風を道連れに

☆あるボッチローディーの独り言☆

色んな道

 

”悲しいかな”人は自分自身の偏見にはなかなか気付かないらしい。

人権軽視の収監措置の末に名古屋入管で亡くなったウィシュマさんに対して、誹謗中傷するだけでなくその人格を冒涜する様な発言をして物議を醸している維新の国会議員や、性の多様性(今や科学的には常識)を認めず、LGBT理解増進法を手前勝手に修正して憚らない自民・公明の保守系国会議員らの行動を見聞するにつけて、この人達は”本当にその職にふさわしい良識ある人なんだろうか?”と疑問に思う。

彼らは”知的選良”と自他共に認める類の人達?だから、物事を深く理解している筈と(彼らに1票を投じた)多くの人は思ってるだろうが、小生には彼らの実像はその虚像とは大きくかけ離れていると思えてならない。

辛辣な言い方かも知れないが、彼らの多くは ”古い価値観にしがみついている独善的な人達” に他ならず、維新の国会議員に至っては明らかに”忌むべき差別主義者”であると言っても過言ではない。

 

小生は最近の政治の劣化には憤りを通り越してただ呆れているが、これは政党の不甲斐なさが問題と云うよりも、主権者たる国民の無責任さにこそその根源がある。

「この国の将来は暗いなぁ」「あぁ嘆かわしい」と新聞記事に眼を通しながら、愚痴ることが多くなったのは歳のせい?。

小生歳はとっているものの、これを時代の潮流だと諦観するほどには”大人”じゃ無いからねぇ。

因みに、小生は己が”偏見の塊”だとは自覚しています・・・。

 

 

さて今日は「揖斐方面へ走ってみるか」と行先を決め、Varacan specialを車庫から引き出した。

このバイクに乗るのは1ヶ月振り(坂嫌いで山手を敬遠してる証拠?)だが、先日スプロケとチェーンの清掃ついでに車体も洗ったので、見た目はソコソコ綺麗。

汚れたバイクで走るのは、ものを大切にしてない様でチョット恰好悪いからねぇ。

濃尾平野北西端の山々も真近に見えて今日はライド日和

長良川の堤防道路に出て、拡がる視界の北西方面を望見しながらこれからの走路を眼で追う。

「取り敢えず本巣へ走ってから谷汲の山間を縫って揖斐へ向かうかぁ」と往路の大まかなルートを確認してからあらためてスタート、風は進行方向の北西から吹いているが、微風なので走行の妨げになるほどでは無い。

 

本巣から先はしばらく樽見鉄道の線路に沿って進む。

山間ののどかな道で、辺りの風景に眼をやりながら走っていると、路傍の畑に群生するヤグルマギクが、紫・白・薄紅の花を咲かせて小生を愉しませてくれた。

今の季節はこうして様々な種類の花が咲いて、小生を”優しい気持ち”にさせてくれるのが好い。

ライドは”ただ走る”のも愉しいが、行く先々で出会う事物を独り勝手に”内証する”のも愉しい。

  途中で上り列車と擦れ違った     色鮮やかに咲く山畑のヤグルマギク 

谷汲の旧駅舎でトイレ休憩。

いつもならこの先の”道の駅 夢さんさん谷汲”まで走るのだが、尿意の我慢は腎臓に良くない(精神?上も宜しくない)ので急遽停車した次第。

用を済ませた後はプラットホームに保存展示された車両を眺めてしばらく過ごす。

2両とも小生が子供の頃から岐阜市内を走っていた通称”チンチン電車”で、どちらの車両にも多分1度は乗った(確率的に)ことがある筈。

「そう云えばクリームと緑のツートンカラーや緑一色の電車も有ったっけ」と走る電車の朧げな残像と共に往時の街並みも想い出して、遠いむかしの記憶を懐かしんだ。

チンチン電車に乗るといつも独特の匂い(床板の油臭)がしたなぁ

岩坂トンネルを貫けて山間のwinding roadを疾走?すると実に気分爽快だ。

その爽快感をもっと味わいたくて、いつもなら寄り道する横蔵寺への分岐をスルーしてそのまま西へと走るが、小心者の小生だからその行動に、チョッピリ罪悪感に似た思いが頭を過らないでもない。  

そんな後ろめたさを感じながら走っていると、後方から爆音が近付いてきて、その音源が一瞬のうちに小生を追い越した。

「おっと速い、あんたもwinding roadの走りを愉しみに来たのかい」とオートバイ乗りの背中に向かって言葉を投げたが、その独り言がライダーに届く筈も無く、数秒後にはそのオートバイは爆音の残響と共に、小生の視線の先から消えいった。

小生はオートバイ免許は持ってないが、若い頃に普通免許で乗れる50㏄バイクで3年ほど遊んだことがあり、その運転の愉しさは多少は解っている。

「自転車で愉しむも好し、オートバイで愉しむも好し、人の好みは千差万別だ」と誰に言うともなく呟いた。

岩坂トンネルを貫けると山間を縫うwinding roadがはじまる

横蔵寺への寄り道をスルーしたので、その代償?として乙原からは揖斐峡に沿って上流の外津汲橋まで往復4.5kmの遠回り。

ウグイスの囀りを聴きながら走る川沿いの小道は、先ほどまでのwinding roadとは違う趣があってこれもまた愉しい・・・。

揖斐峡沿いの林道を上流へとひと回り

ところが、乙原へと戻って揖斐峡右岸を下流に向かって走り始めると、それまでの気分を損なう看板が眼に入った”全面通行止”「えぇホント」とまじまじ看板を見詰めたが、それで表示内容が変る筈も無く、仕方無く引き返して揖斐峡左岸を走ることにしたが、そこにも予想外の看板があった”倒木のため通行止め”「ホントかよ」と思わず絶句。

他の選択肢としてはR-303の新北山トンネルを貫ける道があるが、ジメジメした自歩道を1.4㎞も走りたくは無いので、色々考えた末の結論は「取り敢えず倒木現場まで行ってみよう」となった・・・。

 右岸道の無情な看板にガックリ     追い討ちをかける様に左岸道では倒木が

倒木場所は看板から300mほど進んだところで、見た限りでは1本の木が道を塞いでいるだけ、自転車なら下を潜れそうと解って思わず笑みが洩れたが、この程度なら「もっと早く片付けてくれてもいいのに」と愚痴も漏れた。 

その先の道には小さな落石はある(いつものこと)が道を塞ぐ倒木は無く、この林道の末端にある隧道が見えたところで「やれやれ助かったぁ」と通り抜けられたことにひとまず安堵した。

それにしてもこの辺りは山が急峻なせいか、いつもどこかで通行止があるのには本当に困りもんだ。

好いライドルートなのに、それで足が遠のくのは何だか淋しい気がする・・・。

揖斐峡に落ち込む急峻な山肌を縫って林道が通る(西平ダム付近)

山から下って揖斐川町の街中まで来ると今日の行程の2/3は終わりで、あとは一目散に居宅に向かって走るだけ。 

帰り道に往路の”ワクワク感”は無いのでただ帰るだけのための走りだが、最近は何だかそれに倦んできたので、何か別の走る目的を見出そう思っているが、未だにそれが全く頭に浮かんでこない。

やっぱりそんなものは無いのかな?暗中模索は続く・・・。

  山を下って揖斐の街へと走る     オオキンケイギクが風に揺れる帰り道