風を道連れに

☆あるボッチローディーの独り言☆

悩みの種

 

まだ気温はそれほど高くなって無いが、もうスギ花粉の飛散が始まったらしい。

「今年も憂鬱な季節が始まったなぁ」とにわかに出る様になった水鼻をかみながらぼんやり思う。

小生が花粉症を発症したのは30代だったから、もう30数年もの長い付き合いと云うことになる。

歳をとると身体のアレルギー反応が衰えてきて花粉症の症状が軽くなるというが、小生の場合はまだまだその兆候は無い。

これを”是とすべきか否とすべきか”だが、身体が本来の正常な反応をしていると解せば当然是とすべきで、花粉症は一種の健康バロメーターと言えるかも知れない。

 

花粉症で困るのは、その身体症状(鼻水・クシャミ・目の痒み等)もさることながら、外へ出るのが億劫になることだ。

これからヒノキ花粉の飛散が収まる4月中頃までは、なるべく外出を控えることになるが、1~2週間ならまだしも1ヶ月半も行動制限するとなると、ストレス?が溜まって どうしようも無い。

そこでその解消策として、車庫の片隅に置いたローラー台でのバイク漕ぎに精を出すのだが、端から見るとそれもちょっと滑稽と言えなくもない。

多くの人にとって春は待ち遠しい季節だが、小生には苦難の季節である・・・。

 

さて今日は、バイクライドは止めて山歩きに出かけることにした。

行先は大野町の”滝谷山”で、標高398mの低山だが急登箇所や縦走もあって、昨年12月の百々ヶ峰(418m)を皮切りに、10数年振りに山登りを再開した小生の今のレベルには丁度手頃?な山と言える。

 

運動公園の駐車場に着くと8台の車が停まっており、登山口近くの場所からして何れも登山者のものと思われ、この山のソコソコの人気が伺われる。

身支度を整えて早速出発、動物の侵入防止柵を潜って登山道へと踏み出した。

新調した軽登山靴の感触は”まぁまぁ”か?気懸りは左足首の人工関節のホールドだが、今のところは可も不可も無しという感じ。

 

穏やかな陽光の射す山道を奥へと辿る。

少し湿った落ち葉を踏みしめる足元の微かな音だけが耳に届いてあとは物音無し、この冬の山道の静寂さが、妙に心を落ち着かせてくれるので小生は好きだ・・・。

奥へ辿るにつれて道は遊歩道から山道へと変わる

道は徐々に傾斜を増して沢沿いの登路に変わり、そこからストックを突いて登り始めるが、ヤケに上腕が怠くなってブランクの長さに身体が付いていって無いのを実感せざるを得ない。

ひと汗搔きながら花立峠に到着して振り返ると、少し視界が開けた木々の間から下界が垣間見えてチョッピリ感激?。

沢のせせらぎに束の間癒されつつ花立峠まで登ってきた

しかしここはまだ今日の道程の中間点にも達しておらず、この先からがいよいよメインイベントだ。

この峠は”大谷スカイライン”の途中にある峠でもあるので、谷汲方面へとライドした際には珠に立ち寄るが、その見慣れたはずの峠の風景がいつもとチョット違って見えたのは何故だろう?

 

峠からは大谷山への登りが始まる。

始めは緩かった斜度が急登となりノロノロと攀じっていると、後から来た若い登山者が横をスタスタと追い越していった。

20年ほど前なら、先を行く登山者に追い付き追い抜くのは小生の”専売特許?”みたいなものだったが、今じゃそんな姿は想像すらできない。

「衰えたもんだぁ」と独り言を呟きながら、遠ざかる若い登山者の後姿を見送った。

こんな所ばかりなら山登りも楽だけど・・・(大谷山へ向かう稜線)

大谷山西側の稜線に出るといきなり強風が吹き付けてきた。

風はそれ程無いと勝手に思っていたが北風の強さは想定以上、御蔭で愉しみにしていた小津権現山から花房山にかけての雪を被った山並みは、低く垂れこめた雪雲に覆われて遠望出来ずガッカリ。

「あの雪雲この辺りまで来なければ良いけど・・・」少し不安を覚えながら強風の稜線を後にした。

 

大谷山の展望台に着くと、そこでは男女ペアの登山者がベンチを丸々占有して昼食支度の真っ最中。

「この狭い処でそれは無いだろ」と思ったが、そんな素振りは噯にも出さず「チョット失礼」と断って展望台の片隅で写真をパチリ。

最近は他人の思いなどは気にも留めず”自分本位”に振舞う人が増えた様な気がするが、これも”時代の流れ”というものなんだろうか?

ゆっくり景色を愉しむことなくその場を後にした(展望台からの眺望)

大谷山から滝谷山までの縦走路はUP Downの道、下って登るを繰り返し「もうそろそろ着く頃じゃ?」と思いながら急登を登ると、辺りが開けていてそこが山頂だった。

急登の途中で4人の登山者と擦れ違ったので、まだ先行者が居ると思っていたが着いた処に人影は無し。

生憎北側は木々に遮られて展望は望めないが、南側は大きく開けて遠くまで見渡すことが出来る。

しかも、先刻からの強風もここでは何故か凪いでいるので休憩するには最適。

足元の手頃な露岩に座り、眼前に拡がる景色を東から西へと眼で追いながら「あそこが金華山岐阜市街、138タワーで名古屋の駅前ビル群、伊勢湾は霞んでてチョット判別できないなぁ」といつもの様に独り言を呟いて束の間を送った。 

滝谷山頂上で休憩(見晴らしは大谷山の方が良いかな)

チョット長めに10分ほど休んで下山を開始。

途中で風に乗った小雨が降り出したが、西方を観ても本降りになる様な空具合では無いので少し安心。

帰りに立ち寄った大谷山展望台からの眺望は残念ながら雨に霞んでいた

昔は下りが得意で駆ける様に下った(チョット大袈裟)ものだが、今の足の具合でそれはどだい無理な話で、慎重に足元を選びながら歩を進めるので時間はかかるが、それが自分の実力と納得するしかない。

急登の下りはもちろん急坂、慎重に・・・

滝谷山を発って1.5時間ほど、休むことなく歩き続けてようやく運動公園近くまで下りて来た。

2ヶ月ほど前に百々ヶ峰に登った際に感じた様な脚の疲労感はほゞ無いが、左足首辺りが少し痛む感じがする。

やっぱり軽登山靴では足首のホールドは難しいのかも知れない。

弱った足首のホールドは軽登山靴では無理?

これから本格的に山登りを再開するのなら、登山靴もそれなりの物を買い求める必要があると言うことか?

悩ましい問題がまた一つ増えた・・・。