向かった66歳男性ハイカーが行方不明になったが、以来懸命な捜索にも係わらず未だに行方知れずのまま。

ひょっとすると「道端にぽつねんと佇んでいるかも知れないなぁ」なんて思ったりするがそんなことないかぁ。

最も、仮にその人が佇んでいたとしても「俺はその人の人相知らないからなぁ」とありもしないことを考えながら道端へと視線を送った。

 

岩戸公園まで下りて来たが、これで終わりにするにはチョット走りが足りてない。

「山の縁伝いに千鳥橋の方へ走るか?」とも考えたが、イマイチ乗り気になれなかったので「それじゃぁここから岐阜公園に戻るかぁ」と逆コースでヒルクライムをすることに決めた。

普段のライドで峠越えを複数することもあるので、立て続けに峠越えがあったと思えば、嫌いなヒルクライムも「どうってことないさぁ」と自分をなだめて出発。

風の無い岩戸公園には暖かな陽光が降り注いでいた

岩戸公園からは九十九折れの上りが続くが、きつい斜度が長く続くところがあまり無いので気分的には楽。

黙々とクランクを回して坂を上っていくと、やがて最高所の展望台に着いたのでここで暫く休憩タイム。

岩棚の上に腰掛けて眼下に拡がる町並みを眺めていると、空を舞う鳥になった様な気分になる。

誰も居ない展望台でゆっくり休憩

岐阜公園まで下りたその足で長良川河川敷に設けられた遊歩道へと向かう。

冷たい北西風が吹いているが、忠節橋まで行ってその先の河川管理道路を走るのが次の行動予定で、そこを1往復(17km)もすれば、多分疲れ果てて「もう帰ろうか」って 気になるんじゃないか?というのがこの予定の目論見。

さぁあと1時間弱”自己満足の充足”に向けて頑張って走るぞぉ・・・。

強い風の中喘ぎながら何とか1往復 きつかったぁ・・・