先々週、走っている時に前触れもなくリアのギアチェンジが出来なくなってしまった De Rosaだが、ようやくその原因が分かった。
当初、シフト~ジャンクションAB~リアディレイラーの結線状況や各ユニット状態等を調べて ”水洗いによる漏電” が遠因で、リアディレイラーの電装部分が壊れた可能性が 高いと素人判断していたのだが、E-tube project(PCによるDi2調整設定ツール)に表示された接続図を見ていて”ある事”に気付いた。
接続図にはDe RosaのDi2各ユニット(左右シフト・ジャンクションAB・バッテリー・ フロントディレイラー )が表示されているが、リアディレイラーは表示されない。
それを ”壊れているから表示されないんだ” と勝手に思っていたが、E-tube projectではエラーチェックによる故障診断も出来るので、たとえディレイラーが壊れててもそれが電気的に繋がってれば接続図には表示される筈?と思い当たった。(この時はまだ半信半疑)
そこでフロントディレイラーのケーブルを使ってリアディレイラーとジャンクションBを繋ぐと、案の定リアディレイラーが接続図に表示された。
「やっぱりな、しかもどうやらリアディレイラー本体も壊れて無さそうだぞ」と接続図を観て判ったので、シフト操作してディレイラーを動かすと、きちんと思った通り正常動作する。
と云うことは、動作不良の原因はエレクトリックケーブルの断線で確定と云うこと。
「何とケーブルだったかぁ」とその予想外(当初はその可能性は少ないと考えてた)な結末に少し呆れつつもニンマリ。
シフトケーブル関係のトラブルはこれで3度目で、最初はCorratecのワイヤーがシフトの内部で切れ、2度目はDe Rosaの電気ケーブルが被覆傷?が元で漏電損傷した。
ロードバイクに乗り始めて13年近く経つが、この頻度は果たして多いのか少ないのか?どっちなんだろうねぇ。
不良のケーブルをチェーンステーから引き抜いて損傷の有無を目視で確認するが、特に外観上の異常は無いので、多分ケーブル被覆内で断線しているものと思われる。
一時はリアディレイラー(RD-R8050)交換で35,000円ほどの出費を覚悟したが、電気ケーブルだけなら3,000円ほどで済むので、バイク部品の購入代が小遣い原資の小生としては大いに助かる。
早速Amazonでケーブルを注文したが、この電線(と言っても他で代替できないけど)が3,000円もするなんて「Shimanoさんチョット暴利を貪ってない」と今度は少しだけ愚痴ってみた・・・。
さて今日はソコソコ天気も良いので、久々に養老山地の麓辺りを気儘に走ってみることにした。
バイクは2週間ぶりの実走復帰となるDe Rosa。
ケーブルの交換に併せてディレイラーハンガーの歪み修正や変速のアジャスト設定も やり直したので、その調整具合を走りながら確かめるのも隠れた?目的である。
養老へ向かうルートは幾つかあるが、今日は”長良大橋を渡って安八⇒輪之内と裏道を南西に突切り、福束大橋(揖斐川)を経て牧田川へと走る”ルートを脳裡に思い描く。
この走路ならあまり車に煩わせられず走れるので、バイクの調子を見るのに丁度良い。
数㎞を走ってリアディレイラーの変速具合を確かめたが、特に気になるところは無い様なので、それからは普段通りに軽快に走って牧田川まで来た。
ここからは川沿いを西へと走って養老山地の麓を目指すことになるが、視界が広がる道なのでクランクを廻す脚も軽快に動いて気分も軽やかだ。
進むに連れて山塊が徐々に大きくなるがまだまだ麓は遠い、ギアチェンジしてスピードを上げると、風を切る肌感覚が一段と爽快になった。
薩摩カイコウズ街道(r-56)との出会いで進路を変えて、養老山地の縁に沿って南へと向かう。
しばらくは裏道を、そして養老鉄道の養老駅を過ぎてからは、養老~南濃線を辿って 靜かな街道を庭田へと走る。
辺りに視線を投げながらペダルをゆっくり漕げば、ノンビリ感が身体をスッポリ包んで妙に和やかな気分になる。
道沿いには所々に栗畑があるので、開花した白い房から匂い立つ香気が小生の鼻腔へと届くが、この精液に似た匂いは虫を集めるための一種のフェロモンで、匂い成分的には人間の精液とは全く違うらしい・・・。
庭田は”二之瀬ヒルクライムコース”のスタート地点。
居宅を出た時にここに登ることは全く考えなかったが、脚が軽く回る感じなので途中で「二之瀬に登ろう」との考えが頭に浮かんで、それでここまでやってきた次第。
坂が苦手の小生だからいつもの様にノロノロ走っていると、後から来たヒルクライマーが横をスーッと追い抜いていき、その数10分ほどの間に5人。(単独の3人と2人組)
流石に人気のヒルクライムコースだと実感するが、小生に彼らを追う脚力は無いので、唯その後姿を視線で追うのみだ・・・。
コースの1/3を過ぎると斜度は徐々に上がって、ギア比を最小近くにしないと脚が辛くなる。
その斜度に応じてギアを上げ下げしながらペダルを漕いでいる時だ、突然ガシャガシャと嫌な音がして後輪がロックした。
転倒しそうになりながら辛くも足を着いて後輪を視ると、何とチェーンがホイール側に落ちて後輪を回らなくさせていた。
「後輪でチェーン落ちするなんて珍しいなぁ」と思いながらチェーンをスプロケットに掛け直して再スタート。
しかし、そこから500mほど走ったところで、またしても全く同じことが起きてバイクがストップ。
「これは何処かおかしいぞ」と再びチェーンをスプロケットに掛け直してから、シフトスイッチを操作してリアディレイラーの動きを確認すると、本来は最大ギア(28T)の真上で停まる筈のガイドプーリーが、ホイール側へと行き過ぎているのが判った。
どうやら先日おこなったリアディレイラーのアジャスト設定やり直しで、とんだヘマを仕出かしたらしい。
「これじゃチェーンが内側に落ちる筈だ」と原因は掴めたものの、さてこの事態を受けてこれからどうするか?が問題だ。
小生はディレイラー調整は、ワイヤー式にしても電動式にしても大の苦手なので、この場所でアジャスト設定をやり直しても、多分適正値に調整することは出来そうにない。
一方、二之瀬はこれからが登りの本番なので、最軽ギアへのディレイラー動作が不安定なままだと、安心してペダルを踏みこむことも出来ない。
「うーん・・・帰るか」無理をして先に進んでも後悔することが明白?なので、ここは未練なく撤退するのが順当との結論になった。
下り道、二之瀬を目指すヒルクライマー3人とすれ違ったので、下りる者の余裕で軽く手を挙げて挨拶。
多分彼らは、小生が峠まで行って下ってきたと思ってるだろうが、実際は途中から引き返してきただけなので、チョッピリだけど”後ろめたい”気分がないでもない。
二之瀬ヒルクライムの序盤で撤退して”走り足りない”感じなので、庭田から南濃方面へと遠回りして帰る途中のこと、何でもない緩斜路で3度目のチェーン落ちが起きた。
「おいおい、どうしてこんなところで!」とボヤキながら直していると、通りがかりのローディーが「手伝いましょうか?」と声を掛けてくれた。
「いや、大したこと無いんで」と助力を断りつつ「何処其処の帰り云々」と二言三言の言葉を交わしてから別れたが、小生がこのことで嬉しかったのは彼がわざわざ停まってまでして助力を申し出てくれたこと。
「小生に果たして同じことが出来るんだろうか?」と自問するが、何れにしても何とも心がほっこりする出来事だった・・・。