風を道連れに

☆あるボッチローディーの独り言☆

ハナモモは咲いてる?

 

♪春は名のみの風の寒さよ~♪(もうそんな時期じゃないか・・・)

今日は北西からのチョット強めの風が吹いており、ここ数日来の暖かさに慣れた体には少しばかり肌寒い気もするが、それを口実に出渋っていては何もできないので勇気?をふり絞ってライドに出掛けることにした。

そう決めたものの特に行きたい場所がある訳でもないので「さて何処へ行こうか?」と思案顔でいると、妻が「本巣のハナモモもう咲いてるかなぁ」と聞きてきた。

「さぁどうかなぁまだじゃない」と曖昧に答えながら心の中では「そうだ!ハナモモの開花具合を見がてら根尾へでも行くか」とちゃっかり決めていた。

根尾への走路は大きく2ルート、北方経由で山間の道を行くかor瑞穂経由で川沿いの道を行くかだが、最近は北方経由のルートを走ることが多いので今日は瑞穂経由のルートを走ることにした。

 

岐阜から瑞穂までは街の家並を縫う様に走って来たのであまり風の強さを感じ無かったが、真正から畑地が左右に拡がる見通しの良い道を走る様になると、北西風がまともに吹き付けてきて走行の邪魔をする。

スピードが思った様に上がらないばかりか徐々に脚に疲労が溜まってきて辛いが、ここは我慢して走るしかない。

こんな時は辺りの景色に目をやって気分転換を図るのが一番で、左手揖斐の青い山並みの奥に顔を出す雪を被った山(小津権現山と花房山か?)を望見しながら、遠い昔の山歩きを追想していると、次第に疲労感は意識の外へと遠のいていった。

 

本巣を過ぎて住友セメントの工場近くまで来た路傍で、満開のサクラが眼に入ったので寄ってみることにした。

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サクラの色は人を惹き寄せ魅了する・・・

この時期染井吉野はまだ蕾を閉じているのでこの樹は多分河津桜

今年初めて見るサクラは、濃いピンクの花をいっぱい咲かせて一見華やかだが、どこか悲しげな風情を漂わせながら風に微かに揺れていた。

この寂しさは何処からくるのだろう?1本咲の古木の故か?はたまた花を愛でる人影のない侘しさ故か?

まぁサクラには寂しいと思う感情は無いだろうから、孤高に咲く姿を”悲しげ”と感じるのは小生の感傷に過ぎないのだけれど・・・。

 

根尾川に架かる万代橋を渡りr-255(根尾谷汲線)を根尾に向かって北上する。

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万代橋を渡ると谷汲

ここからはズ~と山間の川沿い道を走るので、先刻から下り気味の気温(体感で2~3℃下がった感じ)が少しばかり気懸り。
曇天で陽射しの恩恵は望めないから「寒くなったら内部発熱で補うしかないか」と半ばあきらめ気味に呟いてケイデンスを上げた。

地形の関係か風がほとんど無くなったのは幸い、これで脚の疲労感は半減する。

 

樽見線の線路を右手に見て坂道を上がると高科駅はすぐ其処なので寄り道をしていく ことにした。

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素朴で味わい深い趣のある高科駅舎

バイクを小さな無人駅舎に立てかけ、舎内のベンチに腰掛けて辺りを見廻していると、あたかも自分が汽車を待つ乗客になった様な錯覚に陥るが、果たしてこの駅の利用者はどんな人達なんだろう?学生それともおばあさん?

咎める人も居ないので色んな妄想を勝手気儘に巡らしていると、遠くから汽車の近付く音が聞こえてきた。

「チョット長居し過ぎた様だ」汽車を見送ったら小生も出発しなくっちゃ・・・。

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樽見行の汽車(ディーゼルカー)には数人の乗客が・・・

高科から高尾までは林間の道。

小生は平日のライドが主体なので、これまでこの区間で人に出くわすのは稀だったが、何と途中で間をおいて2人のローディー(しかも1人は若い?女性)と擦れ違う。

野生動物(サルやキツネ、イノシシ?)と出会っても不思議じゃぁない昼なお薄暗い道だから、前方に人の姿を認めた時はチョットびっくり。

手を挙げて挨拶はしたものの、通り過ぎてからつい後ろを振り返ってしまったのは異界の者に逢った様な気がしたから?(そんなアホな・・・)

それにしても若い女性がこんな人気のない道を1人で走るとは、時代は変わったもんだとつくづく思う。(この女性を侮辱する気はサラサラ御座いませんので誤解なさらぬ様お願いします )

 

高尾まで走ってきたところで時計見ると11時半少し過ぎで帰途につく時刻、もう少し先まで行きたかったがTime Outじゃぁ仕方ない。

「よ~し最後にハナモモの咲き具合を見てから帰るか」と独り言を呟いてバイクを反転させて根尾川ガーデンへと向かった。

 

根尾川ガーデンはR-157(淡墨街道)の佐原トンネルを抜けた先。

老人保健施設の向こうに赤い塊が見える筈と視線を右手に注ぐが、小生の期待に反して赤い色は何処にも無く、まだ蕾状態のハナモモの木が林立しているだけだった。

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こんな感じでハナモモが咲いてる筈だったが・・・(image)

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実際はこんな状態だった

「うーんこれはまだ2~3週間は早いなぁ」と少しガッカリしたが状況が分かっただけでも収穫。

これ以上の長居は無用と判断し「よーし帰るとするか、Non Stopで行くぞ」と気合を 入れ、ペダルにビンディングをカチッと挿入して根尾川ガーデンを後にした。