風を道連れに

☆あるボッチローディーの独り言☆

努力の賜物

 

米国に住む長女からLINEが入るのは大体朝方。

時差が14時間あるので、こちらがAM9時だと向こうは前日のPM7時と云うことになる。

夕食はもう済ませたのか?居間にいる2人の孫は、こちらが呼びかけてもその場で手を振るだけで、銘々の遊びを中断して近寄って来る様子はない。

じじばばと話すことなんて無いのが道理で「まぁ元気な様子が判れば良いか」と諦めて今年生まれた3人目の孫を抱く長女としばらく雑談。

米国は今週から学校が夏休みで、Elementary SchoolとKindergartenに通う孫達が居宅にいる時間が増えることから、暫時専業主夫業の娘婿もさぞ大変だろうと、その労をねぎらうべく探したが「先ほどトレーニングに出掛けた」とのことで不在だった。

 

娘婿は身体を動かすことが好きで、5年ほど前から趣味?でトライアスロンを始めたのだが、渡米してからそれに随分と精を出した様で、この4月に地元(テキサス)で開かれたアイアンマンレースで好成績を上げるまでなった。

多分その成績が出場資格を満たしたのだろう?9月にニース(フランス)で開催されるアイアンマン世界選手権2023(決勝大会)に出られることになったので、今はその為のトレーニングに日々汗を流しているらしい。

 

”継続こそ力なり”で、不断の努力の積み重ねが実力UPへと繋がることは間違いないが、この大会はSwim3.8km/Bike180km/Run42kmの長丁場で、しかもBikeでは獲得標高1,200mのUp Downコースを走り切る疲れ知らずの脚力が求められる。(坂嫌いの小生には絶対無理だぁ)

マチュアには多分”完走するのも難しい”このアイアンマンレース、何とか踏ん張って笑顔でゴールする娘婿の雄姿?を観たいものだ・・・。

 

 

さて今日は台風一過後の梅雨の晴れ間だが、あまり遠くへ行く気がしないので、木曽川沿いを犬山辺りまで走って”お茶を濁す”ことにした。

このルートはサイクリングロードを走る割合が多く、あれこれと気を遣う事柄が少ないので”気分的に楽”というところが小生的には好い。

 

まずは、いつもの様に岐阜市街を南に走って羽島を目指す。

尾濃大橋か?濃尾大橋か?木曽川沿い遡上の始発点をどちらにするか迷いながら走っていたが、交差点で信号停止したのを契機に尾濃大橋に向かうことに決めた。

小生の走路選びはそんなもの、その時の気分で決めるのはボッチローディーの特権だ。

 

尾濃大橋を愛知県側に渡って堤防道路を木曽川橋へと走る。

車も通るし路面が少し荒れているので走り辛いが、尾濃大橋⇔木曽川橋の区間は1.5kmほどがまだサイクリングロード未整備なので、この堤防道を我慢して走るしかない。

2年くらい前からその未整備箇所のルート伐開が始まっており、小生はここを走る度にその工事進捗を横目で見て確認するが、作業は遅々として進んではおらずガッカリするばかり。

「早く開通させて俺を喜ばせてくれよ」と堤防下の伐開路に向かって独り呟いた。

木曽川左岸堤防道路を上流(北東方向)へと走る(一宮市玉ノ井付近)

木曽川橋の手前、サイクリングロードを走りながら何気に堤防下に視線を転じると異様なものが眼に入った「あれはブロンズ像?」しかもそこは藪林の中で、像が置かれるにしてはあまりにも場違いなところ。

興味が湧いたので近付いて見ると、それは女性を形象した像で台座に”鳥の歌”の記名もある。

なかなかの力作っぽく見えるがここに在ってはその価値も半減?「公園に置けば見栄えするのに」「この像の作者はプロ?アマ?」等と勝手なことを想って束の間を遊んだ。

なぜこんな所に置いたのか?実に不可解なブロンズ像だ

138タワーパーク⇒フラワーパーク江南⇒扶桑緑地公園⇒犬山緑地と木曽川左岸の公園伝いに続くサイクリングロードを辿って犬山城まで走ってきた。

行楽シーズンを迎えて城から南に伸びる本町通りは、食べ歩きする観光客らでかなりの賑わいを見せている。

ようやく以前の町の様子に戻りつつある感じで、アフターコロナの営みとしてはそれはそれで嬉しいのだが、所詮小生にはそういう人だかりは無縁なので、その賑わいを横目に城山を一気に下って犬山橋へと向かった。

木曽川左岸CRを犬山へと走る(すいとぴあ江南付近)
木曽川を臨む小高い山上に犬山城は建っている

橋を岐阜県側へと渡り、鵜沼の街を過ぎて通称”にんじん通り”を西へ走る。

道の左右には特産の”各務原にんじん”の畑が広がっており、収穫間近にまで成育した にんじんの畝が緑黄色の葉をそよ風に靡かせていた。

ここは各務原台地の東の縁で、元々この台地の土質は酸性の火山灰なので農耕には適さないらしいが、戦後の土地改良の御蔭で全国でも珍しい ”にんじんの二期作” が出来る までになったと聞く。

「先人の努力の賜物だなぁ」どことなく優しさを忍ばせた緑黄色の拡がりに、眼を遣りながらフッとそんな風に思った・・・。 

収穫を待つばかりとなった”各務原にんじん”の畑

各務原台地を南西方向に横切る様に走り、前渡からは木曽川右岸のサイクリングロードをアクアトトぎふに向けて走る。

この走路は視界の開けてない所を行くので人気?が無いらしく、これまでローディーと出会うことはあまり無かったが、今日は珍しく3人とすれ違った。

認知度が上がったせいか?それとも偶々か?何れにしても道は誰かが利用しないと寂れる一方なので、これはこれで小生には好ましいこと。

手を挙げて挨拶すると、同様にして返してくれたローディーが居たのも、最近無視して通り過ぎる御仁が増えつつある中では、少しだけ嬉しかった。

(前渡付近)     木曽川右岸CR   (各務原大橋付近)

アクアトトからは(その先のサイクリングロードが工事通行止めなので)川島経由で138タワーパークへと戻り、往路で走った左岸サイクリングロードに入る。

ここからは吹き曝しの路が続き、午後から少し強くなった南西風(向かい風)が抵抗となって走行を邪魔するので、先刻まで僅かしか感じなかった疲労感が、強く身体を包み込み始めた。

尾濃大橋へと遠回りして帰るつもりでいたが、この疲労感の急襲のせいで弱気になり、手前の木曽川橋を渡って帰ることに急遽予定変更。

「何か軟弱になったなぁ」と嘆き節が口から漏れるが、何と言っても寄る年波には勝てないと云うことだ・・・。

向かい風に抗って走るのは疲れる(一宮市北方付近)