風を道連れに

☆あるボッチローディーの独り言☆

秋の気配が

 

”忘れる” と云うことは、絶えず新しい情報を処理しなければならない ”脳” には必然的な行為である。

だが、今しなければならない(しかも重要な)ことを忘れて、他のことをしてしまうとしたら、それは多分正常な脳の働きとは言えず、まずは病気(アルツハイマー認知症や軽度認知障害等)を疑うべきじゃないかと、岡山の幼児置き去り事件の報道を聞いて思った。

小生も近頃 ”物忘れ” をすることが多くなったが、これは単に身体の老化と共に脳機能も衰えた(と勝手に認識している)からで、対抗策として、本を読んだり初めてのことに挑戦してみたりして、ニューロンシナプスそれに情報伝達物質の減少に若干なりとも歯止めを掛け様としているが、果たしてその効果のほどはどうなんだろうねぇ。

 

人の名前を思い出せないのは今に始まったことでは無いが、最近顕著になったのは地理感覚の劣化。

以前(10数年も前?)なら「ここをこう行けばあそこに出る」と地図を見ずとも正確な道程を脳裡に描けたが、今は「あれ?あそこに着く筈なのにこんな所に出たぞ」という想定外な結果にガッカリすることがまゝある様になった。

小生はサイコンにナビを入力しておらず、専ら頭に描いた地図に従ってバイクを走らせるので、この感覚の劣化はチョットまずい。

まぁ全く知らないところであっても、スマホGoogle Mapを見れば現在地は解るので、適宜走路を修正しながら走ることは出来るのだが・・・。

 

 

さて今日は、前日までの雨が上がって晴れ間が広がるとの天気予報なので、最近とんとご無沙汰している木曽川サイクリングロードを走ることにした。

近場なので急ぐことは無いと、ゆっくり準備してAM10時少し前に居宅を出発、まずは木曽川CRを走る時の通例で、羽島へと向かってバイクを走らせる。

風はほとんど無く少し蒸し暑い気温だが、走行風を受ける身体の体感温度はどちらかと云えば”快適”で、季節は晩夏から初秋へと移り行くそんな気配が感じられる。

ついこの間年始の挨拶をしたばかりなのにもう9月とは「時の流れはどんどん早くなるなぁ」と感慨とも愚痴ともとれる言葉が口から洩れた。

濃尾大橋上からの木曽川上流方向の眺望

濃尾大橋で木曽川左岸(愛知県側)へと渡り、堤防道路をCRの南端(一宮市加賀野井)へと向かう。

小生の陳腐なこだわりで、こういう区間の決められた走路は”端から端”まで走らないとどうも気が済まないからだ。

尾西グリーンプラザの先で河川敷に下りると、そこがCRのスタート地点、これで当分の間は車に煩わされず走れるので、気分は謂わば”肩の荷”が下りた感じ。

ペダルを軽快に回しながら、灌木に囲まれた走路を抜けると視界が一気に開けた。

眼前に拡がるその清新な景色は小生の視覚を刺激し、それによって生じた脳内スパークが、安らぎの感覚となって束の間小生を包んでくれる。

この様なささやかな至福感は、自動車に乗っていては決して得られないもので、自転車を駆る者だけが感じられるご褒美だと、小生は自己満足的に思うのだが・・・。 

↑ 灌木の繁る道  様々な表情のCR  視界の拡がる道 ↑

北方(一宮市)から扶桑(江南市)までの15kmは、この木曽川CRのメイン走路。

休日ともなれば多くのローディーが行き交うが、今日は平日なのでこれまで3人とすれ違っただけ。

実は小生としてはこういう状況の方が好ましい訳で、行き交う人に頻繁に挨拶しなくて良いし(大した手間ではないが)、前走する人を抜くか着いていくかで迷う煩わしさも無いのだから、自分の本来の走り方をこの区間ずーと通せると云うことだ。

そんなことで、あれこれもの思いに耽りながらCRを独り占めして走るのは結構愉しいもので、周囲の景色を愛でていた視線を何気に空へと上げると、綺麗なすじ雲(巻雲)が青空を彩っていた。

「空はもう秋の気配だな」清々しい感じの雲を見て、素直にそう思った。

蛇行して流れる木曽川           秋の気配を運ぶすじ雲

扶桑緑地公園の樹陰の休憩場所で一休み。

外国(インドorパキスタン?)の子供2人が目前の遊具で楽しそうに遊んでいる。

それをボーッと眺めながら疲れ?を癒していると、右隣のベンチで話し込んでいた両親らしき男女2人連れが、突然大きな声を上げて子供の所へと近づいていった。

どうも「帰るぞ!」と言ってるみたいで、子供はまだ遊びたそうに遊具を指さしてる。

「もっと遊ばしてやれば?」と思ったが、ひょっとしてあの両親には、小生が家族団欒へ闖入した邪魔者に見えたのかのかも知れないと思い直した。

「ゴメンゴメン」と立ち去る家族の背に届かぬ声を投げ、「小生はいたってリベラルな人間なのにね」と独り静かに思った。

 

犬山緑地まで走ったあと、Uターンして堤防道路を江南緑地公園まで戻る。 

いつもなら犬山橋を岐阜県側に渡って、木曽川右岸側を川島(各務原市)辺りまで走るのだが、今日はその走路の煩雑さが何だか嫌な気分で、それならば”来た道を戻る”ので良いやとなった次第。

昔は煩雑さをそれほど厭わなかったが、歳と共に気力が衰えるにつれて、そういった類のものを避ける様になった。

これからもこういう傾向が強まっていくんだろうなぁと少し淋しく思う・・・。

いつもは子供達の歓声が響く無人の運動場がチョット淋しげに見えた

20km余りを一気に走って北方まで戻ってきた。

ここで木曽川橋を渡り笠松から居宅を目指せば近いが、何だかもう少し走りたい気持ちが顔を覗かせるので、この先の尾濃大橋へと遠回りして帰ることにする。

あと10kmチョットだが身体が水分を欲しているので、どこかの自販機で飲み物を手当しなくちゃいけないなぁ・・・。

北方広場も無人だった・・・