里山が新緑に包まれる季節になってきた。
山歩きを楽しんでいた頃は、5月はそれまでの低山歩きから高山へと山行形態を替える時期であり、次なる高山への期待感に不思議と心躍ったものだ。
真近に迫った5月連休には、その木々の若々しい色彩に誘われて山路を辿る人達もさぞかし多いことだろう。
だが、既に山から遠ざかってしまった小生がそのワクワク感を味わうことは今は無く、それ故に鮮やかな新緑を目にすると少しだけ寂しい気持ちにもなる・・・。
さて、今日は久し振りに木曽川サイクリングロードを走ることにしたのだが、その理由は先日のプレライドでの走りにある。
2か月振りに外をバイクで走れると云うことで喜び勇んで出掛けたのは良いが、30分も走ると息は上がるし腕は怠くなる、更に太腿も張ってきて思う様にスピードが上げられない体たらく。
要は筋力も体力も予想以上に衰えており、従来の走りが出来ない身体になってるということだ。
「やっぱりな・・・」と己が不摂生の結果を認めざるを得なかった。
そんな次第で、此処しばらくはリハビリ目的のライドに徹しようと決めた訳だ。
De RosaのタイヤにAirを入れてから(最近はこれだけで息が上がるから世話は無い) いつものルーティンで空を見る。
「雲は多いが崩れる心配は無さそうだ」と確認した後「さぁてどう走るか」とルートを頭で思い描き、まずは濃尾大橋に向けて南下することに決めた。
居宅を出てしばらく走り広い場所に出ると、北西からの3m/sほどの追い風でバイクの スピードが楽に上がる。
その軽快な走りで気分が暫時高揚したが、直ぐに「この風少し嫌かも?」と思い直して今度はチョットだけ暗い気分になった。
今日はルートが東西に長く後半は向かい風を受けての走りとなる「まぁ仕方が無いか」と諦めた様に独り呟いた。
濃尾大橋で木曽川を愛知県側に渡り左岸堤防道路を今度は北上する。
左下の河川敷にはサイクリングロードが敷設されているが、此処も昨年から一部区間が工事中で走行できない。
見たところ大規模な工事でも無さそうだが、いつまでも終わらないのは「コロナ対応に予算が回された所為かも?」と思うのは下衆の勘ぐりか・・・。
尾濃大橋の手前でサイクリングロードに合流し、一部堤防道路区間を挟みながら木曽川橋まで一気に走って来ると、脚に疲労が溜まって休みたくなってきた。
まだ1時間も走ってないのに我ながら「不甲斐ない」の一語に尽きるが、これが現実と受け入れるしかない。
新木曽川大橋の上流側に設けられた休憩場所で休むことに決め、残り2.5kmほどを太腿の疲労を感じながら「この我慢が筋肉強化になるんだ」と嘯きつつ走った。
金華山に連なる山並みと木曽川の流れに疲れを癒しながら10分ほど休憩して再び出発。
此処から先しばらくは遠くが見渡せる堤防上を行くので、このサイクリングロードの中で小生が最も好きな区間だ。
広い視界の走路を上体を起こし風を受けて走ると、無心の筈の身体を何か充足感に似た感覚が満たす。
視線の先にあるのはいつもの見慣れた風景であることに相違は無いのだが・・・。
極楽寺公園横の坂を気持ちよく下り河田橋辺りの走路を快適気分で走っていると、背後から1台のバイクが小生に迫りそして追い越していった。
別に対抗心があった訳では無いが、スピードは速くないと思われたので少し離れてから追走しようとペダルを踏む脚に力を込める。
しかし、しばらくは等間隔を維持しながら走れたが、徐々に息が上がり付いて行くのが辛くなってきた。
サイコンのスピード表示は30km/hr前後で、少し(2か月ほど)前まで小生がこの辺りを走っていた時の速さとほとんど変わらない
このスピードが維持できないなんて「心肺機能も随分衰えたなぁ」と自虐気味に呟き、ケイデンスを少し下げて追走するのを止めざるを得なかった。
My paceに戻して走ること数km、普段は次第に治まる疲労感が意に反して徐々に蓄積 していき、25km/hr前後のスピードを維持することさえ難しくなってきた頃、ようやくすいとぴあ江南の展望タワーが真近に迫ってきた。
ここを走る時は大体この先の扶桑緑地公園まで行って折り返すのだが、今日はそこまでの往復3kmが辛い様に思われて走る気にならない。
「此処までにしよう」と迷うことなく決めて、展望タワーの先でバイクを反転させた。
休みたいが30分も走っていないのでまだ早過ぎる「138タワーまでは我慢しよう」と 自分に言い聞かせて走り続けるが、時折その思いを挫く様に向かい風が強く吹き付けてバイクを停めようとする。
誰かを恨みたいが恨む相手など何処にも居やぁしない「我慢比べだ」と独り愚痴るしか無かった。
疲労と向かい風に抗いながら遅々(20km/hr前後)としたスピードで我慢走行を続けること約20分、何とか138タワーの休憩場所に辿り着くことが出来た。
チョット長めの休憩(15分ほど)で大分疲労は取れたと思ったが「そうは問屋が卸さ ない」しばらく走るとまた脚と腕の疲労感が戻ってきた。
「この調子じゃ長い距離は走れないなぁ」帰路は羽島経由の遠回りを予定していたが、笠松からの短縮ルートに変更と決めた。
結局、木曽川橋の休憩スポットで3回目の休みを取ってショートカットで帰宅。
今日の反省になるが、走りを見る限りリハビリライドも良いけど、それよりローラー台でのトレーニングが必要みたい・・・。