風を道連れに

☆あるボッチローディーの独り言☆

迫間不動でプチヒルしよっと

 

”世界一コンパクトな五輪” だったはずの2020東京大会は ”世界一お金をかけた五輪”に いつの間にか変貌して、日本国民の意思とは無関係に否応なく開催される。

その費用は総額3兆円というから、国民全員が等しく税負担すると1人当たり2.5万円を 国に納めなければならないほどの金額だ。

今やスポーツの国際大会は、関連メジャーの金儲けの手段に他ならなくなっており、 五輪もその例外では決してない。

東京発のコロナ変異ウイルスが世界へと伝播する恐れが大いに危惧される中、崇高なるスポーツ精神とはかけ離れた金権体質の汚濁にまみれたこの大会を、半ば強行的に開催する意義が本当にあるのだろうか?

 

さて「今日は終日曇天」という予報にもかかわらず今のところ青空が拡がる良い天気、こんな日に出掛けない手は無いので予定通り出発の準備をする。

行先は迫間不動(各務原パークウェイ)で、先日修理したVaracan specialの走行テストも兼ねて、プチヒルクライムをしようと昨晩から決めていた。

 

市街地を抜けて笠松木曽川を愛知県側へと渡り、木曽川サイクリングロードを東へと走る。

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川辺では消防レスキュー隊員が水難訓練中「ご苦労さんです!」

平日のサイクリングロードは閑散としていて、人によっては「何だか寂しげだなぁ」と思うかも知れないが、実は小生はそんなところがお気に入り。

走路を独り占め出来るから、暢気に走るのも気合を入れて走るのも自由自在で誰に憚ることも無いし、小生の悪い癖である考え事をしながらの走行もある程度許容される。

何かと気遣いが必要な休日のサイクリングロードは「チョット面倒くさいなぁ」と敬遠するのがボッチローディーのボッチたるゆえんだから、平日の閑散こそ望むところで あり、むしろ愉しんでいると云っても過言ではない・・・。

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サイクリングロードの走りは快適そのもの

木曽川の青白き奔流に時折視線を投げながら晴々とした気分で走っていると、前方から見覚えのある格好のローディーがやってきた。

フラットハンドルのロングツーリングバイクを、いつも力強く疾走させてる彼とは7年来の知り合い(と云っても一度も話したことは無く、単にすれ違いざま互いに会釈するのみの間柄)。

「おっ今日もトレーニングか」頑張れよ!の思いも込めていつもの様に頭を下げると、彼も軽く頭を下げて挨拶を返し通り過ぎていった。

小生の勝手な想像だが、彼はきっと世界一周ツーリングのためのトレーニングに励んでいるに違いない。

「ひょっとして既にユーラシア大陸は走り終え、次はアフリカ大陸かも知れないぞ?」

”野生動物の点在するサバンナで、雪を頂くキリマンジャロを背にバイクと共に写真に納まる笑顔の青年” そんな情景を脳裏に想い描いてチョットだけ羨ましく思ったのは、小生には実現出来そうに無いものへの渇望からだろうか。

 

江南緑地公園でサイクリングロードを離れて愛岐大橋を岐阜県側に渡れば、迫間不動尊のある迫間山まではあと10kmほどの距離。

登り口はA:苧ヶ瀬 B:鵜沼 C:迫間 と直角三角形状に離れて3箇所あるが、いつもはAからC又はCからAへと走ることが多いので、今日はBからCへと走ってみようと決め、鵜沼に向かって街中の抜け道を急ぐ。

 

鵜沼の住宅街を抜けて各務原パークウェイに入るといよいよプチヒルクライムの開始。

始めは傾斜が緩く34T×22T(ギア比1.545)でも登れるが、ギアがあるのに使わない手は無いとすぐに25T(ギア比1.360)にシフトダウンしケイデンスを上げて登る。

軽いギアを回しておいて「おっ、今日は調子が良いぞ」と錯覚するのもしばらくの間 だけ、日乃出不動付近からは斜度が上がって忽ち太腿が張ってきたので、渋々ながら28T(ギア比1.214)にシフトダウンすることを余儀なくされた。

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見た目緩そうだが平均斜度8%の坂が続く

此処から迫間不動への分岐点までは結構きつい斜度が続くので、なるべくなら軽いギアは温存しておきたいのだが、どうもそう都合よくはいかなそう。

「28Tのまゝ何処まで我慢できるかなぁ」視線の先に続く坂を眺めて少し不安になる。

と言うのも、小生は変形性足関節症を患っていて左足首関節にダメージがあり、足首に大きな負荷がかかるダンシングは極力避けたい事情があるからだ。

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迫間不動へとまだまだ登坂は続く

結局、各務原公園手前の急坂で28Tを諦めて、残った1枚(32T:ギア比1.063)にシフトダウン。

一瞬消えた負荷が少し軽くなって下半身に戻ってくるが、これならシッティングのままでも当分漕ぎ続けられる。

「やっぱり俺には32Tは必需品」Varacan specialをこのギア構成にしたのは正解だったと今更ながらに自画自賛して独り笑った。

 

分岐を右に折れて少し登り、あとは緩い下り坂を800mほど詰めると迫間不動尊門前の茶屋に到着。

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石畳の参道を奥に進むと岩窟の奥の院が・・・

本尊の不動明王を祀る奥の院は此処から10分ほど歩いた先にあるそうで、痛めた足で その距離はチョット辛いので小生はこれまで一度も其処まで行ったことは無い。

今日も門前から手を合わせるだけで済ませたが、いつか脚が直った暁には必ず参拝さ せて貰いますと心中でお詫びしておいた。

 

10分ほど休んで汗も退いたので「さぁ出発だ」と腰を上げる。

此処からは折り返しの後半、まずは峠越えして関市迫間へと下る山道だ。

辺りの景色に目を遣りながら道をユックリ登っていると、何故だか遥か昔の事が思い出されてきた。

”40年以上も前この辺りの東海自然歩道を数人で歩いたことがあったなぁ。確かユースホステルサークルの仲間同士。慣れない山道を30kmも歩き最後は皆疲労困憊してた。その後サークルは自然消滅し今ではメンバーの顏さえ思い出せない。正にセピア色した想い出だなぁ・・・。”

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   峠へと続く静かな山道        峠に穿たれたトンネルを抜けて・・・

峠のトンネルを抜けると道は下り坂になりこれまでより道幅も狭くなるため、スピードの出過ぎでハンドル操作を誤らない様、こまめにブレーキングしながら慎重に下る。

Varacan specialは専ら山方面で使うバイクとしてバラ完したので、急坂or長坂に備えてブレーキは油圧ディスクとしており、頻繁なブレーキングでの制動力減衰はキャリパータイプより少ないので安心だ。

 

迫間集落の細道を抜けてr-367に合流後、西に向かって走りながらこれからのルートを 考える。

このまま西に走って藍川橋から長良川沿いに岐阜市街へと走る or 岩坂トンネルを抜け苧ヶ瀬⇒前渡から木曽川沿いに岐阜市街へと走るの2つが頭に浮かんだが、全体の走り易さから長良川ルートを選択することにした。  

距離は30kmほどか?街中の走りが多くなるのでチョット嫌だが仕方ない。

「よーし走るぞぉ」と独り声掛けしてペダルを踏む脚に力を込めた。

脚は良く回っているので休憩なしで行けそうだ・・・。

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岐阜市街に着くころ天気は下り坂に・・・(長良河畔 )

今日のライドも無事おわり。

バイクの修理箇所は上手く治ってるみたいなので一安心したが、こんなささやかなことで平安を感じるのは歳の所為だろうか?・・・。