風を道連れに

☆あるボッチローディーの独り言☆

年のはじめに思うこと

 

2021年の幕開けである。

外は小雪がチラチラ舞い「晴れやかな元日」とは言い難い天候だ。

Netで調べたら2010年の元日も雪が降り、その時は15cmほどの積雪になった様だが、 今日の雪はそこまで積もる気配は今のところない。

20年ほど前までは、雪が降ると「山間部の降雪はどうかなぁ」と子供の様に楽しみに していたが、スキーをやらなくなってからは雪が厄介者でしか無くなり、そんな風に 変節した自分がチョット哀しい。

 

さて、去年はCOVID-19で世界中の人々が大変辛い日々を送ったが、今年はどうなるのだろう?

驚異的なスピードで開発されたワクチンの登場で、免疫獲得という明るい兆しは見え だしたものの、その効果が実証されて多くの人々が接種の恩恵にあずかれる様になる のは、早くても今年の秋以降になるとの見方が一般的だ。

しかし、これは財力を持った限られた先進国の場合はという話であり、世界人口の8割以上を占める中・後進国の人々については、今年はおろか来年以降も全く見通しがたたないというのが現実で、今後数年に亘ってこの感染症に苦しめられるのは間違いない。

最近コロナウイルスの変異(感染力Up)が騒がれているが、UpがあるならDownもある筈で「この変異が感染力Downや弱毒化に進んでくれれば良いのになぁ」と小生などは密かに期待しているのだが・・・。

まぁ何れにせよ、今年もCOVID-19に注意した生活が続くということだ。

 

とは云え、日常生活がCOVID-19への対応に終始してしまってはあまりにも面白くないので、何か目新しいことに挑戦(というほど大袈裟では無いが)して見るのも良いかなと思っている。

 

一つはイベントライドへの参加。

ボッチローディである小生は他人と交わるのが苦手だと思われてるかも知れないが、 決してそうでは無く、単にあれこれ気を遣うのが面倒なだけだ。

ベントライドなら独り黙々と走ることも出来るし、見知らぬ同好の士と適当に話を 合わせて一時を過ごすことも出来る。

今参加を考えているのは、ツールド郡上(5月)ツールド西美濃(9月)せきサイクル ツーリング㏌板取川(10月)の3イベントで、何れも県内近隣で催されるから日帰り 参加可能、距離も85km~132kmで小生の力量に合っているというのが選んだ理由。

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ツールド西美濃(2019ポスター)

もしこれらのイベント参加で良い感触が得られれば、兼ねてより参加したいと思って いたあずみのセンチュリーライドや淡路島ロングライドはたまた佐渡ロングライドと いった、有名サイクルイベントへの道が開くかも知れない。

まぁ、どんなイベントでも参加するかしないかは所詮小生の意思次第なんだけど、いきなりビックに参加するよりも、まず小規模イベントで様子を見てというのが小心者の 遣り方で、謂わば試金石の位置付けだ。

 

もう一つはロングライドの一形態である〇〇一周だ。

琵琶湖一周(ビワイチ)はこれまで3回走ったが、そろそろ違う〇〇一周がしてみたくなったので、日帰り可能な近場から候補に挙げたのが、知多半島一周(チタイチ)と 浜名湖一周(ハマイチ)。

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知多・野間灯台

特にチタイチは色んなバリエーションルートがあって、それらを組み合わせることで 結構楽しめそうな気がする。

海沿いの道を走るなら「やっぱり季節は初夏が良いだろうなぁ」と潮風を身体全体で 感じながら気持ちよくバイクを駆る姿が脳裏に浮かんでは消える・・・。

 

これをやる、あれもやりたいと欲張りなことを書いたが、果たしてどこまで実現できるのか?

「後は結果を御覧じろ」という訳だが、要はやる気の問題だなと得心している。

 

 

2020走り納め?

 

先週、いつもの年より早く雪が降って「いよいよ冬も本番か」と思っていたら、この ところ日中の気温は例年並みに10℃前後まで上がり、少しだけ拍子抜けしている。

先日、近くの堤に植えられた桜並木で2本ほど花を咲かせている木があったので、家人に「暖かいので狂い咲きしている桜があったよ」と話すと「それは多分狂い咲きじゃ なくて冬桜が開花しているのよ」という返事だった。

確かに緋寒桜は2月頃に咲くし、11月頃に紅葉と一緒に見られる十月桜という品種も あると以前どこかで聞いた。

「なるほどね、この時期に咲く冬桜という品種もあるんだ」と得心した。 

桜は4月頃に咲くものと思うのは固定観念で、ソメイヨシノ=桜の定型化が疑い様も なく進んでいることの証左かも知れない。

 

さて、年末を迎えて雑用が多くなったので、年内にライドに出掛けられるのは今日と あと1日くらいになった。

天気も風も問題なしで今の外気は8℃くらい、その気になれば遠出も可能な条件だが、結局「今日はのんびりサイクリングロードでも走ったら?」というもう一人の自分の 囁きに応じて木曽川サイクリングロードを走ることにした。

(実は最近体調がイマイチなので、遠出を回避したい心理が働いたと吐露しておく)

笠松木曽川橋までは街中走行なので、人や車の動きに注意を払う走りが続いたが、 橋を渡ってサイクリングロードにバイクを乗り入れればその緊張感からも解放される。

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                                           木曽川橋            (Alpsdakeより)

「よしよし、これで当分はストレスフリーで走れるぞ」

居宅を出てから20分ほども走って来たので、身体が温まって脚も廻る様になってきた。

調子に乗って少しスピードアップすると、風の抵抗は増すがそれがかえって爽快な気分にさせる・・・。

このサイクリングロードはYouTubeで度々紹介されており、休日には多くのローディーや家族連れで賑わうが、平日は結構空いていて走り易い。

小生は生来混んでいる所が嫌いなたち(決して人嫌いというのではない)なので、ここを走るのは専ら平日限定だ。

同じ様に考える人が何人かはいるもので、ここを走っているといつもの様に出くわす 人達がいる。

 

今日最初に会ったのは、随分以前からロードバイクに乗っているらしき雰囲気を醸し 出している小生と同年配の男性。

バイクはクロモリ(多分)で、いつもサイクルウェアは着ずヘルメットも被らず(夏 は短パン・タンクトップで麦藁帽、冬はトレパン・ウィンドブレーカーにつば付帽子 の恰好)に走っている。

最初の頃は行き交う度に頭を下げて挨拶していたが、先方は一度として挨拶を返して くることは無く、その内小生も頭を下げるのがバカらしくなって止めた。     (悲しいねぇ)

挨拶するかしないかは個人の考えだから百歩譲っていいとしても、ヘルメットを被らずにロードバイクで走るのは止めた方が良いと他人事ながら思う。

3年ほど前の夏の事だが、カーブを曲がる時に砂利でスリップ転倒して右側臀部を強打し10cm大の瘤をつくった。

この瘤は翌日になっても小さくならず内出血の跡も拡がってきたので、医院に行って 切開処置して貰ったが、医者も驚くほど大量の血糊が出て、完治するのに3週間も要 した。

もしこの打撲が側臀部ではなく側頭部だったらと思うと今でもゾッとするし、不測の 事態に備えてヘルメットの重要性を再認識した出来事でもある。

 

次に会ったのは、インラインスケートの2人の男性。

年齢は小生より少し上というところか?この2人を見かける様になった当初は、両人共少しおぼつかない足取りで滑っていたが、今では随分と上達し「好きこそものの上手 なれ」を体現している様だ。

彼らを走路上に見付けると、バイクを道端に寄せて道を譲ったり、声をかけて接触事故を防ぐ様にするのが常だ。

 

最後に会ったのは、自転車旅に備えたトレーニングにいそしむ(小生の勝手な想像) 感じの30代の青年。

バイクは、フラットバーハンドルランドナーを荷物が沢山詰める様に改造した頑丈 そうなもので、これなら「どんな旅にも耐えられそう」と思わせる代物だ。

この車体で、重いギアを回しながらかなりのスピードで走っていく様は、正にトレー ニングそのもの。

昨年までは、彼を見かけるのは長良川の左岸堤防道路~背割堤だったが、今年はこの 木曽川サイクリングロードで何度か見かける様になった。

今日も、いつものバイクで前方から走ってくる彼を認めたので、すれ違った時に手を 挙げて挨拶すると、頷く様に頭を下げて走り去っていった。

 

愛知県側のサイクリングロードを扶桑緑地公園辺りまで走ったところで、上空を雲が 覆い始めて日差しが遮られ、辺りが俄かに寒くなってきた。

西方の空を伺うと晴れ間は皆無で見渡す限りの曇天「これは帰る潮時ということか?」の思いに背中を押されて引き返すことにした。

 

帰路は岐阜県側のサイクリングロードを走ることにして、木曽川にかかる小網橋  (支流)と各務原大橋(本流)の大小2つの橋を渡っていく。

各務原大橋を走っている時ふと右手(東方面)に視線を振ると、遥か彼方に白い   山並みが望見できた「恵那山と中央アルプスだ」

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各務原大橋から木曽川上流を望む

山を見ると古い思い出が蘇る。

「随分と昔、恵那山に単独行して山頂近くの水場でテント泊した時の事、夜半に外で 何物かが歩き回る物音がして目が覚めた。こんな夜中に何だろう?まさか餌を求めて クマが出たのか?恐る恐るテントから顔を出して様子を伺うと、近くでヘッドランプ の明かりがチラチラ。何のことは無い登山者が水場を探して歩き回っていたのだった」

あの頃は小生も若く怖いもの知らずで「結構無鉄砲な山登りを繰り返していたなぁ」と懐かしく思い出す。

 

岐阜県側のサイクリングロードを木曽川に沿って下流へと走って笠松まで戻ってきた。

先ほどまで雲が覆っていた上天には青空が拡がり始め、陽光の明るさが気分を軽やかにする。

ここまで急いで走ってきたが、その心理的な枷も解けつつあるので、川端のみなと公園にある東屋で本日最後の休憩をとることにした。

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みなと公園の東屋から木曽川を眺める

東屋の木組みのベンチに腰かけて、独りボーっと周囲の景色を眺めていると、時間の 経過も忘れてつい長居をしてしまう・・・。

15分ほど休んでようやく帰る気になって来た。

バイクに跨って独り呟やく「これで今年のライドは終わりにするかな?」 

 

 

伊吹山ビューポイント

 

先週から今週にかけての8日間を、全く自転車で遠出することなく過ごしてしまった。

理由は、風が強かったり雪が降ったりと云ったライドに不適な天候が何日か続いたこともあるが、軽い片頭痛が続いたり蕁麻疹が出たりと、あまり体調が優れなかったこともある。

しかし「こんな毎日だと身体が鈍ってしまう」と云う強迫観念が、次第に自分を苛む様になったので、今日はその解消を図るべくライドに出掛けることにした。

幸い天気予報では、風は微風で気温も日中は11℃くらいまで上がるらしく、遠乗りの 支障になる条件ではないし、体調も今のところは良好の様だ。

行先は、長良川左岸堤防道路の快適な走行を期待して木曾三川公園方面と決め、バイクも走りの滑らかなLapierreを準備した。

 

街中を抜けてまずは長良川の堤防道路を目指して走っていると、視界の開けた場所で 正面に伊吹山が見えた。

先日来の降雪で山全体が真白く化粧しており、朝日を浴びて屹立するその姿は、周辺 の山並みを圧して神々しくもある。

「そうだ、伊吹山を間近に見に行くのも良いな」急な思い付きではあるが行先を変更 するのに何の支障もないと云う、ボッチロディーの特権を行使して走る方向を西方面 へと変えた。

堤防道路に出て長良大橋に向けて走っていると、右手前方に墨俣城伊吹山が並んで 見える。

「そうかぁ、伊吹山が綺麗に見える所を探しながら走ってみるのも手だな」そう気付 いて今度は走る行程を考え直すことにしたが、直ぐに走行ルートの全部を決められる 筈も無い。

まずは墨俣城に向かい、そこに着いてからじっくり走行ルートを構想するのが無難だ ろうと結論し、先を急いだ。

 

墨俣城から望む伊吹山はまだ遠くてその威容が伝わってこないので、ここは構図の妙を楽しむべく長良川の堤防から城と山を眺めることにする。

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墨俣城と端麗な容姿の伊吹山

城と山の構図と云えば、松本城北アルプスのそれがベストだと小生は思っているが、それと比較するのもおこがましいと知りつつ、規模は小さいけれど墨俣城伊吹山の 構図もまんざら捨てたもんじゃないと、郷土愛的に小生は思いたいと言ったら不遜だ ろうか・・・。

暫くのあいだその景観を楽しんだ後、これからの走行ルートの概略を考えた。

 

伊吹山を眺望するのに良さそうなところを脳裏に描きながらルートを辿る。

「ここから天王川沿いを・・・揖斐川安大橋を渡り・・・樽見鉄道揖斐川橋梁・・・神戸町輪中堤・・・昼飯大塚古墳へと走る」これだな!

これで走るルートはほゞ決まった、気分も新たにバイクに跨ってペダルにビンディングをカチッと入れる。

 

揖斐川にかかる大安大橋の上から大垣の街並み越しに伊吹山のを眺めた後、次のビューポイントである樽見鉄道揖斐川橋梁を目指して街中の路地を縫って走る。

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安大橋から見る伊吹山(手前の街並みは大垣市街)

目的地への近道は揖斐川右岸堤防道路だが、車の交通量が多い割に道が狭いのでバイクで走るのに適さない、ここは多少時間はかかっても路地をゆっくり走る方が安心だ。

 

揖斐川にかかる樽見鉄道橋梁付近からは、養老・伊吹・池田・揖斐へと連なる濃尾平野の西壁をなす山並みが一望出来るし、また北に目を転じれば、奥美濃へと続く幾重にも折り重なった白い山並みが望見されて、本当に岐阜は山の国(県歌に ♪ 岐阜は木の国  山の国 ♪ の歌詞がある)だなと実感する。

さて、ここでの狙い目は伊吹山を背景に走る樽見鉄道の車両だと、勝手に構図を頭で 描いて線路脇で列車の通過を待ったが、結局15分ほど経っても列車は来ず、時間切れ と諦めて次の場所へ向かうことになった。

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線路越しに見る伊吹山          樽見鉄道揖斐川橋梁

神戸町の輪中堤は平野井川に沿った堤防で、サクラの時期にはここの約4kmに亘って 続く桜並木は西美濃の名所の一つとなるが、冬を迎えた今は、枝だけになった樹冠の 桜並木が酷く寂しげに見える。

その中をバイクで走りながら伊吹山の眺望の良いところを探すが、人家などが邪魔を してなかなか見つからない。

ふと平野井川に目を向けると、水面に沢山の水鳥が群れていた。

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輪中堤から見る伊吹山           川面に群れる渡り鳥

その色や形から類推すると、オオバンホシハジロと云った、冬になるとこの辺りで よく見かける中型の渡り鳥だ。

この辺りには彼らの餌となる水草や小さな水生動物が多いんだろうなぁ・・・。

暫くのあいだバイクを停め、鳥たちが水面に遊ぶ姿を眺めながら、ボーとする時間を 過ごした。

 

ここからは、旧中山道を走って6kmほど先の赤坂の昼飯大塚古墳を目指す。     (予定ではその筈だった)

路側帯のある道を路肩の砂利などに注意しながら走って約2.5km、急にハンドルが重くなり前輪に異常を感じた。

「なんてこった、パンクだ!」バイクを降りて前輪を確かめると、既にAirは殆ど抜けていた。

「確か2ヶ月ほど前にもパンクしたなぁ、全くツイてない」

宝くじは全く当たらないのに、パンクだけは人並み以上?に経験するのは何故だろうか不思議でならない。

それにしても路側帯(路肩)はパンク元凶異物の宝庫だ。

ガラス片や金属片、潰れた空き缶に尖った小石、グレーチング等々なんでもござれ、 ここを自転車の走路に決めた御仁は多分自転車に乗ったことが無いのだろう。

ぶつぶつ独り言を呟きながらパンクを修理していると、すっかり先に進む気が失せて 同時に少し頭痛もしてきた。

「帰ろッかな」ここから直に帰れば1時間ほどで居宅に着ける筈だ。

 

帰路は、往路と同じ道を樽見鉄道橋梁まで戻り、そこから結⇒墨俣と美濃路を走って 岐阜市街に到る走り慣れたルートをとることにした。

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墨俣から岐阜市街地を望む

久し振りのライドだったが、計画不足の上に思い付きに従ったため不完全な形で終始 してしまった。

「まぁそんな時もあるよね」と自分で自分を慰めるしかないのかな?・・・。

ローラー台で走るのは

 

天気の良い日に家に籠っていてはもったいない。

朝食のあと身支度を済ますと、ロードバイクの準備をして出発だ。

昨日は養老から関ヶ原へと走ったから今日は美濃方面に向かうとしよう・・・。

だが毎日がそうとは限らない。

酷く寒い日や風が強く吹く日、はたまた気分の乗らない日などは、もう一人の自分が 出掛けるのを止めたらと囁く。

「どうしようかなぁ?」迷いながらも結局その声に素直に従うが、何とも後ろめたい 気分だ。

そんな時は、ローラー台のトレーニングで軟弱な自分を代償することになる。

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ローラー台専用バイクCorratec CCT Teme

ローラー台トレーニングというといかにも大仰だが実態はさに非ず。

60代の小生にとってインターバルトレーニングは運動強度が高すぎるし、鍛えたい筋肉もちょっと違うので、我流の遅筋(持久力)強化メニューを考案した。  

①フロントインナー(34T)固定でリア最大ギア(28T)からトレーニング開始

②リアのシフトアップに合わせてケイデンスも徐々に上げ、開始13分位で7段目 (14T)ケイデンス85~90rpmまで上げる

③開始から15分が経過したら8段目(13T)にシフトアップし、ケイデンスも90rpm前後を維持してそのまま1時間漕ぎ続ける  

④クーリングのため5分位かけて徐々に最大ギア(28T)までシフトダウンして終了

この80分のトレーニングでそれなりに汗は掻くが、心拍数はあまり上がることは無い ので身体負担は多分中程度だろう。

それでも、これで気持ちも身体も一応スッキリという訳だ。

 

<余談その1>

フロントインナー(34T)・リア8段目(13T)・ケイデンス91rpmでペダルを回すと サイコンのスピード表示は30㎞/hrを示す。

ローラー台で30㎞/hrを維持するのは比較的容易だが、実走では結構大変だ。

以前鈴鹿サーキットロードバイクで走ったが、5.8㎞のコースを1周目は10分台で走れたものの2周目は12分台に落ち込んだ。

道路の起伏は当然ながら走行スピードに関係するが、影響が大きいのは何と言っても 空気抵抗。

20㎞/hrでは感じなかった抵抗を、25㎞/hr超あたりから感じ始め30㎞/hrでは結構強い。

これに向い風が加わるとスピード維持は容易じゃない。

もっとも、ロードバイクで走る醍醐味は「風を感じて走る」ことだけどね。

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身体を包む風が心地よい川沿いの道

<余談その2>

ローラー台でペダルを漕ぐ時には次の2つが必需品だ。

1つ目はヘッドバンド。

1時間半ほどペダルを漕ぐと、最初は額に汗がにじみ始めそれが次第に頭髪部からの 発汗に変わる。

上体の汗はウェアが吸ってくれるが、頭部の汗は顔を伝って滴り落ち、時には眼にも 入って煩わしいので、これを防ぐのがヘッドバンドの役割だ。

レーニングを終えヘッドバンドを外して絞るとかなりの汗を吸っているのが分かる。

汗の塩分濃度は0.4%程度でそれほど塩分は含まれないが、チリも積もれば山となるで「バイクがいつの間にか腐食していた」というマヌケな話しを防ぐ一助でもある。 

2つ目はMP3プレーヤー。

インターバルトレーニングはやらないし、一心不乱にペダルを漕ぐ性分でもないので、トレーニング中はプレーヤーで録音した音楽を聴く事にしている。        (ながら運動?で集中力散漫になるから、3本ローラーは欲しいが諦めている)

聴いてるジャンルは、ロック・R&B・J-pop・フォーク・演歌と一貫性は無いが、あくまで小生の感性にあったものを厳選?しYouTubeなどからダウンロードしたものだ。

音楽を聴きながらペダルを回していると、曲のテンポがケイデンスに影響するのがよく解る。

例えばQueenの We Will Rock Youを聴けば自然とケイデンスは高く(94~95)なり、 ClaptonのTears In Heavenを聴けばケイデンスは無意識に抑え(85~86)られる。

これは身体が音楽に勝手に同期していくから仕方が無いことだが、不可解なのはこんな時はケイデンスが上がっても身体は疲労を自覚しないことだ。(ケイデンスを90から95に意識的に上げたら脚はもろに疲労を感じる筈なのに)

身体というか意識というか、本当に不思議なものだといい歳をして思う・・・。

雪が降った!

 

雪が降った。

例年、この辺り(岐阜県美濃地方)ではクリスマス前にひと雪あるのだが、それでも つい先日まで「冬まだ遠し」を思わせる日々が続いていたので、年内の降雪は無いな と思っていただけにチョットだけ意外の感がする。

まだいいよなぁと思っていた車のタイヤ交換(ラジアル→スタッドレス)だが、雪が 降っちゃやらない訳にはいかない。

以前はタイヤの交換など苦でもなかったが、最近では車をジャッキアップするのさえ 一苦労で、タイヤ4本を交換するのに小一時間もかかってしまった。

全く歳は取りたくないものだ。

 

冬場にスタッドレスタイヤを装着するのは岐阜ではほゞ100%だが、僅か30kmほどしか離れていない名古屋ではその割合が50%以下に減る。

これは、年間の降雪日が岐阜の5回程度に対し名古屋は2回と少ないのが要因と思われ、岐阜はそれだけ寒い?ということなのだろう。

 

小生は、勤め人の頃にふた冬を埼玉(県北部)で過ごしたことがあるが、その時に度々言われたのが「ここは岐阜より寒いでしょう」という言葉。

それに対して「まぁそうだねぇ」と曖昧に答えていたが、実は内心では「そんなに寒くはないけど・・・」と思っていた。

多分彼らの念頭には、冬の木枯らし「赤城おろし」が吹きつける自然環境の厳しさが あったと思うが、岐阜も冬には「伊吹おろし」が吹いて結構寒いし、降雪日も関東地方に比べて多い。

特に違いを感じたのは、霜が降りたり路面が凍結したりする頻度で、岐阜ではそんな日が幾日もあるので、安全対策上必需品であるスタッドレスタイヤも、埼玉では装着している人は少なかった。(小生の実感で装着数を調べた訳ではない)

 

先ほど見たTVのニュースでは、東海道新幹線関ヶ原付近の降雪により徐行運転しており、ダイヤが乱れていると伝えていた。

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関ヶ原付近を走行する”のぞみ”(イメージ)

関ヶ原は今も昔も交通の難所で、昔は追剥ぎ・山賊などが出没して旅人を苦しめ、今は雪で日本の動脈(東海道新幹線東海道本線名神高速道路)を苦しめている。

関ヶ原付近に雪が多いのは、北西から進入した雪雲が伊吹山地にぶつかってその麓に 大量の雪を降らせるからで、そのおこぼれが濃尾平野にも雪をもたらす。

これから天候が順調に回復すれば、雪化粧した伊吹山の壮麗な姿が見られることだろうと、今から楽しみでもある。

 

大量の雪と云えば、小生の子供の頃は今よりズーと降雪量が多かった。

雪が降れば、この辺り(美濃平野部)でも20cmくらい積もることはざらで、3~40cmの積雪になることも度々あった。

そんな時は、子供には一つの楽しみが待っている。

物置の中をガサゴソ探して手製(自分で木板と竹を組んで作った)のそりを引っ張り 出し、公園の築山や長良川の堤防で斜面を滑って飽きることなく遊んだのは、遠い日のセピア色した思い出だ。

思えば、昔の子供は遊び道具を自分で作ることを当然の様にしていた。

ぱちんこ(ゴムを使って小石などを飛ばす道具)は手頃な枝を雑木林で拾ってきて小刀で削って作ったし、ゴム鉄砲も割りばしと輪ゴムを使って作ったものだ。

まぁ、それが将来の何かに繫がったという事は何にも無いんだが、小生に限って言えば手先が少しだけ器用になったことは確かである。

 

話しを雪に戻そう。

昔より降雪量が減ったのはこの辺りだけかと云うと、どうもそうでは無いらしい。

過日NHKの番組を見ていたら「尾瀬では最近積雪量が大きく減っている」との関係者の声があり、40年前は6mはあった積雪が最近では2mほどしかなく、この積雪量の減少が尾瀬の生態系に大きな変化を及ぼしているという内容だった。

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雪の燧ケ岳と尾瀬ヶ原

「♫ 夏が来れば思い出す 遥かな尾瀬 遠い空 ~ ♫」夏の思い出の歌詞に謳われたあの清々しい湿原の風景が、近い将来には消え去るかも知れないとしたら・・・。

例え山好きじゃなくても「これは何とかしなくちゃ」と考えるのではないだろうか?

 

降雪量の減少は地球規模での気候変動が背景にあり、その原因が「地球大気の温暖化」にあることに疑念を挟む余地はない。(現実を直視しない温暖化否定論者は論外)

炭酸ガス排出量(化石燃料消費)の削減は人類共通の努力目標ではあるが、後進国の人々にそれを押し付けるのは経済的不平等の強要であるとも思う故に、ここは先に富 を享受した先進国の人々がその任を負って、脱炭素社会の実現に向けて邁進すべきだと考えるのは小生だけではあるまい。

伊自良湖へ

 

今朝起きて外を見た時は良い様に思えた空模様だが、出掛ける準備を整えてから空を 見上げると、上天の半分ほどが高積雲(ヒツジ雲)に覆われていた。

「と云うことは天気は下り坂か・・・」

数時間後には雨が降り出すという様な 感じでは無いが、午後遅く若しくは夜には降り出すかも知れない?

このところ平野部では雨が降ってないから、コロナウイルスの飛散を抑えて感染症の 拡大を防ぐためには、雨は大いに期待したいところ。

しかし、長雨は外出の妨げになるから、時雨の様なのが良いと手前勝手に思う・・・。

さて、天候はそれほど悪くないし風も強くは吹いてないとすると、それはつまりライドに出るのに何の支障も無いと云うこと。

「それじゃ予定通り伊自良湖へ行くか」と腹を決めた。

伊自良湖は、釜ヶ谷山(696m:山県市)を源流とする伊自良川を堰き止めて造った 人造湖だが、今の季節だと湖畔周辺の紅葉狩りにはもう遅いので、多分静かな湖畔の 風景が楽しめる筈だ。

 

居宅を出て街中を北へ向かって走る。

外気温は10℃前後か?今日から冬用のウェアに替えたので、風を受けても寒さは感じ ない。 

念のために薄手のベストをポケットに忍ばせてきたから寒くなっても大丈夫だけど、 今のところそれを着ることは無さそうだ。

長良川を越えて伊自良川沿いの道を走っていると、右手方向に周囲の軒を越えて赤茶色の円錐状の連なりがあるのが見え、それが妙に綺麗だったので、進行方向とは違うが 行ってみることにした。

メタセコイアかな?」走りながら考える。

昔は、学校の校庭や公園あるいは寺社の境内などにイチョウの大木があったが、それらはいつの間にか無くなって、代りに植えられたのがヒマラヤスギやメタセコイアだ。

小生は、イチョウの黄色く色付いた樹容が好きだが、校庭や公園から姿を消した原因は、あの銀杏の嫌な臭いを多くの人が敬遠したからかも知れない。

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公園に植えられたメタセコイア

目的の樹に近付くにつれ、それが学校に隣接する公園に植えられたメタセコイアであることや、既に落葉も始まっていることが判ってきた。

2週間ほど前なら「多分美しい紅葉が見られたかも知れないなぁ」と少し残念に思ったが、それも後の祭りという事か・・・。

 

道を少しそれたので走るルートを修正し、岐阜大学脇の間道を通って北を目指す。

普段は通らない大学病院横の小道を走っていると、道脇の広場にヘリコプターが駐機 しているのが目に入った。

「Docter Heliだな、出動に備えて待機中か?」

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駐機場で待機するDocter Heli

昨年この病院に入院していた時には、病室の窓からその発着をよく眺めたものだが、 その時は小さな機体と思っていたものが、近くで見ると案外と大きいことにチョット 驚く。

このDocter Heliのカバー範囲は岐阜県全域に及ぶが、最遠の飛騨地区でも飛行時間は 3~40分ほどで、患者を収容して帰院するまでの時間は2時間以内で済むらしい。

確かに小生が病室から見ていた時も、飛び立って1時間半位で大概は帰って来ていた。

年間の出動回数は500件はあるらしいから、地域医療の重要なツールになっていることは間違いない。

但し、願わくは小生と家族、縁者がその御厄介になるのは避けたいものだ、神のみぞ 知る事ではあるけれど・・・。

 

山県市に入ると走路は山間の開けた視界の道を行く事になる。

車はそこそこ通るので散漫な気分での走りは禁物だが、少しスピードを上げて風を感じながら走ると、エンドルフィンが脳内に分泌されて束の間の幸福感に包まれる。

伊自良湖は正面左奥の青い山並みの麓だから、あと11kmほど走れば到着だ。

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伊自良へと続く山間の道

伊自良の集落を過ぎて快調に走っていると、美山への分岐を過ぎた辺りで青いプジョーに抜かれたが、何気なくナンバーを見ると一宮とある。

県外の人がこんな所まで来るとしたらワカサギ釣りか?「釣り人って結構遠出を厭わないからなぁ」と自分を差し置いて感心する。

道はわずかづつ登り傾斜となり、やがてヘアピンカーブを廻って短い坂を上ると伊自良湖畔に出た。

走りながら湖面に視線を投げると、方々で小舟に乗った釣り人が竿を垂らす穏やかな 風景が目に入ってきたので「ワカサギシーズンの始まりかぁ」とまた独り呟いた。

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山を背に静かな湖面の伊自良湖

湖畔を農産物直売所(ラブレイク)まで走って、周辺の案内看板の前でこれからどう するか思案しながら眺めていると、ここから沢沿いの路を釜ヶ谷登山道に向けて辿ったところにキャンプ場の表記があるのを見付けた。

「そう云えば若い頃ここにキャンプに来た事があったなぁ」と俄かに思い出してそこに行って見たくなった。

バイクをゆっくり走らせながら昔を思い出す。

「せせらぎの傍に張ったテント、焚火を囲んでの語らい、楽しそうな友の顏、確か夜半に雨が降って慌てたなぁ」と色々な記憶が朧気に浮かんでくる・・・。

思い出に浸りながら緩い登路をキャンプ場に辿っていると、路傍の空地に青いプジョーが停まっているのが目に入る。

「この車、確かあの時の・・・」てっきりワカサギ釣りに来た人と早合点していたが、ここに車を停めてると云うことは釜ヶ谷登山に来た人だったのか。

俄かに思考はこの登山者へと飛ぶ。

小生も、山登りをしていた頃はよく一人で山に入ったから判るが、人里に近いと云っても入山者が殆ど居なさそうはなこの山はチョット危険度が高いかも知れない。

木の根に躓き転倒してケガをするリスクは常にあるし、急に体調を崩して人事不省に なる事だって無いとは言えない。

他人事ではあるが、何事も無く下山することを願うばかりだ。

 

キャンプ場まで登ってきたが、残念ながら記憶にある深い木立に囲まれたせせらぎの あるテント場は何処にも見当たらなかった。

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寂しげな佇まいのシーズンオフのキャンプ場

 そこにあるのはBBQハウスと陽の射す広場、そして山ぎわに寄り添って点在する少し古びたバンガロー数棟だけ。

それもその筈で、記憶のそれは40年も前のものだから、今もそれが変わらず残っている方が可笑しいのだ。

祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり・・・」平家物語の冒頭の一節が、思わず口から漏れ出た。

 

キャンプ場から更に100mほど先に行ったところがこの登路の終点で、路の感じから して、多分この先は登山道に変わるんだろうと思われた。

チョットだけ先に行ってみたい誘惑にかられたが「もう登山は卒業した筈」と考え直して引き返すことにする。

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路の先は釜ヶ谷山への登山道

湖畔まで戻って時計を見るともう12時近い時間だ。

「そろそろ帰らなくっちゃ」

折角だから湖畔を1周してから帰途に付くことにした。

たにぐみさん参り

 

ここ5日間ほど体調が良くない。

と言っても寝込むほどの不調では無く、単に軽い頭痛がして身体が妙に重いという程度なので、人によっては「なんだそれしきの事で」と言うかも知れない。

こんな時は、家でじっとしていれば良いのだろうが、そうすると今度は「こんな好い日に家にいるなんて」と影の声が囁き、ストレスが溜まって「精神衛生上宜しくない」となるので、結果的にはバイクでどこかに出掛ける事になる。

そんな訳で、今日は往復50km程度の軽めのライドを計画した。

行先は、たにぐみさん(谷汲山華厳寺)を予定。

 

街中を抜けて郊外の川沿いの道を走る。

この道は遊歩道だから、散歩する人がいてチョットだけ気を遣う。

すれ違う時は、道を空けてくれて有難うと頭を下げて挨拶し、追い越す時は「右(左)を通ります・・・有難う」と注意喚起とお礼を言う様にしているという訳だ。

そんな風にして暫く走っていると、何処からかいい匂いが漂ってきた。 

「うぅん、パンを焼く匂いだが、この辺りにパン屋さんがあったっけ?」辺りを見廻すがそれらしい建物は無い。

パン屋さんって結構意外なところで営業できるものだ、以前行ったパン屋さんは住宅街の中の普通の家だった。

この匂いの主もそんな感じかも知れないなぁと思い、帰ったら調べてみる事にした。

 

根尾川にかかる赤い欄干の万代橋を渡ると、辺りは里山の風景に変わる。

山では広葉樹の落葉が進み、田畑もひっそりと冬の到来を待っているかの様だ。

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万代橋                 冬を待つ里山

 ここからは見えないが、奥美濃の山々はどんな感じなんだろう?

例年なら12月中旬頃には初雪の便りが届くが、今年は西高東低の冬型気圧配置もまだ 少なく、シベリア寒気団の南下も遅い様だから「1~2週間は遅れるかも知れないなぁ」と勝手に思う。

まぁスキーを止めてもう20年ほどになるから、奥美濃に雪が降ろうが降らまいが、小生の生活には何の関係も無いんだけど・・・。

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山辺の道を走って谷汲を目指す

車通りの多い道を避けて山辺の道を走ると、山際に佇む集落では、村人の焼く落ち葉の煙が一筋立ち上がっていた。

「あぁ、冬支度という感じだなぁ」

その郷愁的な風景を目にして、気持ちが少し穏やかになっていくと感じるのは、情緒的な日本人の特質なのだろうか?

 

谷汲には、今から19年前(2001年10月)に廃線となった名鉄谷汲線の駅舎が、当時の使用車両2両と共に保存されている。

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 モ510型(T15年製造)            モ750型(S2年製造)

昔のこと、小生はその車両のどちらかに乗ってここを訪れた朧げな記憶があるのだが、 どういう経路で、また何のために来たのか等の内容的記憶は全く無い。

記憶が創られるのは脳科学の常識だが、谷汲を訪れたというその記憶自体が創られて いるとしたら、人間にとって記憶って何だろう?とも思う。

話しは変わるが、岐阜市内の路面電車チンチン電車)の廃線は1988年の事になる。

その頃、既に多くの人(当然小生も含む)は路面電車に乗ることは無くなっており、 小生の路面電車の記憶も中学生頃までのモノとなるが、その断片的な記憶を辿ると1台の車両(モ510型)が鮮やかに蘇る。

特徴的な丸窓と赤いベルベットの長座席、木製板張りの床、微かな油の匂い、車両の横揺れ合わせ前後に身体を揺らす乗客や「チンチン」と鳴るベルの音。

これは決して創られた記憶などでは無く、確かにこの車両が走っており、それに小生が乗ったという確信を伴う記憶であると信じて疑わないのだが・・・。

 

駅舎跡に併設されたトイレで小用を済ませて、いよいよ"たにぐみさん"へと向かうが、脇道を進んで長い参道へと出ると、思いの外の人出にチョット吃驚する。

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谷汲山華厳寺への参道

谷汲山華厳寺は、創建以来1200年余の歴史を持つ名刹で、西国三十三番満願・結願の 霊場(巡礼の最後に訪れる寺)だから参拝者も多いということか?

不信心な小生なので詳しくは知らないが、西国霊場の巡礼は日本で最も歴史ある巡礼行らしく、今の霊場(参拝寺)が定められたのは1000年ほど前、一方、有名な四国遍路はそれよりも300年ほど後になって、今の四十四ヶ所めぐりが成立したということだ。

 

参道は関係者の車両を除いて進入禁止になっているが、自転車は規制されていない様子なので行ける所まで行ってみようと走り出す。

参拝者を避けながら参道を700mほど進んで、仁王門前でバイクを停めるとそこからは徒歩。

そこではたと気付いた「しまったマスクをしてない」急いでポケットからマスクを取り出して何食わぬ顔で付けた。

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本堂に続く石段               華厳寺本堂

本堂手前の手水舎でバイクを石垣に預け、参拝者に混じって石段を本堂へと登る。

いつもなら歩き出すとすぐに痛みだす病んだ左足首が、今日は不思議と痛まないのは 何故だろう?

観音菩薩の思し召しかな?」といつになく信心深い思いがふっと脳裏に浮かんだのは場所柄故か。

本堂では家族みんなの健康と安寧を祈願して、一つ肩の荷を降ろした気分になった。

 

帰路は、谷汲から南下して立花峠を越えるルートを予定していたが、谷汲周辺探訪で 時間を使い過ぎてタイムスケジュールが狂った(最近動きが鈍くなった所為か?こんなことが度々ある)ので、止む無く大谷トンネルを抜ける時短ルートをとる事にした。

後ろめたい気持ちはあるが、これで20分は稼げるのでこの後の走行が楽になる筈だ。

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  大谷トンネルに続く道         三水川で見つけた越冬マガモ

トンネルを抜けて坂道を高速で下り、そのまま三水川沿いの道を大野の街中へ向けて 走り続ける。

交差点はあるが信号は無い道を、車などに注意して4kmほど進んだところで川面に視線を送ると、マガモらしき鳥が10数羽群れているのが見えた。

静かにバイクを停めて辺りを見廻すと、そこかしこに5~6羽の群れがあるのが判る。

「やっぱりもう渡りの時期なんだなぁ」とあらためて冬の到来を実感すると共に、この時期になると必ず飛来する渡り鳥の習性の不思議を思った。

 

あと40分ほど走り続ければ居宅に帰り着く。

今日は、期せずして冬がそこまで来ていることを確かめるライドになった様だ・・・。