体調不良や花粉症の症状悪化などもあり、自転車での徘徊?から遠ざかる生活を1ヵ月近くも送ってしまった。
お陰でちょっとお腹周りが張って、衣替えで履いたズボンが幾分か窮屈になった様に 思えるのは気にせいか?
痩せるのは大変なのに太るのは簡単と云うのはどうも納得いかないが、それこそが人類が飢餓との惨敗続きの戦いで、ようやく獲得した遺伝子変異の成果なのだからここは 諦めるしかない・・・。
この間家に籠って何をしていたかと言うと、オークションで手に入れた中古フレームでのバイク(シートチューブにヒビが入ったVaracan special)のReassemblyで、ズーっと先送りしていたが、重い腰を上げてやっと手を付けたと云う訳だ。
Varacan specialをバラしての部品取りでは、当初はフレーム以外は全て流用するつもりだったが、前後の油圧ブレーキホースとシフトケーブルは長さが足りずに全交換、またバーテープも再利用は貧乏ったらしいので交換することにした。
ちょっと悩んだのが変速系でいっそのこと「Di2化するか?」と思ったものの、中古品を探しても10万円は下らないので、そんな出費は無理とあえなく断念。
105Di2の中古品が出回る様になる数年後までDi2化は我慢するしかなさそうだ。
一方中古フレームの方は所々に擦り傷があったので、ガラスコーティング剤を全体塗布してから研磨剤をつけて磨き上げると、新品と見紛うほど綺麗になり大満足。
「これなら新車と言っても通るな」と独り悦に入った。
Reassembly作業の方は大方順調に進んだが、小生が大の苦手とする前後ディレイラーの取付調整ではやっぱり躓いた。
フロントディレイラーでは、シフトワイヤーの張力加減に手間取って固定ボルトを何度も締め直している内に雌ネジをなめてしまうというチョンボ。
こんなことで6千円前後もするディレイラーの購入かと暗然となったが、Amazonで固定ボルトユニットが単品で売られているのを見つけて一安心、800円の出費で済ますことが出来たのは幸いだった。
リアディレイラーでも全段変速の調整がなかなか出来ず、何度もワイヤーを引っ張る指は痛くなるはイライラは募るはで散々。
40分以上もかけて調整が終わった時には「バンザイ~」の声が脳裏に響いたほどだ。
さて、今日は組み上ったバイクを初乗りして走り具合を確かめてみることにした。
丁度サクラも見頃を迎えた様なので、その物見遊山も兼ねて近場の名所を巡って50kmほどを徘徊するつもりだ。
10時ちょっと過ぎ、普段と変わらない時間に居宅を出てまず向かったのは岐阜市南部の境川堤。
しばらくは市街地走行なのでバイクの具合を見る余裕は無いが、感触としてはまぁまぁ良さそう。(なんてったって素人だから走りの良し悪しなんて判る筈もない)
ジオメトリーはDe Rosaとほゞ同じだから、ライディング姿勢に違和感を感じないのも予想通りで、「今のところ合格点だな」と自己満足気味に思った。
20分ほど走って着いた境川堤のサクラは丁度満開で、その花々に埋もれながら薄桃色のトンネル道をゆっくりとペダルを漕いで行く気分は格別。
時折行き交うサクラ見物の人達の表情がみな温和で、それを盗み見る?小生の気持ちを和やかにしてくれる様だ・・・。
桜並木は東西に4kmほど続くので、始めはゆっくり走ってても次第にスピードが速くなるのは仕方ない。
「この辺りまでだな」と呟いて高桑で薄桃色の連なりに別れを告げると、そこからは南に方向転換して木曽長良背割堤へ向かうことにした。
7~8年前までは花見する人影を見るのも稀だった背割堤の桜並木だが、いつの間にか 有名になった様で目の前には結構な人出がある。
これじゃ以前の様に土手に座って”のんびり花見”の風情に浸れないのは必定で、事前の想定を覆された小生としては、早々に退散を決定して大榑川堤の桜並木へと向かうしか無かった。
ところがその大榑川堤も何と人と車列で混雑気味で、小生が知ってる普段の静かな堤道はこの時期だけは様相を異にする様だった。
「なんでこんなに人が集まるのよ」と自分の行動を棚に上げて心の中で人々に毒づいて見たが、それで気分が晴れる筈が無いのは判り切ったこと。
もう少し先に行けばと微かな期待を抱いてバイクを走らせたが、結局何処までも人影が途切れないと分かって進むのを断念した。
乙姫公園の角を曲がって中江川沿いの細道を北へと走る。
向かうのは本戸輪中堤で、其処にも東西に1.5km続く桜並木があるが、実は隠れた名所と云える場所なので「多分訪れてる人は少ないだろう」と踏んでの行先だ。
走路途中の輪之内役場の傍、水路を挟んで桜並木が続いていた。
風景は ”目黒川沿いの桜並木” と大して差は無く、此処が東京なら花見客で溢れるかも 知れないが、現実の此処は地方のありふれた場所に過ぎないので、サクラを愛でるのは小生ただ独りと云う訳だ。
大都会では味わえない”静かで美しい空間”がいたる所にある、それが地方に住むことの有難さだと小生はつくづく思う・・・。
本戸輪中堤の桜並木道には思った通り人影は少なかった。
桜木の下のベンチで無音の世界に埋もれながらしばらくサクラを愉しんだあと、バイクをゆっくり走らせて桜並木を満喫。
やっぱりこういう静かな場所こそが小生の嗜好に合っていると独り納得した。
「さて帰るぞ」とペダルを踏む脚に力を込める。
久し振りの外走りのせいか?少し身体が重い感じがするので、スピードは若干抑え気味にした方が良さそうだ。