風を道連れに

☆あるボッチローディーの独り言☆

何でヒルクライム?

若い頃から山好きだった小生はこれまでに多くの山に登ってきた。

北・中央・南の日本アルプスの山々には何度も登り、奥多摩・上信越の山々にも親し んだ。

無論、鈴鹿奥美濃の山にも登っている。

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南アルプス北岳

富士山は1度登ったが、山小屋の質の劣悪さと方々に汚物が散らばる山の汚さに閉口 して2度と登らないと決めた。(昔の話で今はそんなんじゃ無いかも知れないけど)

なぜ山に登るのかの問いに「そこに山があるから」と答えた偉人の言は別にして、小生の場合は「登行の苦しさに耐えた先に訪れる解放感と達成感」が多幸経験として記憶 され、それを再体験するために山に向かっていたと言える。

勿論、未知のものを知りたいという人間本来の欲求対象が山に向けられたからという 動機付けがその根底にあるのだが・・・。

ローディーの多くがヒルクライムに魅せられる理由も多分これと同じではないかと  思う。

激坂を登る苦しさは登山もヒルクライムも同じだし、それに耐えながら山頂or峠に  達して味わう解放感と達成感も同じだろう。 

ランナーズハイで知られるエンドルフィン(筋肉酷使などのストレスに晒された時に 分泌される脳内麻薬物質)による多幸感がこの傾向に更に拍車をかける。

ぶっちゃけ言えば、ヒルクライマーは麻薬中毒者と同じ様に「多幸感に浸りたいが  ため」に峠を目指してペダルを漕ぎ続けるのだ。

登山とヒルクライムは相通じるものがあり、程度の差はあるがほゞ同質の楽しさを与えてくれるはず。

それを分かっているから小生もヒルクライムが好きである・・・かといえば、事はそんなに単純じゃない。

ロードバイクを始めて9年になるが、近在のヒルクライマー達の聖地と称される二ノ瀬には3度行っただけだし、伊吹山や乗鞍は挑戦してみようと思ったこともない。

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二之瀬の登路

勿論、ライドの経路に峠越えがあれば否応なく登るが、ヒルクライムを目的に行先を 決めてロードバイクを走らせることはほとんど無い。

それはなぜか?この問いに対する答えはただ一言「楽しくないから」だ。

坂バカを自認する人達は激坂での苦しさそれ自体が楽しいと笑う(正に脳内麻薬物質 エンドルフィンの効果だ)が、小生はこの坂道早く終わってくれと願うばかり。

日本百名山を1日に2山(妙高・火打、皇海・至仏、日光白根・男体など)登ったこともあり、脚力には多少自信があったのだが・・・。

しかし実はこれは20年も前のこと、内心自慢の健脚も歳を経ると共に衰えて来たことは否めない。

また肥満度指標のBMI値がこの10年余りで24から26へと増えたこともある。

齢を重ねた上に軽度の肥満となれば坂道が快く迎えてくれるはずが無いのは道理で、 若いローディー達の多くが、坂道をノロノロと登る小生を尻目に「年寄りが邪魔して るなぁ」というように脇を颯爽と抜き去っていくのは日常の風景になっている。

この如何ともし難い現実の前になす術はないのか?と考えてみた。

まずは体重を減らす事だがこれがなかなか難しい。

年寄りの身体は粗食で現状維持、普通に食べれば体重増だから食事制限で痩せるのは容易ではないし、また若者がする様な激しい運動でエネルギー消費総量を増やす事も簡単には出来ないと思う。(とは言え、体重減は健康管理上必要性が極めて高いと自覚してはいる) 

ヒルクライマーがよくやるのはバイクの軽量化だ。

しかし、1kgそこらバイクを軽量化するのにウン十万円かけてその効果は?と考えると二の足を踏む。

クライムタイムを縮めたい御仁はトライして貰って構わないが、楽に坂道を登りたいだけの小生には多分適さない。

だったらリアスプロケを乙女ギアに替えるのはどうだろう?。

今乗ってるバイクのギアは34T×28T(ギア比1.21)が最も軽い組み合わせだが、フロントはそのままリアだけ32Tに替えればギア比1.06だ。

 

  11-28Tスプロケと11-32Tスプロケのギア比の比較(フロントは何れも34T)

11/28T 11 12 13 14 15 17 19 21 23 25 28
ギア比 3.09 2.83 2.62 2.43 2.27 2.00 1.79 1.62 1.48 1.36 1.21
11/32T 11 12 13 14 16 18 20 22 25 28 32
ギア比 3.09 2.83 2.62 2.43 2.13 1.89 1.7 1.55 1.36 1.21 1.06


これならギア1枚分軽く踏めるし、費用はスプロケット・リアディレイラー・チェーンの購入費で済ませられる。 

どうやら結論としては、体重減に努めることとバイクのギア替えが坂道を楽に登るための処方箋と言えそうだ。

まず手始めに体重を減らすことを意識して生活改善(晩酌のビールを少し控える等)をしてみようと思う。

果たしてこれらが実現した暁には、小生のロードバイク生活でヒルクライムを楽しむ日が来ているのだろうか?