風を道連れに

☆あるボッチローディーの独り言☆

頭痛も解消

 

さて今日は起きてから気分が重い(実は昨日飲んだ酒のせいで少し頭が痛い)のだが、こんな時はバイクを駆って汗を流せば「多分回復が早いんじゃないか?」と、木曽三川公園辺りまで遠乗りすることにした。

天気は気分同様に曇りがちとは言え、まぁ雨が降るほどに悪くなることは無さそうだ。

木曽三川公園と長良川大橋

走り始めは身体全体が「少し重いなぁ」と感じたが、街中を抜けて長良川左岸の堤防道に出る頃にはその感覚も無くなった。

風は南寄りの微風があるが、向かい風と云っても走りを邪魔するほどでは無いので正直助かる。

昔から強い風(4~5m/s以上)は好きじゃなかった(多分誰でも)けど、一昨年ぐらいからそれより弱い風でも、抗って走ると息が上がり腿も張って辛くなった。

それは取りも直さず、歳をとると共に脚力だけじゃなく体力も衰えてきた証左なんだろうけど、そうして老いを身をもって実感するのはやっぱり寂しいもんだ・・・。

 

日置江で堤防道路から河川敷きの管理道路に下りて南へと走る。

これまでは放流川で3つに分断されていた河川管理道路だが、昨夏に橋が完成して1本に繋がったお陰で安全且つ快適に長い距離(20kmほど)を走れる様になった。

そのせいか?以前は多くの人が堤防道を専ら走っていたが、最近ではこの河川敷き道に走路を変える人が増えてきた様で、小生が心持ちのんびり走っていると、後ろから来たローディー2人に続けざまに抜かれた。

速いが30km/hrは出て無い感じで、追いすがれない速度ではなさそうと思ったものの、その思いとは裏腹に身体が全く反応しない。

「今日は無理する気分じゃないからな」と自分を言いくるめて、遠ざかる2人の後姿を漫然と見送った。

安全で走り易い河川管理道路に走路変更

桑原(羽島市)まで走ってきた所で堤防のり面を覆う深紅色が綺麗だったのでちょっと寄り道。

ベニバナツメクサの群生で、仲間のシロツメクサと同様に牧草として明治の初期に海外から持ち込まれたが、牧草としてはあまり使われずにその野生化したものが全国に散らばったという。

本来生命と云うのは人間の意志とは無関係に存在するものであり、それを生命全体からすれば塵埃ほどの存在に過ぎない人間が支配しようとするのは、あまりにも厚顔不遜の行為と言えるかも知れない・・・。

そんなことを考えながら、赤い波間に埋もれて束の間を過ごした。

ベニバナツメクサの紅色に野性味が溢れている

ひと月前サクラ見物で多くの人がそぞろ歩いた背割堤を独り黙々と走っていると、本来の静けさを取り戻した桜並木の何処かからウグイスの鋭いさえずりが発せられた。

チェーンの回る音に縄張りを冒す何者かが来たと警戒したのだろうか?

「いやぁゴメンゴメン」と小さく呟き、平穏を壊した闖入者の非を軽く詫びてその場を後にした。

人影の無い桜並木だが・・・

南側ゲートまであと3㎞ほどの所に来ると左手に木曽川の流れが見える。

丁度伊勢湾が干潮の時刻らしく、普段は水面下に隠れているケレップ水制の木杭と堰堤が露わになっていた。

此処から河口まではまだ15kmほどあるが、この地点で海の潮位変化が判ると云うことは、この辺りの土地が”如何にも平坦である”ことの紛れもない証拠。

いつも思うのだが、近海で地震があって津波が発生したらどうしよう?

取り敢えず多度の山に向かって走るしか手はないが、果たして逃げ切れるか?はっきり言ってその自信はあまり無い・・・。

水位の下がった木曽川の流れを見るのは久し振り

三川公園東海広場に着いて”なんじゃもんじゃ”の木の下で一休み。

この木は国内では岐阜・愛知にだけ自生する珍木らしいが、ここのは植樹したもの。

まぁ植樹だろうと木に変わりがあるじゃなし、大の字に寝転んで樹幹全体を白く彩る花をぼーっと眺めていたら何だか眠くなってきた。

眼を閉じて微睡んでいると、僅かに差す陽ざしが疲れた?身体を温かく包んで妙に心地良く、微かに鼻腔に届く草いきれの匂いにも優しさを感じてしまう。

雪を被った様にも見えるなんじゃもんじゃの木

いつもなら帰路は往路とは別のルート(西回りor東回り)を選ぶのだが、今日は端からその気は無く(何だか周回するのが面倒に思えたから)予定通り往路を戻ることに。

寄り道しなければ35kmほどの距離で、ゆっくりと走っても1.5時間とはかからないが、微風ながら背中を押す風に助けられバイク速度は往路の1割増しを維持して飛ばす。

この調子で「羽島辺りまで一気に行くか」と思ったが、背割堤を出る辺りでクランクを回す脚の疲労感が顕著になってきた。

「まだ10kmほどしか走ってないぞ」と少し速度を落として疲労感の消失を待ったが、情けないことにこれが今の脚力・持久力だと認めざるを得ないのかなぁ。

 

疲労感が消えても一度衰えた気力を元の戻すのは難しく、走りをゆっくりモードに切り替えて福寿(羽島市)まで帰ってきた。

ここから居宅まで30分とはかからないが、急ぐ必要も無いので最後の休憩をとることにして、走路脇の草原に足を投げ出す。

辺りに眼を投げたあと、ここから観る濃尾平野西縁の景色は「伸びやかで好いなぁ」と見入る小生の頬を、柔らかな微風がそっと撫でていった。

 羽島大橋を通過するのぞみ       拡がる景色を眺めて最後の休憩