10月に入ってようやく秋めいた気温になってきたので「外へも出掛け易くなるなぁ」とぬか喜びしていたが、今度は秋雨前線の列島付近での停滞が続いて連日空模様が思わしくない。
こればっかりは自然現象で「仕方ないなぁ」と諦めるしかないが、反面、近年の異常な気象状況は、全て地球温暖化がもたらしているものだと考えると、それほど”お気楽”な気分ではいられないとも思う。
温室効果ガスの世界全体での排出量は今も増え続けており、中・後進国における経済的成長と人口増加を背景にして、この傾向がまだまだ続くというのは決して否定できないほゞ確定した予測。
地球温暖化は気象だけでなく、生物と無生物の相互調整作用にも深刻な影響を与え始めているのも明らかだ。
無責任なことを勝手に言う様だが、これからを生きる人々に対して切実にこう訴えたい「人類に地球ガイアを壊す資格なんて無い」んだと。
不要になったクーラーを停めて窓を広く開けると、それまでは聴こえなかった様々な音が耳へと届くようになる。
学校帰りの小学生達の愉し気な嬌声や通り過ぎる宅配トラックのエンジン音、庭木の枝に留まる小鳥たちの囀りもどこか嬉しそう。
それにしても、急に降り出した雨の軒端や樹木を叩く音に、ちょっとした不安感が掻き立てられてしまうのは何故だろう。
そんなことを考えながら、風に揺れるレースカーテンを何気に眺めていた・・・。
さて今日は、そこそこの好天に恵まれたので「木曽三川公園まで走ってみるか」と自問して出掛ける準備を始めた。
例年この時期になるとウェアをどうするかで悩むが、今日は少し厚めの夏用ジャージと短パンで良さそうと即決、まぁ仮に選択を誤ったとしても「少し涼しかったなぁ」程度で済む筈だ。
長良川左岸堤防に出てしばらく堤防道を走った後、河川敷の河川管理道路に下りて桑原へと向かう。
此処から約20km・40分近くは車に煩わされることなくMy paceで走れるので、気分は既にRelax mode。
走行を妨げる向かい風はほゞ無いが、最近の小生の快適スピード(25~6km/hr)で走ると、それで生ずる涼風が体感温を下げて全身を心地好さで包んでくれる。
「やっぱりこの走路は好きだなぁ」ボソッと独り言を呟いてから、視線を管理道路の先へと走らせた。
堤防道路に走路を替えて向かった先は木曽長良背割堤。
此処も車の通行規制がされてるので ”自転車天国” の走路だが、今日は平日なので多分 ローディーもおらず(居ても1人か2人)”唯我独尊”の走りができる筈・・・そんなことを勝手に思いながら北側ゲートに着くと、何と其処は通行止めで閉鎖されていた。
「ありゃりゃなんてこと!」看板書きで期間は9/30~2/28までとあり、閉鎖されてからまだ1週間と経っていない。
警備に立っていたおじさんと「此処が走れないと困るんだよねぇ」などと言って雑談を交わした後、バイクに跨ったままで「この先をどう走るかな?」と思案すること数秒、馬飼大橋を渡って木曽川左岸を立田大橋まで行くことに決めバイクを反転した。
あの道は背割堤ほど快適走路ではないが「まぁこうなったからには所為が無い」と自分を慰めて走り出す。
東海大橋を過ぎて3kmほど走ったところで、またしても道路を塞ぐ工事に遭遇して迂回を余儀なくされ「今日は憑いてないやぁ」とボヤキながらも、脚は何故か軽快にペダルを漕いでいく。
立田大橋まではあと4kmほどか?この辺りはレンコンの産地なので堤防下にはハス畑が広がっており、収穫を前にして作業をする人の姿もチラホラ見える。
「レンコン掘りって大変なんだろうなぁ」農作業とは無縁の生活を送ってきたからその実態は知らないが、漠然とした作業風景を頭に思い描いて単純にそう思った・・・。
立田大橋で木曽・長良の2川を一気に渡って三川公園へと向かう。
正面に見える多度山や石津御嶽山が秋空の下で微かに青く霞んでいて、その景観が眼に映えて実に綺麗だ。
「鈴鹿山脈は見えないかな?」と遠くに眼をやって探した(山好きなもんで)が、生憎それは水蒸気の白い帳の奥に隠されて見えなかった、残念・・・。
そのまま長良川サービスセンターまで走って川辺の草地で一休み。
ヘルメットを外しシューズも脱いで大の字に寝転がれば、川面を渡る微風が軽く身体を撫でて過ぎていく。
堤防を行く車の走行音もいつしか意識外に遠ざかっていき、無音?のなかで瞼を閉じて微睡むこと5~6分?、やがて轟音を響かすオートバイが傍を通過するに及んでその安息の時は破られた。
帰路は長良川右岸側を行くことに決め、まず東海大橋までは河川敷に設けられた舗装路を走る。
この道は数年前まで葦草の生い茂る中を通る細道だったが、今は幅員3mはある立派?な道に変わっており小生としては大変助かっているのだが、こうなった訳は自転車通行の利便ではなく水上バイク(ジェットスキー)を牽引した車を水辺まで通すため?
今日も流れの緩やかな川面を飛ぶように疾走するバイクの駆動音が、静寂を切り裂いて辺りにこだましていた。
「楽しいのは解るけど無茶して事故らないでね」と誰に言うともなく独り言で忠告して其処を通り過ぎた。
東海大橋から大藪大橋までは、自転車が走り易い堤防に沿った道が無いので、少し離れた一般道に走路を替えるしかない。
小生は常々「河川敷に良い道を造って欲しいなぁ」と心密かに思っているのだが、実のところ、この細やかな?願望を国交省が聞き入れてくれる可能性は刹那ほども無いとは判っている。
まぁいつものことなのでもう走るルートは決まっていて”どうってことない”し、そこを走れば時々”発見!”みたいなことにも出くわすので、それはそれで愉しくもある。
「今日は何か良いことないかなぁ」と辺りに視線を巡らしながら、農地が拡がって視界の開けた道を、ユックリとペダルを漕いで進んだ。
大藪大橋で長良川左岸に戻ると、其処からはまた河川敷の管理道路を走る。
此処まで50㎞ほど走っただけなので脚の疲労感はさほどないが、先刻から首筋が痛くて頭を持ち上げているのが辛くて堪らない。
「肩が凝ってるのかなぁ?」「それともライディング姿勢が悪い?」まぁ何れにしても居宅まであと15㎞はあるので、このまゝ痛みに耐えて走り続けるのは難しそう。
東海道新幹線の高架下辺りで停まって身体を伸ばすことにしたが、それで痛みが消えればいいんだけど・・・。