風を道連れに

☆あるボッチローディーの独り言☆

谷汲へ

生まれて此の方、単身赴任での2年間の埼玉県在住を除いてずーっと岐阜県で暮らしている。

埼玉以外他都道府県に住んだことのない身で言うのもおこがましいが、岐阜は本当に 良いところだとつくづく思う。

今はその感が少し薄れたが、小生が若かりし頃までは「山紫水明」が岐阜の代名詞で あり、岐阜市を流れる清流長良川金華山は市民の誇りでもあった・・・。

 

濃尾平野の北端に位置する岐阜市から北へ向かえば道は山地へと続き、南へ向かえば 広大な平地を縦断して伊勢湾へと到る。

東には遠く中濃の丘陵地が広がり、西は更に遠く養老・伊吹の山地が連なる。

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金華山からの眺望(南:名古屋方面)

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金華山からの眺望(西:伊吹山地方面)

このロケーションがローディに格好のライディングコースを提供する事になる。

ヒルクライム、ロングライド、レースとロードバイクの楽しみ方は人それぞれだが、 小生の場合は大体70~80㎞の距離を走るセミロングライド。

このセミロングのライディングコースを20余り考案し、日替わりメニューの様に毎回 変えながら走っているのだが、やはり好きなコースは自ずと選択する頻度が多くなる もの。

今日走るコースもその一つだ。

 

居宅を出てまずは大野町の石灰採掘場の山を目指して北上する事になるが、道は国道 や県道などの主要道は走らない。

小生にはライディングコースを練る時の鉄則があり、

①交通量の多い主要道は極力走らない。(車との接触事故にあう危険性を回避したい)

②信号の多い道は走らない。(信号の切替時間は自動車優先で自転車に合わない)

③舗装の悪いつぎはぎ道は走らない。(不快な振動を回避し快適に走行したい)

の3点を満たす道を走るようにしているからだ。

厳しい条件の様だが実際はそれほどでもない。

岐阜は道路整備がけっこう行き届いており、条件を満たす道は比較的容易に探すことが出来る。

 

川沿いの小道や間道を通って本巣市真桑付近に至り、後はセメント工場まで続く約8㎞の1本道を北上する。

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セメント工場への1本道

視界の開けた気持ちの良い道だ。

途中幾つか信号交差点があるが、なるべく赤信号につかまらない様にスピード調整して通過する。

今日は西からの微風があるが、風を切って進む感覚は誠に心地よい。

しばらく走ると根尾川を挟んで対岸の石灰採掘場の山が真近に迫ってきた。

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石灰採掘場の山とセメント工場

50年程も昔、高校生だった小生はこの地に住む友人を訪ね来たことがある。

岐阜の街から通学用の自転車を駆って来訪したのであるが、どの道をどう走ったのか 今では定かではない。

多分、石灰採掘場の山を目掛けて闇雲に走って来たのだろう、随分遠い所へ来たとの 記憶だけが鮮明に残っている。

今ではその友人の顔も訪ねた家もセピア色の写真のごとく淡く霞んで忘却の彼方だ。

 

根尾川に架かる万代橋を対岸に渡り道沿いに進んで長瀬の交差点を左に折れる。

このまま直進すれば谷汲、約40mほど走って右に折れれば根尾樽見に至る閑かな林間の旧道を走るお気に入りのコース。

少し迷ったが今日は真っ直ぐ進んで谷汲に向かう事にした。

谷汲に向かう道すがら何人かのローディーとすれ違った。

この道は休日には多くのローディーが走るが、平日はあまり見かけ無いのだが・・・。

 

谷汲山華厳寺への参道分岐を過ぎると、道の斜度は高低を繰り返しながら岩坂トンネルに向けて少しづつ上がっていく。

そのトンネルの手前、坂の途中にある道の駅「夢さんさん谷汲」がこのコースを走る時の決まった休憩場所だ。

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道の駅「夢さんさん谷汲」のベンチでしばらく休憩

居宅からの走行距離29㎞、実走タイム1時間11分。(1年近くに及ぶ闘病生活?による 筋力の衰えをリカバリー出来てない現状を考えるとまぁまぁか)

清掃の行き届いた綺麗なトイレで用を済ませた後、暫くベンチに座って休憩。

山肌の緑と雲を浮かべた青空のコントラストが目に心地良く、僅かに汗ばんだ身体を そよ風が撫でていく感覚が嬉しい。

 

岩坂の登路を少しあえぎながら上り、その疲れを癒す様にゆっくり走ってトンネルを 抜けると後は横倉寺への分岐まではほゞ下り一辺倒だ。

小刻みにブレーキングしてスピードを抑えてもすぐに時速は45km/hを超える。

こんな時に万一パンクでもしたらバイクは制御不能になって転倒し大怪我をするのは 自明だ。

下りは快適だがその実危険と隣り合わせ、長い坂道を下る時はいつも緊張し、無事に 下り終えるとホッとする。

 

横倉寺への分岐となる神原の三叉路を左にとり、少し坂を上ってから山間の道を揖斐峡に向けて走る。

この道もスピードの出る下り道なので、快適さを体感しつつも小刻みなブレーキング 操作で安全を確保して走る。

乙原のトンネルが見えてきた。

後から車が来ないことを祈りながらケイデンスを上げ、トンネルを素早く抜けてR303との信号交差点で止まる。

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乙原の信号交差点

ここではたいがい赤信号で止まるが、この信号待ちの束の間が思案タイムだ。

右に折れるか真っ直ぐか?

右に折れれば久瀬までの林道往復10㎞の延長コースで、走り足りないなと感じた時は たまに選択するが、今日は気弱に真っ直ぐと決めた。

 

揖斐峡に架かる橋で対岸に渡り左に折れて川沿いの道を気持ちよく下る。

この道は平日は滅多に人に会うことは無いが、揖斐川ラソンのコースになってるので休日にはジョギングしている人とよく逢う。

好きでやってる事とは言えこんな山道を走るなんてご苦労なことだと思う。(お互い様という声が聞こえてきそう)

揖斐川右岸沿いを前島橋まで一気に走ってきたので、ここらでロードバイクを堤防法面に預けてしばしの休憩。

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右手の山裏を廻ってここまで来た

時刻を見ると11時をチョット過ぎたところ。

ここからは、橋を渡って揖斐川左岸堤防道路をヒタ走り、大野町で根尾川を渡って  美江寺経由で居宅に戻るルートを取れば12時前後にはなんとか帰り着けそうだ。

今日も楽しいライディングだった。