小生はどちらかと言えば饂飩より蕎麦派である。
(ついでに言うと、ラーメンを食べるか?蕎麦を食べるか?と聞かれたら、多分蕎麦と答えるだろう)
最近、近在の蕎麦屋巡りを始めた妻が、ハナモモの開花状況を見がてら目当ての蕎麦屋に行くと言うので、車の運転手を買って出て付いていくことにした。
行先は根尾で、そろそろこの方面をライドするための「道路状況確認に行こうかな」と思っていたので、小生にとっては”勿怪の幸い”と云ったところだ。
山が近づくと、赤みがかった裏葉色の山肌の所々がヤマザクラでほの白く抜けており、この辺りも一気に春が到来した感じ。
そう云えば、例年この時期はまだ雪が多く残っている奥美濃の山も、今年は山頂付近に残雪があるばかりで何だか寂しげ(というのは小生の感慨)に見える。
そんなことから「こりゃぁもうハナモモが咲いてるかも知れないね」と妻に言ったが、現地に着いてみると花はチラホラで、近くで枝の蔦取りをしていたお爺さん(多分この花園の持ち主)に開花予想を聞いてみると「まだ1週間は先だなぁ」とのことだった。
開花は気温に左右されるので「丁度満開時期に訪れるのは難しい」と言うと、お爺さんは「電話すれば教えてあげるよ」と言ってくれた。
田舎って結構親切な人が多い・・・。
蕎麦屋は、以前妻と立ち寄って品切れで食べられなかった処。
人気の店らしいが、早めに行ったので席は半分ほど埋まっているだけで、今回は蕎麦を食べられそう。
注文後しばらく待って出て来た蕎麦は白い色(1番粉:更科)で、茶色ぽい蕎麦(2番粉:挽きぐるみ)を頭に思い描いていた小生にはチョット意外。
それと言うのも、この辺りでは挽きぐるみ蕎麦を出す店が多く、更科蕎麦は少数派だからと云う事情による。
とてもグルメとは言えない小生だが、これまでに食べた蕎麦で記憶に残るのは、若い頃にスキーで行った妙高(新潟)の駅前で食べた”ざるそば”で、空腹も手伝ってか?あの蕎麦は実に旨かったが、さて今回の蕎麦はどうかな?・・・。
店主には申し訳ないが「蕎麦よりもてんぷらの方が美味しかったなぁ」との感想を胸に仕舞って帰途についたが、所詮食べ物の旨さ感覚は個人の嗜好によるところが大きく、絶対値なんてものは無いと小生は思っているので、此処はどうか許して貰いたい。
特に味覚神経の衰えた年寄りが、グルメぶって食べ物の旨い不味いを判定する(案外なことにそう云う場面をよく眼にする)としたら、それは「ちゃんちゃら可笑しいぞ」と言うことだからね。
さて今日は貴重な ”雨間の晴れ” なので、居宅に燻っていては勿体無いとライドに出る ことにした。
行先は最近ご無沙汰にしている ”木曽川サイクリングロード” で、土手のサクラ見物も 兼ねて短時間(3時間ほど)でサクッと周回するつもり。
例によってまずは羽島へと向けてバイクを走らせる。
今日は尾濃大橋を渡ってサイクリングロードへ入るショートカットコースにしたので、その罪滅ぼしに途中の境川桜並木へと足を伸ばすことにした。
ここは川堤に沿って断続的に6kmほど桜並木が続くが、あまり人出もないのでバイクに乗って、ゆっくり走らせながらサクラを愛でることが出来る。
花は七分咲きといったところか?、あと1週間もすれば満開も過ぎて散り始めるだろうから、サクラ吹雪の中を走りに「また来ようかな」と独り静か?に思った。
尾濃大橋から視る木曽川の風景がやけに明るく(多分両岸の草木が冬枯れて全体が広々見えるせい)サイクリングロードもいつもと違って見える。
人間の感覚なんて実にいい加減なもんで、その時の気分や周りの雰囲気で”白いドレスが青いドレスに見えたりする”のは、他の動物には無い人間だけの特性なのだろう。
12kmほどを走ってきて脚も軽く回る様になったので、堤防道路に入ったところからは少しスピードを上げて走ってみる。
花粉対策で二重マスクをしているから、30km/hr超で走り続けると次第に息が上がってきて辛くなるが「あと少し、木曽川橋まで頑張ってみよう」と自分に発破をかけた。
木曽川橋の先で再びサイクリングロードに合流。
138タワーパークの駐車場は、木曽川堤のサクラを観ようと押しかけた花見客の車でほゞ埋まっていたが、桜並木から離れたサイクリングロード上に人影があまりないのは助かった。
”散策する人”は結構予想外の動きをすることが多いから、傍を通る時はその動きに注視して徐行するのが鉄則。
走路に人が多い場合は、これを幾度と繰り返さなければならず、出来るだけ快走したい小生にはそれが”ちょっとしたストレス”と言えなくもない。
すいとぴあ江南まで一気に走ってきたが、俄かに尿意を覚えた(前立腺肥大なのでよくあること)ので暫時休憩することに。
花見客は居ないがここの桜並木も丁度見頃だったので、用を足した後に独りゆっくりと観させて貰った。
少し長めに休んでしまったとチョッピリ後悔。(後悔先に立たずだ)
先刻まで犬山まで足を伸ばすつもりだったが ”混雑してそうで行く気が失せた” ので、 愛岐大橋を渡って帰途に着くことにした。
「前渡から稲羽を通って新境川桜並木と走るか」とこれからの走路を頭に描いて出発。
このルートは最近(1.5年ほど)走って無いので、こうして珠に走って道の状況を確認 しておく必要がある。
田舎じゃ無いので道は幾らでもあるが、自転車が走り易い道はそれ程あるもんじゃ無いからね。
新境川堤のサクラは少し散り始めており、月並みに”ものの哀れ”を感じながら観た後、木曽川右岸のサイクリングロードに走り継いで円城寺まで帰ってきた。
午前は青空もあった空模様が今は下り坂で、この分だと午後遅くには雨が降り出すかも知れない。
思い付きのライドだったが束の間の好天に感謝というところか・・・。