花粉症に加えて左足首の変形性関節症と同足裏のケガで、あまり動かない生活を2か月ほど続けたため、腹周りが見た目にも無様な様態になってきた。
サイクリングジャージは身体の線がモロに出るので、この狸腹は何とも隠し様がない。
「しばらくは人目に触れない田舎道ばかりを走るかなぁ」などと、ガラにも無く体裁を気にして独り悩む今日この頃である・・・。
さて、雨後のスッキリしない天候も回復して4月下旬の清々しい青空が広がったので、長い禁足令を自ら解いて久々のライドに出掛けることにした。
今日はプレライドだから「行先は定めず気の向くままに50kmばかりを走ってみよう」と身支度を整えながら決めたが、はてさてどんなライドになるのやら。
Lapierreに跨りユックリとペダルを漕ぎ出すが、久し振りの感触に左足のビンディングが上手く入らない。
昨夏に、歩く時の足首の痛みに耐えかねてシューズ(とペダル)をSPD-SLからSPDに 替えたが、半年以上経つのにいまだ一発でカチッと固定できないことが頻り。
市街地の走行ではビンディング脱着が結構頻発するので、上手く出来ないとそれだけでストレスが溜まる「早くコツを掴まなくっちゃ」と思うのだが・・・。
居宅から西方向に向かって走り、長良川に突き当たると今度は河川敷内の道を川上に 向かう。
「このまま金華山の麓まで行き鵜飼い大橋を渡って山沿いを北上するか」と走りながら当面の走行ルートを決め、少しだけ前傾姿勢を強めてケイデンスを上げると、頬を撫でていく風が小生の気分をチョットだけウキウキさせた。
しかしそんな高揚した気分も束の間、河渡橋の手前で視線が前方にある工事中の看板を認め、更に通行止めのフェンスが道を遮断しているのを捉えると、思わず「マジかよ」の言葉が口を突いて出る。
昨年秋口に始まった工事はこの3月末には完工だった筈、てっきりその心算でここまで走ってきたが、何とまだ工事が続いていたとは・・・。
「どうしよう?」しばし考えて出した結論は「北がダメなら南だ」とばかりに180度の方向転換、長良川沿いを川下に向かって走ることにした。
穂積大橋で長良川を対岸に渡り、天王川沿いに伸びる間道を墨俣へと走る。
それにしても二の腕が変に怠いのは、前傾を支える背中から腹にかけての筋肉が衰えて上腕で身体を支えようとしているからだろう。
ローラー台にも乗らず怠惰に過ごした2ヶ月余りが今更ながら悔やまれる。
怠さに耐えきれず上ハンに手を移すと随分楽になったが、もう少し走れば墨俣城だ。
まだ走り始めてから30分ほどしか経ってないが、着いたらチョットだけ休もうと気弱に決めた。
木洩れ陽が走路を照らすサクラ並木の道を南へと辿る。
3週間前ならチラチラ舞う桜を愛でながら走れたが、葉桜となった今は散歩する人影もない静かな道だ。
さて、これからどうしよう?「真っ直ぐ進むか右に折れるか」あれこれと思いを巡らす内に不意に「牡丹」というKeywordが浮かんだ。
(先日「牡丹の花が見頃を迎えている」とTVのニュース番組が伝えていたから?)
「そう云えばこの近くに牡丹園が在ったよなぁ」まだ行ったことは無いが、地図で見た朧げな記憶では名神高速安八ICの近くだった様な・・・。
「よぉーし、牡丹園に行くぞ」と決め、走行ルートを頭の中で思い描く。
東海道新幹線の高架をくぐりしばらく南進してから西に進路を変更。
少し走ると、何やら工業団地の様な区画に入り込んだが、左に折れ右に折れして構わず進むのが小生の流儀で、大体これで目的の場所まで行けるから不思議だ。
多分、山で鍛えた方向感覚と地形を見る目が役に立っているのだろうと思う。
それから数分後、前方に灌木が生い茂った所を発見、あれが目的の牡丹園に違いないと確信しペダルを踏む脚に力を込める。
しかし、着いた所で施設の看板を見てびっくり「百梅園」とある。
「あちゃ~牡丹じゃ無く梅だったぁ」ついにボケが始まったか?何故か梅園を牡丹園と思い違いする大失態である。
そう云えば此処を地図で調べたのは1昨年の冬、そこに思い至ればこの恥ずかしい間違いは無かったかも知れない・・・。
川べりに設けられたベンチに腰かけて小休止をとってから平田リバーサイドプラザに 向けて出発する。
少し風が出てきたが、北北西から吹くので進行方向に対しては無風に近い楽な風だ。
車通りの少なそうな道を選び、右へ左へと適当に折れ曲がりながら20分くらい走って クレール平田(道の駅)に到着すると、まずはトイレで小用を済ませる。
堤防下のリバーサイドプラザは3月~11月にかけて月次開催されるクリテリウムの会場で、カテゴリー別の各クラスではアマチュアといえども相当ハイレベルなレースが展開されるらしい。
しかし、そんなものに出ようと露ほども思わない小生は、時々誰もいないコースを独り走って悦に入ってるだけだ。
今日もコースを2周した後、疲れを癒すようにタンポポの群れる草ッ原に寝そべって、唯何となく空を見て過ごした。
「さぁぼちぼち帰るとするか」と草ッ原から上体を起こしながら独り呟く。
帰路は羽島を通り、見頃を迎えたと聞いた「竹鼻別院のフジ」見ていくことにした。
一つくらい旬のものを見なくちゃね・・・。