風を道連れに

☆あるボッチローディーの独り言☆

夏は緑陰の道が好い

 

連日35℃を超える猛暑日が続くと「少しでも涼しい処が好いなぁ」と思うのは弱さでも何でもない。

そんな訳で、今日も山手方面へ行こうとあれこれ候補を考えて、最終的に「根尾方面にするか」と決めた。

予報では午後から雷雲の発生を告げているが、PM1時頃までに帰ってくれば雨に降り込まれることはまず無いだろうと高を括る。

しかし、その為には休憩はあまり取らず走り続ける必要があり「暑さ次第だな」とこのところとみに弱くなった持久力を思いながらチョッピリ不安になる。

 

根尾や谷汲方面へ走る時は墨俣で長良川を渡って、そこからほゞ真っ直ぐ北上する道を行くことが多いが、最近は車通りが多くなって走り辛くなってきたのと、ちょっとマンネリ感も漂ってきたので、今日は別の道を行くことにした。

と言っても既に走るルートが決まっている訳では無く、目標の方角に向けて行き当たりばったりにこれだと思う道を進むだけ。

この直観に従った道選び、これまでほとんど外れたことが無く「俺の第六感はまんざらでもないなぁ」と自己満足気味に思ってたりするが、本当のところは”地方都市の近郊にはまだまだロードバイクで走り易い道が多く残っている”という事なのだろう。

今日も河渡で長良川を渡るルートで小生好みの走り易い道を見つけたので、今後何回か走って気に入らないところ(3ヵ所ほど)を修正すれば、好い走行ルートになると確信した。

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根尾へと向かう道(本巣市曽井付近)

 本巣の先で根尾川に突き当たると、此処からはその流れに沿う様にして上流を目指す。

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目指す根尾は山並みの向こう側でまだまだ遠い

道は左岸側(R-157)と右岸側(r-255)にあり、何人かでトレインを組んで走るなら R-157、移ろう景色を楽しみながらマイペースで走りたいなら旧道のr-255をいくのが お勧めというところか?

小生の場合は、車と並走するのはなるべく避けたい性格だし、周りを見ながらあれこれ物思いに耽って走るのが好きだから、専ら緑陰に包まれた静かなr-255を走ることにしており、今日も躊躇無くそちらへとハンドルを切った。

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渓谷美も観られる緑陰の道

この道沿いにはローカル鉄道の樽見線が付かず離れずで通っているので、珠に遠くから「ガタンゴトン・ガタンゴトン・・・」と線路を走るディーゼル車が奏でる走行音が 聞こえてくる。

鍋原から日当へと向かう道すがら、今日もその郷愁を誘う音が聞こえてきた。

線路からは離れているので車輛は全く見えず、上りか下りかさえ判らないが、その音にじっと聞き耳を立てると、何となく時間の流れが緩くなって、長閑な雰囲気が醸す安穏が吾が身を包んだ。

こういう趣あるところもこの道を走る時の愉しみの一つだ。

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 鍋原駅                峡谷を渡る鉄路

車が通らなくなって林道化した閑静な道は、謂わば自分だけに用意されたプライベートロード?みたいなもので、これまでこの付近で人に会ったことは稀だ。

たまにサルやキツネを見かけることがあり「もしこれが熊だったら嫌だなぁ」と不安に駆られて、ついペダルを漕ぐ脚に力を込めたりもする。

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閑かな道を独り行くのも気持ちが良い・・・

あれこれ思索に耽りながら緑陰の道を独り走っていると、前方の明るく開けたところで何やら動くものを発見。

目を凝らして確認すると、どうやら一人のローディーが路傍の丸太に腰掛けて休憩中と判り、思わず「これは珍しいなぁ」と独りぼそっと呟いた。

近付いて「こんにちはー」と言葉を投げながらそれとなく観察?すると、件の彼はおにぎりを頬張って腹ごしらえの様子。

なるほど「チョット早いけど昼食という訳ね」と一人合点してそのまま通り過ぎた。

小生は5年ほど前から朝晩だけの1日2食にしているから、ライド中に何か食べ物を口にすることはほゞ皆無。

エネルギーを消耗する筈の自転車に乗っていてハンガーノック状態にならないという ことは「俺の走りはチョロチョロ走りということか」と少しガッカリするも「まぁ歳 を考えれば仕方ないか」と妙に納得したりもする・・・。

 

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中州に架かる朽ちた吊り橋も見慣れた風景の一つ

根尾樽見まで走ってきたがさてこれからどうするか?

時刻は11時半を過ぎており、もう少し先まで行けるとしても馬坂峠への分岐(3km)が限度、とても能郷(8km)まで足を延ばす時間は無い。

「うーん、無理せずここらで引き返すことにするか」

強い日差しと発汗で身体は少し脱水気味、いつになく軽く疲労を覚える体調も加味して帰投を決めた。

その前にまずは水分補給だが、この付近にはコンビニは無いので自販機を探して何とかボトル飲料をゲット。

カラカラに乾いた喉に沁みわたる水分は久々に美味だった。

 

帰り際、根尾川に架かる開運橋から上流側を望むと、視線の彼方に奥美濃の盟主:能郷白山(1617m)の山頂部が見えた。

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能郷白山は色んな思い出が詰まった”郷愁の山”

この山は若い頃から何度も登ってきた故に、奥美濃の山の中では最も愛着をもつ山なのだが、左足首を病んで山から遠ざかってしまった今では、再び登ることは叶わず唯遠望するだけの存在である。

「何だか悲しいなぁ」昔のことを思い出して寂しい気分になるのは年寄りの専売特許。

しばらく山を見ながら追憶の感傷に耽ったあと、フッと気付いて長居は無用とその場を後にした。

 

空を見上げて雷雲を探すが、どうもその気配は今のところ無さそう。

この暑さ一雨欲しいところだが、降れば降ったでそれはまた大変だから、やっぱり雨は降らないでくれと自分本位に思う。

いつもなら帰りは居宅まで直行だが、今日は身体が重い感じなので適当に休憩を入れて帰ることにした。

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頬を撫でる風が心地よい根尾川のほとりで休憩・・・