風を道連れに

☆あるボッチローディーの独り言☆

5月の陽射しを浴びながら

 

今日は風の穏やかなライド日和。

こんな日に出掛けない手は無いと準備を進めながら「さて何処へ行こうか?」と行先を思案するがこれという案が浮かばない。 

北へは先日向かい南はその前だから順繰りでいけば西か東のどちらか。

結局「このところ関ヶ原の方へ走ってないなぁ」と自問して西に向かうことに決めた。

 

長良川揖斐川と2つの河を渡ってまず向かうのは養老。

関ヶ原は小生の居宅から真西の方角だが、直進すると大垣の街中を走らねばならずその市街地を抜ける煩雑さが嫌なので、北(神戸)か南(養老)へ大きく迂回するのが通常の走行ルート、今回は南に進路をとったという次第だ。

 

田園風景の拡がる郊外の道は、前だけを見て一目散に駆け抜けるのではなく周囲に視線を投げながら走るのが愉しい。

このところよく目にするのはレンゲ草を植えた田圃で、ピンク色の花々で彩られた一面の絨毯を見ていると花言葉のごとく”心が和らぐ”感じがする。

レンゲの名は花姿が蓮の花を思わせることから命名されたらしい

小生が子供の頃にはレンゲ草を植えた田圃がいたる所にあったのだが、化学肥料の普及と共に激減して全く見られなくなり、それが最近また復活し始めている。

この動きには有機農法を支持する消費者動向もあるが、国が進めるの農業支援策も一役買っている様で、何はともあれ”環境汚染”を防ぐ多様な手立てが官民で講じられるのは良いことだ。

 

養老からは山ぎわの細道を南宮山へと向かう。

集落に沿ってはいるが車も来ない道なので路肩を走る必要も無し「こういう道が続けば楽なのになぁ」と勝手なことを思いながらのんびり走っていると、何か後輪が重い感じがして下を覗き込む「ん、Airが抜けてるかぁ?」

即座に停まって後輪タイヤを指で押してみるが硬い感触なのでホッと一息、数秒前にはチューブ交換を覚悟したが「やれやれ気のせいだった」と異常なしの後輪を見ながら胸を撫でおろした。

牧田から望む伊吹山(岐阜から見る姿とは大きく異なる)

牧田(上石津町)まで来ると伊吹山も真近、数週間前までは多く残っていた雪も頂上部に僅かに残るのみで春が駆け足で高度を上げていった様子が伺える。

小生が山登りに勤しんでいた頃、この時期になると残雪を踏みしめて登る春山の愉しさを想って「今度はどの山へ行こうか?」と頭を悩ましたものだが、それも今では遠い昔の追憶でしかなくなったことが悲しい・・・。

 

関ヶ原に入る手前でr-229(牧田関ヶ原線)へ左折して山越え道を今須へと向かう。

牧田関ヶ原線は明るい峠越え道

須川沿いのWinding roadを走っていると”測量中”の看板を立て路肩に停まっている車があり、その先でドローンを前に何やら調整中の作業員が眼に入った。

少し前までは航空写真や現地測量のデーターを基に地形図を作成していたが、最近ではドローンで撮影した写真やレーザー測量(3次元測量)のデーターで地形図を作成することが増えたらしい。

確かにこの方が効率的だし経費もかからないので云う事なし「技術進歩は素晴らしい」と独り納得した。

 

中山道今須宿は美濃(岐阜)と近江(滋賀)の国境の宿場町。

街道を国境の道標まで行ったが、この先柏原⇒醒ヶ井と辿って琵琶湖(約17km)までいくとしたら往復1.5時間はかかるので足を伸ばすのはちょっと無理、切りの良い此処で引き返すことにしてバイクを反転させた。

美濃(岐阜)と近江(滋賀)の国境は中央の溝

r-229に戻って山間の緩い坂道を北に向かって走っていると、車がほとんど往来しない 静かな道なので耳に届くのはチェーンの奏でる音だけ、こういう道を息せき切って走る必要は全然ないので「ゆっくりいこうかな」とギアを1段落とす。

5月の爽やかな陽光が木洩れ日となって注ぐ林間の道は快適で、視覚を通じて脳の情緒系に作用するので気分が落ち着くと共に身体も癒される気がする・・・。

伊吹山ドライブウェーヒルクライムは距離15km標高差1000mのタイムを競う

あれこれもの思いに耽りながら安穏気分で走って伊吹山ドライブウェー入口の近くで R-365に合流すると此処からしばらくは大型車が多い(関ヶ原は交通の要衝で幹線道は輸送トラック等の大型車が頻繁に走る)危険な道の走行。

大半のドライバーは路肩にローディーを認めると少し離れて追い越してくれるのだが、知ってか知らずか触れんばかりの直近を追い越していくドライバーがたまにいる。

これがトラックだとローディーは堪ったもんじゃぁ無い(風圧で押されてふらつき転倒したら・・・と身が縮む思いがする)のを当のドライバーは知っているのだろうか?

 

赤坂の手前で旧中山道へ走路変更すると本日一番の危険区間の走行は終わり「やれやれ何もなくて良かった」と胸を撫で下ろしながらホッと一息ついた。

この先は赤坂⇒神戸⇒美江寺と旧中山道を走って居宅を目指すだけ、寄り道をしないで走れば1時間ちょっとで帰着できる筈だ・・・。

帰り道の河渡橋(長良川)から遠望する岐阜市