風を道連れに

☆あるボッチローディーの独り言☆

のんびりサイクリングロード

 

寝起きのボーっとした気分で朝食中に、掛り付けの泌尿科の先生から電話があった。

先日、採血して調べたPSA(前立腺腫瘍マーカー)の値が前回より悪くなっていると 言う。

「やっぱりな、そうなると思った」定期的にPSA検査をしているが、バイクに乗った 翌日に採血すると決まってPSA値が上昇するのだ。

まぁそうは言っても前立腺癌に罹るのはやっぱり嫌、前に精密検査を受けたのは3年 ほど前だから、そろそろ検査の頃合いでもある。

明日にでも泌尿器科に行って精密検査受診の件を相談することに決めた。

 

今日は気温も10℃くらいまで上がるとの予報なのでライドに出掛けない手は無い。

「たまには木曽川サイクリングロードをのんびりと走ってみるか」と逡巡なく決めて 準備に取り掛かった。

 

居宅を出て走りながら「今日はどの橋を渡るかな?」と考える。

木曽川にかかる橋は上流から木曽川橋、尾濃大橋、濃尾大橋と3つある。

近いのは木曽川橋だが、心と体は濃尾大橋へと遠回りするのを要求しており、まずは ハンドルをその方向へと切る。

こんな時に濃尾大橋を選択するには訳がある。

木曽川橋を渡るより10kmほど余分に走れることもあるが、濃尾大橋を渡って上流に 走った辺りの堤防道路から見る風景が好きなこともある。

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木曽川左岸堤防道路からの眺望(一宮市奥町付近)

 冬の空気の澄んだ日は、濃尾平野を西から東にかけて囲む青い山並みが見渡せ、それらを遠く眺めながら走ると爽快な気分になる。

 

それにしても今日は陽気が良いせいか、サイクリングロードと併設された遊歩道を歩いている人が多い。

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木曽川緑地公園に沿って走るサイクリングロード

大概の歩行者はバイクが近付くと音で気付くが、そうでない歩行者も少なからず居る。

危ないのはバイクに気付かず直前に横に動く人で、これまでも何度か急ブレーキで衝突を回避したことがある。

「声掛けと減速が必要だな」と呟いて自分に言い聞かせた。

 

尾濃大橋の下を抜けて玉ノ井緑地公園を過ぎると、サイクリングロードは一旦途切れ、その先のサイクリングロードまでは堤防道路を走る。

堤防道路区間は僅か1.5kmほどの距離しかないが、車が通る舗装の悪い道で、ここまでの快適な走りを中断されるのは小生にとってかなりストレスだ。

昨年から、この堤防道路の河川敷側で灌木の伐開がおこなわれているので、ひょっと するとサイクリングロード敷設もあるんじゃないかと、期待を込めて見ているがさて どうなることか・・・。

 

木曽川橋を過ぎると暫くのあいだ川沿いをいくので、時折川の流れに視線を投げながら138タワーまで快調に走る。

木曽川は長野県(木曽郡木祖村)を源流に岐阜、愛知、三重と流れて伊勢湾にそそぐ 

延長229kmの大河で、下流域のこの辺りでは水質も悪くなっているが、冬は川の流れ が清澄になるので、青く光りながら流れいく様を眺めていると清々しい気持ちになる。

 

居宅を出てから1時間半ほど走り続けてきたので、サイコンの走行距離を確認すると25kmチョットでたいして走ってない。

まぁ、今日はのんびり走るのがルールだから、その意味では合格だ。 

「そろそろ休憩の頃合いか」と思いながら、普段スルーする河田橋下の休憩エリアを 通り過ぎた時、視界の片隅に何かキラリと光るものを認めた。

「ぅん、あれはサイクルラックじゃ?」気になったので戻って確かめると間違いなく サイクルラックだった。

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誰もいない休憩場所で一休み

「いつ設置したんだろう?」昨年秋ごろまでは無かったのでそれ以降に違いない。

ここで休憩すると急遽決め、サイクルラックにバイクを預けてからベンチで物思いに ふける。

「設置したのは誰? 公園の施設整備の一環なら自治体? 費用は工事費込みで10万円 もあれば? 他の休憩エリアにも設置されるかなぁ?・・・」

アレコレ勝手に類推しながら15分余りを過ごした。 

 

のんびり走りゆっくり休憩した所為か、扶桑緑地公園の折り返しで時刻は正午を過ぎ てしまった。

「少しスピードUPするか」と呟いてペダルを踏む脚に力を込める。

スピードは27~28km/hr、風は微風ながらも向かい風で次第に息が上がって心拍数も 増えてくる。

「これじゃチョット持たないなぁ」と弱気に判断し、ギアを1段落として持続可能な スピードに抑えた。

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視界が広がるサイクリングロード(江南市宮田付近)

一昨年から昨年にかけてのほゞ1年間バイクに乗らなかった影響で、かなり身体の運動機能が落ちてしまった。

以前は無理なく熟せたことが今出来ないのは、心肺機能や筋力が以前のレベルまで回復してないからだろう。

「ローラー台で鍛えるか」と自問した。

 

帰路は、往路をそのまま木曽川橋まで戻る心算で138タワーまで走ってきたが、右方向に観覧車を見て急に心変わりした。

「この先でアクア・トト方向へルートを変えよう」

別に観覧車に乗りたい訳では無く、単に往路とは違うルートをとることにしただけ。

多分、木曽川橋まで戻るルートの方が早く居宅に帰り着くが10分とは違わない。

「急ぐ必要も無いからね」と独り呟いた。

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     岐阜市街を遠望             アクア・トトぎふ     

のんびりと木曾川サイクリングロードを走ってみたが、珠にはこんなライドも良い。

特に冬の少し暖かい日は、休憩場所のベンチに腰かけて、好きな曲でも聞きながら川面を眺めていたいものだ・・・。  

 

  

1円玉だったか

 

歳をとった所為か数年前から睡眠時間が増えた。

会社勤めをしていた頃は、23時~24時に寝床に入って6時には起きる生活だったが、 今は8時ごろにならないと目が覚めず、起きても妙に頭が重く気分が良くない。

勝手に「8時間以上寝ちゃいけない体質なんだ」などと思っていたりするが、本当の ところはどうなんだか?

今日も8時に起きて、新聞を読みながらTVを流し見て朝食をとっていたら、出掛ける 時間が10時を過ぎてしまった。

身支度をしながら窓越しに外を見ると、庭のバラの植え込みが風に揺られており、ソコソコ強い風が吹いている様だ。

「何処へ行こうかな?風はあるし寒そうだし」

遠くへは行きたくない気持ちに押し切られて、近場を40kmばかり走ってみることに した。

 

バイクは、最近乗ってないVARACAN specialとし、タイヤに空気を入れていざ出発。

走り出し時は頬にあたる風がチョット冷たく、思わずネックウォーマーを引き上げて 防寒する。

「やっぱり今日は寒いなぁ」呼吸の妨げになるが暫くこのまま走ることにした。

街中を抜け、境川沿いの小道を走りながら何気に川面に視線を向けると、水面がキラ キラ光っているのが見えた、どうやら水面が薄く凍っているらしい。

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氷結して朝日に輝く水面

「今の気温は1℃前後か? 風も4~5m/sはあるし、雲の多い天気だから氷は溶けそうにないな」などと独り言を呟きながらユックリ通り過ぎた。

 

長良川左岸堤防道路に出て南に向かって走る。

風は西南の方向から吹いており若干向かい風になるが、正面から吹くよりはまし、それに往路の苦は復路の楽でもある。(この逆は好きじゃないけどネ)

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堤防道路からは冠雪した伊吹山が見えた

徐々にスピードが上がってクランクの回転数が増すと「ん、何か異音がするぞ」と気付いた。

ペダルを漕ぐ脚の動きに合わせて「カッっ・・カッっ・・」と一定の間隔で音がする。

ギアを落としクランクの回転数も下げると音は止むが、ギアを上げてペダルを踏む脚に力を入れるとまた音が・・・「何か当たっている様な音だが何処だろう?」 

少し広い路肩を見付けてバイクを停め、異音の発生個所を確認するためバイクを持ち 上げてクランクを手回しするが、音は何処からもせず、それは前後のギアを操作しても同じ・・・。

「オカシイなぁ」何処かが当たってる筈なんだけどと、チェンジリングスプロケットの周りを探すが、何処にも異音の原因となる様な異常はない。

「此処じゃ埒が明かないなぁ」安全な場所に移動して、走りながら異音発生個所を探すのが手っ取り早いと、近くの河川敷道路へ急ぐことにした。

 

河川敷道路に向かいながら、どんな時に異音が出るか考える。

・走り始めは音は出ないが、少しスピードが上がると音が出る

・フロントギアがインナーでもアウターでも音が出る

・クランクを回さないと音は出ない

・バイクを降りてクランクを回しても音は出ない

と云う事は、前後ホイールは原因から除外だが、変速機関連(前後のディレイラーと ギア類及びチェーン)とクランク関連(クランクとボトムブラケット及びペダル)は 怪しい。

そこで、河川敷道路に着いたらまず最初に変速機関連を確認する事にした。

 

草原を見つけてバイクをひっくり返し、クランクを回しながら前後のギアを順次変速 して異音が出るか確認するが、それらしき音はどこからもせず、どうやら変速機関連 も原因から除外しても良さそうだ。

「やっぱりクランク関連かぁ」音が出る箇所が絞られてきた。

①クランクのガタツキ   ②ビンディングペダルとシューズの固定不良   ③ボトムブラ ケットの不良  多分この内のどれかだと推測する。

まずクランクのガタツキだが、クランクをユックリそして速く手回しするが、若干の 遊びはあるものの、ガタついてチェーンと当たって音が出る事は無くこれはハズレ。

次のビンディングペダルも、走りながらシューズを前後左右に動かして確認したが、 これも異音は出ず同じくハズレ。

結果として残ったのはボトムブラケットの不良で、実はこの部分、原因じゃなければ 良いがと密かに恐れていた所だ。

と言うのも、ボトムブラケットから出る異音は前に一度経験しているからだ。

 

De Rosaに乗って2年くらい経った頃、今回と同じ様に走行中に何処からか「カチッ・・カチッ・・」と異音がするようになった。

色々調べて最後に原因として辿り着いたのがボトムブラケットの不良で、クランクを 外してボトムブラケットのベアリングを見ると、砂にまみれて油切れの状態だった。

この油切れボトムブラケットの交換作業では大変苦労した覚えがあるが、これを交換 する事で走行中の異音は無くなったので、どうやら今回も同じ対応が必要ということ かも知れない。

それにしてもこのVARACAN specialは昨年8月に組み立てた物、距離も数百㎞しか走ってないのにボトムブラケットが不具合になるなんてチョットがっかりだ・・・。

 

異音の原因箇所もほゞ特定できた事だし、これ以上あれこれ考えていても仕方がない「ここは心機一転走りに専念しよう」と気分転換を図り、この河川敷道路を4往復(30km)ばかり走ってみる事にした。

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誰もいない河川敷道路はボッチローデイが走るのにピッタリ

風は相変わらず西南方向から吹いているので、往路は24~25km/hrぐらいにセーブし、復路は30m/hr前後にスピードUPして走る。

こうして淡々と走っていると、次第に雑念は消え果て、視界に入るもののみが意識の 対象となりそして消えていく・・・。

 

そんな風に走り続けて2往復めの折り返しに近づいてきた時である、何気なく座る位置をサドルの前方に移したら、突然あの異音がしなくなった。

「えぇ、音が消えたと云う事は・・・」仮説を検証する様にサドルに座る位置を前・ 正常・後と変えてみると、前寄りに座ると音が消えて正常or後寄りに座ると音が出る 事が判った。

なるほど、サドルのシートポスト固定にガタは無いので、異音はシートチューブに差込んだ同ポストから出ていると考えられ、想定外の原因ではあったが、ここが発生源と すれば心当たりもあり納得出来る。

 

このバイクは、元々シートポストを同チューブに固定するクランプ部に問題があって、ボルトを強く締めてもシートポストが下がってサドルを適正高さに維持できない不具合が生じていた。

このため、苦肉の策としてシートチューブ内に突っ張り棒を入れてポストの沈下を防いでいるが、ライドで何度も乗り回す内にサドル位置が適正高さより1cmほど下がって きたことから、1円玉を複数枚重ねてスペーサー代り(何という安易な発想だろう)に追加する処置をおこなった。

これが年末の事で、以来このバイクには全く乗っておらず、1円玉での高さ調整が異音発生の原因になろうとは夢想だにしなかった。

サドルの前寄りに座った時は音が止み、後寄りに座った時に音が出るのは、その高さが適正かどうかに関係していると思われる。

実は1円玉スペーサーを入れる時、悪い事にその必要な厚みより5m/m分多く1円玉を 重ねて入れる事をしていた。

この余分な5m/mにより生じる腰の振れがシートポストに一定間隔の微振動を与え、 それが1円玉スペーサーor突っ張り棒への衝撃となって異音を発生させていると考えるのが正解だろう。

 

「良しこれで異音問題はスッキリ解決だ」あとは居宅に帰ってから対応を講じることにしようと決め、ひと先ずトイレ休憩をとるため近くの公園に向かった。

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遠く養老山地を眺めながら休憩

休憩の後は走り残した河川敷道路2往復半の走行を再開だ。

気分も晴ればれだから、気持ちよく走れるぞ・・・。

 

 

初詣ライド

 

COVID-19のウイルス変異が言われる様になってから感染者漸増が止まらない。

私見だが、このウイルスの特徴は「若者が感染した場合は無症状の徴候を示す場合が 多い:米国医学誌」と云う事ではないか?

無症状だから感染者は感染したとの自覚は無く普通に生活(周囲の人と会話し、触れ 合い、時に酒を飲んで大きな声で話す)する。

しかし、無症状者(クラスター源)の体内のウイルスは感染力を失ってる訳では無い から、その濃厚接触者は次々と感染して、中高年者の場合は発症して隔離されるが、 多くの若者は発症しないので新たなクラスター源となって更に感染を拡げる。

この無限連鎖こそ感染者漸増の根本原因ではないのか?

この連鎖を断ち切るには、PCR検査数を飛躍的に増加して潜在する感染者を洗い出す しか方法はない。

現行の「感染者とその濃厚接触者あるいは感染症状を示す者」に限定したPCR検査に 固執する限り、我が国のCOVID-19終息は遥か先にしかないと思われる・・・。

 

さて、昨年末から1週間近く居宅から出ない日が続いたので「そろそろ動き出さなく ちゃ」と自分を叱咤激励して初乗りライドに出掛けることにした。

行先は「そうだなぁ、なんぐうさん(南宮大社)にするか」と、正月でもあり、初詣 がてらの思いも込めて何となく決めた。

南宮大社の祭神は金山彦命で、かの有名?な天照大神の兄神様。

この神様は、金運や必勝祈願にご利益があると云われているので、宝くじの高額当選 でも祈願してみるか・・・。

 

走行ルートは岐阜から養老を経由して垂井へ向かう迂回路をとることにした。

距離的には大垣市街地を抜けて西進するのが近いが、車通りが多くて信号停止が多発 する道を走らねばならず、ストレスが溜まるばかりで好きじゃない。

今日も風があまり吹いてないので、小生の巡航速度である27~28km/hrのスピードを 維持しながら走れるし、体感温度も下がら無いので至極快適だ。

養老に向けて走って牧田川沿いを西進する辺りまで来ると、養老山地が大きく迫って きた。

麓に雪は無いが、中腹から上の山肌には結構積雪が見られて、先日来の麓一帯の寒さ が窺い知れる。

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中腹まで積雪した養老の山並み

ここから進路を北西方向に変えて10分余り走り、相川沿いの堤防道路を西に詰めると、南宮大社まではあと2kmほど。

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相川堤防道路から西方を望む

居宅を出てからズーッと走り続けてきたからか?チョット脚に疲労が溜まってきた様 だが、ここでの休憩は勿体無いので「もう少しの辛抱」と自分に言い聞かせ、ギアを 2段落として走ることにした。

 

南宮大社の参道に入って社殿近くまで緩斜路を進むと、道に30台ほどの車が駐車場の 空きを待って車列を成していたので、その横をユックリ通り抜ける。

普段は車に邪魔者扱いされてやるせない思いに駆られる我々ローディだが、こんな時 だけは車の優位を覆せる気がしてチョッピリ愉快だ。

社殿の横にバイクを預け楼門をくぐって拝殿へと砂利敷きを歩むと、緩い足元で病ん でいる左脚が痛いが、ここは少し我慢するしかない。

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南宮大社楼門               南宮大社拝殿

密を避けて参拝客が途切れた空きに拝殿での参拝を手早く済ませ、改めて辺りを見廻 すと、三が日では無いから参拝客は多くは無いが、それでもソコソコの人出だと判る。

さすがに県内では3番目に初詣客の多い(例年三が日の人出は30万人ほど)格式高い 神社だと独り納得した。

 

さぁ帰ろう「帰路は中山道沿いを行って・・・」と考えながら、喉の渇きを癒すべく ウォーターボトルに視線を落とすと・・ボトルが無い?・・新年早々何たるチョンボ「用意しなかった」と自分のミスに気付いた。

コンビニでペットボトルを買って喉を潤し一息ついたところで一つの考えが浮かんだ。

昨年末のライドで、パンクにより断念した昼飯大塚古墳からの伊吹山眺望だが、丁度 帰路の途中だし天気も良くなったから、今日それを果たそうという訳だ。

「よし決まり、昼飯古墳公園を目指そう」とバイクに跨り走り出す、ここからの距離 は8km余りだ。

 

垂井の街中を抜け中山道を赤坂に向けて東進する。

この道は車通りが少なくて大概は快適に走れるので、関ヶ原方面にライドした時には 8割方帰路に選ぶ小生好みの道だ。

今日も30km/hr前後の巡航速度でほとんど止まることなく、青墓の交差点まで走って こられた。

昼飯古墳公園まではあと1km余り、チョット息が上がったのでスピードを緩めて走る。

 

昼飯大塚古墳は古墳時代中期(1600年ほど前)に築造された前方後円型古墳で、県下 最大規模の大きな墳墓である。

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    昼飯大塚古墳            墳墓越しに伊吹山を遠望する

これは、当時この辺りに大きな勢力を持つ豪族(或いは王)が居て、政治・文化の中心がこの地域にあった事を示す証左であり、それは後年(奈良時代)近くに美濃国府や 国分寺などが置かれた事でも判る。

墳墓の築山に登って周囲を俯瞰しながら往時の様を脳裏に思い描こうとするが、想像力の欠如が邪魔をして上手くいかなかった。

さて、目的の伊吹山の眺望だが、山塊まで15kmほどと近い事もあってダイナミックな山容が視界に迫り、結構様になる眺めだった。                 (ただし眼下に拡がる人家の屋波が目障りと云えば目障りだけど)

 

15分ほど休んでから帰途に着く。

ルートはこのまま中山道沿いを神戸まで進み、揖斐川を渡って穂積経由で岐阜へと至るいつも通る走り慣れた道にした。

神戸町の共立大キャンパス前を走行していた時である。

喉を潤そうとボトルケージに手を伸ばすが、挟んだ筈のペットボトルが掴めないので 視線を落として確かめると「えぇーっ、飲み残しのペットボトルが無くなっている」

どうやら、どこかの道で段差を越えた際に、車体振動でケージに挟んだボトルが跳ねて落ちたらしい。

「仕方ない、もう一度コンビニで」と思ったがその時はたと気付いた「近くに加賀野 名水があるぞ・・・」少し迂回になるが大した事は無いので そこに向かうことにした。

大垣は水都の呼称が冠につくほど地下水に恵まれた土地柄、いたる所に自噴水の井戸があるが、加賀野名水はその中でも1番の水質を誇る「平成の名水百選」に選ばれている自噴水井戸だ。

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加賀野名水自噴井戸           絶えず湧き出る澄明な水

地下水なので水温は年中14℃でほぼ一定、口当たりの柔らかな清澄な水をユックリと喉に流し込む。

味は?正直言って水なので居宅で飲む水道水と大して変わらなかった様な・・・。 (実は岐阜市の水道水も地下水で結構美味いんです)

 

年初の今日のライドだが、今年も色々な出来事が起こることを予感させる面白いライドになったなぁ。

 

 

年のはじめに思うこと

 

2021年の幕開けである。

外は小雪がチラチラ舞い「晴れやかな元日」とは言い難い天候だ。

Netで調べたら2010年の元日も雪が降り、その時は15cmほどの積雪になった様だが、 今日の雪はそこまで積もる気配は今のところない。

20年ほど前までは、雪が降ると「山間部の降雪はどうかなぁ」と子供の様に楽しみに していたが、スキーをやらなくなってからは雪が厄介者でしか無くなり、そんな風に 変節した自分がチョット哀しい。

 

さて、去年はCOVID-19で世界中の人々が大変辛い日々を送ったが、今年はどうなるのだろう?

驚異的なスピードで開発されたワクチンの登場で、免疫獲得という明るい兆しは見え だしたものの、その効果が実証されて多くの人々が接種の恩恵にあずかれる様になる のは、早くても今年の秋以降になるとの見方が一般的だ。

しかし、これは財力を持った限られた先進国の場合はという話であり、世界人口の8割以上を占める中・後進国の人々については、今年はおろか来年以降も全く見通しがたたないというのが現実で、今後数年に亘ってこの感染症に苦しめられるのは間違いない。

最近コロナウイルスの変異(感染力Up)が騒がれているが、UpがあるならDownもある筈で「この変異が感染力Downや弱毒化に進んでくれれば良いのになぁ」と小生などは密かに期待しているのだが・・・。

まぁ何れにせよ、今年もCOVID-19に注意した生活が続くということだ。

 

とは云え、日常生活がCOVID-19への対応に終始してしまってはあまりにも面白くないので、何か目新しいことに挑戦(というほど大袈裟では無いが)して見るのも良いかなと思っている。

 

一つはイベントライドへの参加。

ボッチローディである小生は他人と交わるのが苦手だと思われてるかも知れないが、 決してそうでは無く、単にあれこれ気を遣うのが面倒なだけだ。

ベントライドなら独り黙々と走ることも出来るし、見知らぬ同好の士と適当に話を 合わせて一時を過ごすことも出来る。

今参加を考えているのは、ツールド郡上(5月)ツールド西美濃(9月)せきサイクル ツーリング㏌板取川(10月)の3イベントで、何れも県内近隣で催されるから日帰り 参加可能、距離も85km~132kmで小生の力量に合っているというのが選んだ理由。

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ツールド西美濃(2019ポスター)

もしこれらのイベント参加で良い感触が得られれば、兼ねてより参加したいと思って いたあずみのセンチュリーライドや淡路島ロングライドはたまた佐渡ロングライドと いった、有名サイクルイベントへの道が開くかも知れない。

まぁ、どんなイベントでも参加するかしないかは所詮小生の意思次第なんだけど、いきなりビックに参加するよりも、まず小規模イベントで様子を見てというのが小心者の 遣り方で、謂わば試金石の位置付けだ。

 

もう一つはロングライドの一形態である〇〇一周だ。

琵琶湖一周(ビワイチ)はこれまで3回走ったが、そろそろ違う〇〇一周がしてみたくなったので、日帰り可能な近場から候補に挙げたのが、知多半島一周(チタイチ)と 浜名湖一周(ハマイチ)。

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知多・野間灯台

特にチタイチは色んなバリエーションルートがあって、それらを組み合わせることで 結構楽しめそうな気がする。

海沿いの道を走るなら「やっぱり季節は初夏が良いだろうなぁ」と潮風を身体全体で 感じながら気持ちよくバイクを駆る姿が脳裏に浮かんでは消える・・・。

 

これをやる、あれもやりたいと欲張りなことを書いたが、果たしてどこまで実現できるのか?

「後は結果を御覧じろ」という訳だが、要はやる気の問題だなと得心している。

 

 

2020走り納め?

 

先週、いつもの年より早く雪が降って「いよいよ冬も本番か」と思っていたら、この ところ日中の気温は例年並みに10℃前後まで上がり、少しだけ拍子抜けしている。

先日、近くの堤に植えられた桜並木で2本ほど花を咲かせている木があったので、家人に「暖かいので狂い咲きしている桜があったよ」と話すと「それは多分狂い咲きじゃ なくて冬桜が開花しているのよ」という返事だった。

確かに緋寒桜は2月頃に咲くし、11月頃に紅葉と一緒に見られる十月桜という品種も あると以前どこかで聞いた。

「なるほどね、この時期に咲く冬桜という品種もあるんだ」と得心した。 

桜は4月頃に咲くものと思うのは固定観念で、ソメイヨシノ=桜の定型化が疑い様も なく進んでいることの証左かも知れない。

 

さて、年末を迎えて雑用が多くなったので、年内にライドに出掛けられるのは今日と あと1日くらいになった。

天気も風も問題なしで今の外気は8℃くらい、その気になれば遠出も可能な条件だが、結局「今日はのんびりサイクリングロードでも走ったら?」というもう一人の自分の 囁きに応じて木曽川サイクリングロードを走ることにした。

(実は最近体調がイマイチなので、遠出を回避したい心理が働いたと吐露しておく)

笠松木曽川橋までは街中走行なので、人や車の動きに注意を払う走りが続いたが、 橋を渡ってサイクリングロードにバイクを乗り入れればその緊張感からも解放される。

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                                           木曽川橋            (Alpsdakeより)

「よしよし、これで当分はストレスフリーで走れるぞ」

居宅を出てから20分ほども走って来たので、身体が温まって脚も廻る様になってきた。

調子に乗って少しスピードアップすると、風の抵抗は増すがそれがかえって爽快な気分にさせる・・・。

このサイクリングロードはYouTubeで度々紹介されており、休日には多くのローディーや家族連れで賑わうが、平日は結構空いていて走り易い。

小生は生来混んでいる所が嫌いなたち(決して人嫌いというのではない)なので、ここを走るのは専ら平日限定だ。

同じ様に考える人が何人かはいるもので、ここを走っているといつもの様に出くわす 人達がいる。

 

今日最初に会ったのは、随分以前からロードバイクに乗っているらしき雰囲気を醸し 出している小生と同年配の男性。

バイクはクロモリ(多分)で、いつもサイクルウェアは着ずヘルメットも被らず(夏 は短パン・タンクトップで麦藁帽、冬はトレパン・ウィンドブレーカーにつば付帽子 の恰好)に走っている。

最初の頃は行き交う度に頭を下げて挨拶していたが、先方は一度として挨拶を返して くることは無く、その内小生も頭を下げるのがバカらしくなって止めた。     (悲しいねぇ)

挨拶するかしないかは個人の考えだから百歩譲っていいとしても、ヘルメットを被らずにロードバイクで走るのは止めた方が良いと他人事ながら思う。

3年ほど前の夏の事だが、カーブを曲がる時に砂利でスリップ転倒して右側臀部を強打し10cm大の瘤をつくった。

この瘤は翌日になっても小さくならず内出血の跡も拡がってきたので、医院に行って 切開処置して貰ったが、医者も驚くほど大量の血糊が出て、完治するのに3週間も要 した。

もしこの打撲が側臀部ではなく側頭部だったらと思うと今でもゾッとするし、不測の 事態に備えてヘルメットの重要性を再認識した出来事でもある。

 

次に会ったのは、インラインスケートの2人の男性。

年齢は小生より少し上というところか?この2人を見かける様になった当初は、両人共少しおぼつかない足取りで滑っていたが、今では随分と上達し「好きこそものの上手 なれ」を体現している様だ。

彼らを走路上に見付けると、バイクを道端に寄せて道を譲ったり、声をかけて接触事故を防ぐ様にするのが常だ。

 

最後に会ったのは、自転車旅に備えたトレーニングにいそしむ(小生の勝手な想像) 感じの30代の青年。

バイクは、フラットバーハンドルランドナーを荷物が沢山詰める様に改造した頑丈 そうなもので、これなら「どんな旅にも耐えられそう」と思わせる代物だ。

この車体で、重いギアを回しながらかなりのスピードで走っていく様は、正にトレー ニングそのもの。

昨年までは、彼を見かけるのは長良川の左岸堤防道路~背割堤だったが、今年はこの 木曽川サイクリングロードで何度か見かける様になった。

今日も、いつものバイクで前方から走ってくる彼を認めたので、すれ違った時に手を 挙げて挨拶すると、頷く様に頭を下げて走り去っていった。

 

愛知県側のサイクリングロードを扶桑緑地公園辺りまで走ったところで、上空を雲が 覆い始めて日差しが遮られ、辺りが俄かに寒くなってきた。

西方の空を伺うと晴れ間は皆無で見渡す限りの曇天「これは帰る潮時ということか?」の思いに背中を押されて引き返すことにした。

 

帰路は岐阜県側のサイクリングロードを走ることにして、木曽川にかかる小網橋  (支流)と各務原大橋(本流)の大小2つの橋を渡っていく。

各務原大橋を走っている時ふと右手(東方面)に視線を振ると、遥か彼方に白い   山並みが望見できた「恵那山と中央アルプスだ」

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各務原大橋から木曽川上流を望む

山を見ると古い思い出が蘇る。

「随分と昔、恵那山に単独行して山頂近くの水場でテント泊した時の事、夜半に外で 何物かが歩き回る物音がして目が覚めた。こんな夜中に何だろう?まさか餌を求めて クマが出たのか?恐る恐るテントから顔を出して様子を伺うと、近くでヘッドランプ の明かりがチラチラ。何のことは無い登山者が水場を探して歩き回っていたのだった」

あの頃は小生も若く怖いもの知らずで「結構無鉄砲な山登りを繰り返していたなぁ」と懐かしく思い出す。

 

岐阜県側のサイクリングロードを木曽川に沿って下流へと走って笠松まで戻ってきた。

先ほどまで雲が覆っていた上天には青空が拡がり始め、陽光の明るさが気分を軽やかにする。

ここまで急いで走ってきたが、その心理的な枷も解けつつあるので、川端のみなと公園にある東屋で本日最後の休憩をとることにした。

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みなと公園の東屋から木曽川を眺める

東屋の木組みのベンチに腰かけて、独りボーっと周囲の景色を眺めていると、時間の 経過も忘れてつい長居をしてしまう・・・。

15分ほど休んでようやく帰る気になって来た。

バイクに跨って独り呟やく「これで今年のライドは終わりにするかな?」 

 

 

伊吹山ビューポイント

 

先週から今週にかけての8日間を、全く自転車で遠出することなく過ごしてしまった。

理由は、風が強かったり雪が降ったりと云ったライドに不適な天候が何日か続いたこともあるが、軽い片頭痛が続いたり蕁麻疹が出たりと、あまり体調が優れなかったこともある。

しかし「こんな毎日だと身体が鈍ってしまう」と云う強迫観念が、次第に自分を苛む様になったので、今日はその解消を図るべくライドに出掛けることにした。

幸い天気予報では、風は微風で気温も日中は11℃くらいまで上がるらしく、遠乗りの 支障になる条件ではないし、体調も今のところは良好の様だ。

行先は、長良川左岸堤防道路の快適な走行を期待して木曾三川公園方面と決め、バイクも走りの滑らかなLapierreを準備した。

 

街中を抜けてまずは長良川の堤防道路を目指して走っていると、視界の開けた場所で 正面に伊吹山が見えた。

先日来の降雪で山全体が真白く化粧しており、朝日を浴びて屹立するその姿は、周辺 の山並みを圧して神々しくもある。

「そうだ、伊吹山を間近に見に行くのも良いな」急な思い付きではあるが行先を変更 するのに何の支障もないと云う、ボッチロディーの特権を行使して走る方向を西方面 へと変えた。

堤防道路に出て長良大橋に向けて走っていると、右手前方に墨俣城伊吹山が並んで 見える。

「そうかぁ、伊吹山が綺麗に見える所を探しながら走ってみるのも手だな」そう気付 いて今度は走る行程を考え直すことにしたが、直ぐに走行ルートの全部を決められる 筈も無い。

まずは墨俣城に向かい、そこに着いてからじっくり走行ルートを構想するのが無難だ ろうと結論し、先を急いだ。

 

墨俣城から望む伊吹山はまだ遠くてその威容が伝わってこないので、ここは構図の妙を楽しむべく長良川の堤防から城と山を眺めることにする。

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墨俣城と端麗な容姿の伊吹山

城と山の構図と云えば、松本城北アルプスのそれがベストだと小生は思っているが、それと比較するのもおこがましいと知りつつ、規模は小さいけれど墨俣城伊吹山の 構図もまんざら捨てたもんじゃないと、郷土愛的に小生は思いたいと言ったら不遜だ ろうか・・・。

暫くのあいだその景観を楽しんだ後、これからの走行ルートの概略を考えた。

 

伊吹山を眺望するのに良さそうなところを脳裏に描きながらルートを辿る。

「ここから天王川沿いを・・・揖斐川安大橋を渡り・・・樽見鉄道揖斐川橋梁・・・神戸町輪中堤・・・昼飯大塚古墳へと走る」これだな!

これで走るルートはほゞ決まった、気分も新たにバイクに跨ってペダルにビンディングをカチッと入れる。

 

揖斐川にかかる大安大橋の上から大垣の街並み越しに伊吹山のを眺めた後、次のビューポイントである樽見鉄道揖斐川橋梁を目指して街中の路地を縫って走る。

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安大橋から見る伊吹山(手前の街並みは大垣市街)

目的地への近道は揖斐川右岸堤防道路だが、車の交通量が多い割に道が狭いのでバイクで走るのに適さない、ここは多少時間はかかっても路地をゆっくり走る方が安心だ。

 

揖斐川にかかる樽見鉄道橋梁付近からは、養老・伊吹・池田・揖斐へと連なる濃尾平野の西壁をなす山並みが一望出来るし、また北に目を転じれば、奥美濃へと続く幾重にも折り重なった白い山並みが望見されて、本当に岐阜は山の国(県歌に ♪ 岐阜は木の国  山の国 ♪ の歌詞がある)だなと実感する。

さて、ここでの狙い目は伊吹山を背景に走る樽見鉄道の車両だと、勝手に構図を頭で 描いて線路脇で列車の通過を待ったが、結局15分ほど経っても列車は来ず、時間切れ と諦めて次の場所へ向かうことになった。

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線路越しに見る伊吹山          樽見鉄道揖斐川橋梁

神戸町の輪中堤は平野井川に沿った堤防で、サクラの時期にはここの約4kmに亘って 続く桜並木は西美濃の名所の一つとなるが、冬を迎えた今は、枝だけになった樹冠の 桜並木が酷く寂しげに見える。

その中をバイクで走りながら伊吹山の眺望の良いところを探すが、人家などが邪魔を してなかなか見つからない。

ふと平野井川に目を向けると、水面に沢山の水鳥が群れていた。

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輪中堤から見る伊吹山           川面に群れる渡り鳥

その色や形から類推すると、オオバンホシハジロと云った、冬になるとこの辺りで よく見かける中型の渡り鳥だ。

この辺りには彼らの餌となる水草や小さな水生動物が多いんだろうなぁ・・・。

暫くのあいだバイクを停め、鳥たちが水面に遊ぶ姿を眺めながら、ボーとする時間を 過ごした。

 

ここからは、旧中山道を走って6kmほど先の赤坂の昼飯大塚古墳を目指す。     (予定ではその筈だった)

路側帯のある道を路肩の砂利などに注意しながら走って約2.5km、急にハンドルが重くなり前輪に異常を感じた。

「なんてこった、パンクだ!」バイクを降りて前輪を確かめると、既にAirは殆ど抜けていた。

「確か2ヶ月ほど前にもパンクしたなぁ、全くツイてない」

宝くじは全く当たらないのに、パンクだけは人並み以上?に経験するのは何故だろうか不思議でならない。

それにしても路側帯(路肩)はパンク元凶異物の宝庫だ。

ガラス片や金属片、潰れた空き缶に尖った小石、グレーチング等々なんでもござれ、 ここを自転車の走路に決めた御仁は多分自転車に乗ったことが無いのだろう。

ぶつぶつ独り言を呟きながらパンクを修理していると、すっかり先に進む気が失せて 同時に少し頭痛もしてきた。

「帰ろッかな」ここから直に帰れば1時間ほどで居宅に着ける筈だ。

 

帰路は、往路と同じ道を樽見鉄道橋梁まで戻り、そこから結⇒墨俣と美濃路を走って 岐阜市街に到る走り慣れたルートをとることにした。

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墨俣から岐阜市街地を望む

久し振りのライドだったが、計画不足の上に思い付きに従ったため不完全な形で終始 してしまった。

「まぁそんな時もあるよね」と自分で自分を慰めるしかないのかな?・・・。

ローラー台で走るのは

 

天気の良い日に家に籠っていてはもったいない。

朝食のあと身支度を済ますと、ロードバイクの準備をして出発だ。

昨日は養老から関ヶ原へと走ったから今日は美濃方面に向かうとしよう・・・。

だが毎日がそうとは限らない。

酷く寒い日や風が強く吹く日、はたまた気分の乗らない日などは、もう一人の自分が 出掛けるのを止めたらと囁く。

「どうしようかなぁ?」迷いながらも結局その声に素直に従うが、何とも後ろめたい 気分だ。

そんな時は、ローラー台のトレーニングで軟弱な自分を代償することになる。

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ローラー台専用バイクCorratec CCT Teme

ローラー台トレーニングというといかにも大仰だが実態はさに非ず。

60代の小生にとってインターバルトレーニングは運動強度が高すぎるし、鍛えたい筋肉もちょっと違うので、我流の遅筋(持久力)強化メニューを考案した。  

①フロントインナー(34T)固定でリア最大ギア(28T)からトレーニング開始

②リアのシフトアップに合わせてケイデンスも徐々に上げ、開始13分位で7段目 (14T)ケイデンス85~90rpmまで上げる

③開始から15分が経過したら8段目(13T)にシフトアップし、ケイデンスも90rpm前後を維持してそのまま1時間漕ぎ続ける  

④クーリングのため5分位かけて徐々に最大ギア(28T)までシフトダウンして終了

この80分のトレーニングでそれなりに汗は掻くが、心拍数はあまり上がることは無い ので身体負担は多分中程度だろう。

それでも、これで気持ちも身体も一応スッキリという訳だ。

 

<余談その1>

フロントインナー(34T)・リア8段目(13T)・ケイデンス91rpmでペダルを回すと サイコンのスピード表示は30㎞/hrを示す。

ローラー台で30㎞/hrを維持するのは比較的容易だが、実走では結構大変だ。

以前鈴鹿サーキットロードバイクで走ったが、5.8㎞のコースを1周目は10分台で走れたものの2周目は12分台に落ち込んだ。

道路の起伏は当然ながら走行スピードに関係するが、影響が大きいのは何と言っても 空気抵抗。

20㎞/hrでは感じなかった抵抗を、25㎞/hr超あたりから感じ始め30㎞/hrでは結構強い。

これに向い風が加わるとスピード維持は容易じゃない。

もっとも、ロードバイクで走る醍醐味は「風を感じて走る」ことだけどね。

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身体を包む風が心地よい川沿いの道

<余談その2>

ローラー台でペダルを漕ぐ時には次の2つが必需品だ。

1つ目はヘッドバンド。

1時間半ほどペダルを漕ぐと、最初は額に汗がにじみ始めそれが次第に頭髪部からの 発汗に変わる。

上体の汗はウェアが吸ってくれるが、頭部の汗は顔を伝って滴り落ち、時には眼にも 入って煩わしいので、これを防ぐのがヘッドバンドの役割だ。

レーニングを終えヘッドバンドを外して絞るとかなりの汗を吸っているのが分かる。

汗の塩分濃度は0.4%程度でそれほど塩分は含まれないが、チリも積もれば山となるで「バイクがいつの間にか腐食していた」というマヌケな話しを防ぐ一助でもある。 

2つ目はMP3プレーヤー。

インターバルトレーニングはやらないし、一心不乱にペダルを漕ぐ性分でもないので、トレーニング中はプレーヤーで録音した音楽を聴く事にしている。        (ながら運動?で集中力散漫になるから、3本ローラーは欲しいが諦めている)

聴いてるジャンルは、ロック・R&B・J-pop・フォーク・演歌と一貫性は無いが、あくまで小生の感性にあったものを厳選?しYouTubeなどからダウンロードしたものだ。

音楽を聴きながらペダルを回していると、曲のテンポがケイデンスに影響するのがよく解る。

例えばQueenの We Will Rock Youを聴けば自然とケイデンスは高く(94~95)なり、 ClaptonのTears In Heavenを聴けばケイデンスは無意識に抑え(85~86)られる。

これは身体が音楽に勝手に同期していくから仕方が無いことだが、不可解なのはこんな時はケイデンスが上がっても身体は疲労を自覚しないことだ。(ケイデンスを90から95に意識的に上げたら脚はもろに疲労を感じる筈なのに)

身体というか意識というか、本当に不思議なものだといい歳をして思う・・・。